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発表日:2019年7月25日14時

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県政ニュース

スパコン技術を活用したヒートアイランド対策を検証!熊谷スポーツ文化公園で集中気象観測を実施

部局名:環境部
課所名:埼玉県環境科学国際センター
担当名:温暖化対策担当
担当者名:原 政之

直通電話番号:0480-73-8367
Email:g738331@pref.saitama.lg.jp

埼玉県では、ラグビーワールドカップ2019™が開催される熊谷スポーツ文化公園を対象に、樹木の植栽など、様々なヒートアイランド対策を実施しました。

策の実施に当たっては、平成30年度に埼玉県環境科学国際センターと国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が共同で、スーパーコンピュータを活用して、ヒートアイランド対策の具体的な成果を事前に予測する暑熱環境シミュレーションを実施したところです。

この度、ヒートアイランド対策の効果を検証するため、熊谷スポーツ文化公園において、集中気象観測を行います。

1 集中気象観測計画について

(1)目的

ラグビーワールドカップ2019™の開催地であり、夏季に高温となる熊谷スポーツ文化公園に施されたヒートアイランド対策の効果の検証をするための気象観測を行います。

また、観測結果は暑熱環境シミュレーションの精度の向上等にも活用します。

(2)観測期間

和元年7月29日(月曜日)、8月2日(金曜日)、8月8日(木曜日)、8月9日(金曜日)及び8月13日(火曜日)

(観測データが十分に得られた場合は、前倒しで終了となる場合があります。また、天候不良の場合には、観測を実施しないことがあります。)

(3)時間

各日  10時~17時

(4)観測内容

熊谷スポーツ文化公園内に、総合気象観測システム(AWS)、放射収支計、湿球黒球温度(暑さ指数)計等を3、4か所設置し、気温、湿度、気圧、雨量、風向・風速、日射量等を集中観測します。

(5)参加機関

文部科学省気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)(*1)研究に参加する研究機関・大学などの合同調査として実施します。

(6)観測結果の公表

令和元年9月頃公表予定です。

   

2 暑熱環境シミュレーションとヒートアイランド対策について

(1)平成30年度に熊谷スポーツ文化公園を中心とした5 km四方を対象に、埼玉県環境科学国際センターとJAMSTECが共同で、日本の代表的なスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」(*2)(JAMSTEC所有)を用い、暑熱環境のシミュレーションを実施しました。

(2)過去の典型的な猛暑日(平成22年8月26日)を想定したこのシミュレーションでは、以下のことが明らかになりました。

  • 対策を実施するエリア(対策領域:約15,000平方メートル)の気温は対策前と比べ0.7℃低下し、特に「小森のオアシス」付近の気温は0.9℃低下すること
  • 園路に高木(ケヤキ)を植栽し並木を整備することで、対策領域では観客の動線の約40%が木かげになること
  • 既存のアスファルト舗装と対策領域に施工する遮熱舗装の表面温度を比較したところ、日なたで約9℃低下すること

 

(3)シミュレーションの予測結果を基に、平成30年度に植栽による「並木道」や「小森のオアシス」の整備、「遮熱性舗装」等のヒートアイランド対策を実施しました。

3 その他

(1)本プロジェクトは、埼玉県環境科学国際センターが参加する、文部科学省温暖化対策研究「気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)(*1)」による取り組みです。

(2)これまでの研究

ア  熊谷スポーツ文化公園での気象状況を調査するため、平成28、29年の夏季に気象観測を実施しました。このデータにより、シミュレーションの再現性が高いことが確認できました。

(平成28年8月5日報道発表)

イ  ヒートアイランド対策の効果を事前に予測するため、気温だけではなく、地表面温度や風速、暑さ指数(*3)など、人への暑熱影響に関するシミュレーションを行いました。

(平成30年6月21日報道発表)

用語説明

(*1)気候変動適応技術社会実装プログラム

(SI-CAT: Social Implementation Program on Climate Change Adaptation Technology)

本全国の地方自治体等が行う気候変動適応策の検討・策定に汎用的に活かされるような信頼性の高い近未来の気候変動予測技術や、気候変動影響に対する適応策の効果の評価を可能とする技術を開発することを目的とした文部科学省の事業です。

SI-CATでは、シーズ・ニーズ一体の開発を通じた社会実装の確実な実現を図る事業を実施し、気候変動に伴って増加する極端気象現象(猛暑や豪雨)等への自治体による地域特性に応じた適応策の導入を支援します。

(SI-CATホームページ  https://si-cat.jp/

 

(*2)地球シミュレータ

JAMSTEC横浜研究所に設置されているスーパーコンピュータです。平成14年3月に、地球温暖化をはじめとする気候変動の解析・将来予測、地震や地球内部変動の解明等、世界に類を見ない「人類的課題に挑戦できる世界最速のスーパーコンピュータ」として運用を開始しました。特に気候変動研究分野では、温暖化予測実験に広く利用され、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書作成に大きく貢献しました。また、その高い計算能力は、材料開発、輸送機器改良、デバイス開発、医薬品開発など、最先端の産業分野にまで広がり、従来のシミュレーションでは到達できなかったレベルの成果が発表されました。

平成27年3月に、地球シミュレータにとって2度目となるシステム更新が行われ、シミュレーション能力は、これまでの約10 倍となりました。これにより、従来では難しかった複雑なシミュレーションや、より大規模なシミュレーションを高速に行うことが可能となり、地球環境問題の解決や地殻変動、地震発生機構の解明や津波被害の予測等への更なる貢献が期待されています。

 

(*3) 湿球黒球温度(暑さ指数)

体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい (1)湿度、 (2)日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、(3)気温の3つを取り入れた指標です。暑さ指数が28℃以上の場合には日常生活におけるすべての生活活動において熱中症の危険性が高まります。

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