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掲載日:2026年7月22日
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Eコマースの進展やキャッシュレス決済の拡大などに伴う税源偏在により、東京都に税収が集中しています。この潤沢な税収を背景に、東京都は他の自治体ではできないような行政サービスを次々と実施しています。
例えば、保育料無償化は、本県が第3子以降を無償化としているのに対し、東京都は第1子以降すべてを無償化としています。
また、こども医療費の助成について、本県では、通院は小学校3年生まで、入院は中学校3年生までとしているのに対し、東京都は、通院と入院ともに高校3年生までとしています。
さらに、都内在住の全てのこどもに対し、月額5,000円を給付するなど、東京都以外の自治体では考えもつかないような給付施策も打ち出しています。
仮に、これらのこども施策を本県で実施した場合は、1,000億円の追加費用が必要と推計されますが、本県の貯金でもある財政調整基金(3基金)の実質的な残高は、当初予算編成時点で約350億円であり、これらの基金を全て活用しても1年分も措置できない規模感です。

都道府県間の行政サービスに格差が生じる背景として、財政力格差の拡大があります。
財政力格差の拡大を示すデータとして、東京都の財源超過額があります。財源超過額とは普通交付税の算定において、基準財政収入額が基準財政需要額を上回る額のことを指します。
47都道府県で東京都のみが、基準財政収入額が基準財政需要額を上回っており、平成30年度の東京都の財源超過額は約1.2兆円に達しました。
これを受け、令和元年度に法人事業税の一部を分離して、国が特別法人事業税として課税し、特別法人事業譲与税として財政力の高い団体(東京都)への譲与を制限して、各都道府県に再配分する特別法人事業税・譲与税制度が創設され、一定の偏在是正が講じられました。
しかしながら、東京都の財源超過額は令和7年度に約2兆円となり、4年連続で増加して過去最高額になるなど、財政力格差は拡大する一方です。

財政力格差の拡大をもたらす要因の一つとして、Eコマース(ネット通販などの電子商取引)やキャッシュレス決済の進展等があります。
個人小売店の売上高が減少する一方で、Eコマースの市場規模は年々拡大し、経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によれば、平成26年は6兆円であったのに対し、令和6年は15.2兆円と2倍以上に拡大しています。また、インターネット販売における年間商品販売額のシェアは東京都が4割以上を占めています。

Eコマースの特徴として、実店舗を持たずに事業展開しているため、従業者数は本社に集まり、税収はその本社が集まる東京都へ集中することになります。
例えば、埼玉県に住んでいる方が、埼玉県で注文して、埼玉県で支払いをして、埼玉県で受け取って、埼玉県で使っても、税収だけは東京都に落ちるということになります。つまり、東京都以外での経済活動によって生じる税収が本社所在の東京都に流れ込んでいるということです。
さらに、Eコマースと同じくキャッシュレス決済も拡大しております。特別法人事業税・譲与税制度が導入される前の平成30年と比較すると、クレジットカード決済額は倍増、コード決済額は約80倍となっています。キャッシュレス決済では、手数料収入が決済サービス提供会社等に入るため、他の都道府県で決済を行った場合でも、決済サービス提供会社等の本社が集める都道府県に、その手数料収入が集中することになります。

このような経済活動の変化に伴う税源の偏在により、東京都への税収がより一層集中しています。
法人事業税、法人県民税及び特別法人事業譲与税の人口一人当たりの法人関係税を埼玉県と東京都で比較すると約3倍もの格差があります。

こうした問題意識の下、本県は税源偏在の是正に向け、国への働きかけを積極的に行ってきました。
特に東京都の隣県として共通の問題意識を持つ千葉県、神奈川県と連携して三県で要望活動を実施しています。
国への働きかけの結果、令和8年度与党税制改正大綱において、地方法人課税における偏在是正措置の拡充について検討し、令和9年度税制改正において結論を得る旨が明記されました。
また、「骨太の方針2026」においても、「都市・地方の財政力格差及び行政サービスの地域間格差が拡大する中、令和8年度与党税制改正大綱に沿って、偏在性の小さい地方税体系の構築に向けた具体的な取組を講ずる。」と明記されました。
この大綱で示された税源の偏在是正措置が早急かつ確実に行われるよう、今後もあらゆる機会を通じて国に働き掛けていきます。

令和8年6月29日に大野埼玉県知事、熊谷千葉県知事及び黒岩神奈川県知事が、木原内閣官房長官へ申入れを行いました。
令和8年6月18日に大野元裕埼玉県知事が高橋はるみ財務大臣政務官へ要望を行いました。
令和8年4月23日に大野埼玉県知事、熊谷千葉県知事及び黒岩神奈川県知事が、小野寺自由民主党税制調査会長へ申入れを行いました。
令和8年4月13日に大野埼玉県知事、熊谷千葉県知事及び黒岩神奈川県知事が、片山財務大臣、林総務大臣へ申入れを行いました。
「(3)都市・地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築(17ページ)」に自民党の方針が記載されています。
「(4)持続可能な地方行財政基盤の強化(34ページ)」に政府の方針が記載されています。
関係者・有識者の意見や税収の分析結果などをとりまとめた報告書が掲載されています。