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掲載日:2020年4月1日

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有期労働契約期間中の解雇について

7 パートタイム労働者・アルバイト・派遣労働者等

7-5 有期労働契約期間中の解雇について

質問です

1年契約で、近くのスーパーに勤務していましたが、勤務先の店舗が業績不振により閉店することとなりました。
契約期間は6か月残っているのですが、会社都合による解雇となった場合、残りの契約期間分の給与の支払いを請求できるのでしょうか。

ここがポイント

  • 契約期間を定めている労働者を解雇する場合、「やむを得ない事由」が必要です。
  • 「やむを得ない事由」があって解雇する場合であっても、使用者に過失があれば労働者に対して損害を賠償する必要があります。
  • 賠償限度額は、本来得られたはずの賃金相当額、つまり契約期間満了までの賃金相当額です。

お答えします

期間の定めのある労働契約(有期労働契約)の場合、使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間が満了するまで労働者を解雇することはできません。しかし、「やむを得ない事由」があるときは、各当事者は直ちに契約の解除の申入れができることとされています(民法第628条)。
この「やむを得ない事由」についてですが、経営状況の悪化により廃業することとなった使用者が、契約期間を定めている労働者を解雇することを肯定する考え方が一般的のようです。
したがって、使用者が経営状況の悪化という使用者側の事由によって労働者を解雇することは、「やむを得ない事由」に該当し、解雇権の濫用等の特別な事情がない限り、解雇することは可能と思われます。
ここでは、解雇権の濫用等の特別な事情はなく、解雇は可能であることを前提に説明を続けます。
期間の定めのある労働契約をやむを得ない事由があって解約する場合には、「その事由が当事者の一方の過失によって生じたときは、相手方に対して損害賠償の責任がある」(民法第628条ただし書)とされています。
御相談のケースにおける解雇事由が使用者の過失とされるかどうかについては、業績不振の原因について総合的に検討して判断することになりますが、使用者の過失とされるケースもあります。使用者の過失により生じた解雇とされる場合には、使用者は労働者について生じた損害を賠償する必要があり、この場合の賠償限度額は、本来得られたはずの賃金相当額、つまり契約期間満了までの賃金相当額と考えられます。
このように、残りの契約期間分の給与の支払いを請求することは、一般的には可能です。ただし、損害が発生しないためにとった会社の対応措置等により、損害賠償が認められなかったり、賠償額が減額となる可能性もありますので注意してください。
なお、勤務先の店舗が閉店とのことですが、他に店舗があり、そちらへの異動などにより雇用を継続することが可能な場合、解雇することが権利の濫用に該当し、無効とされる可能性もあります。
その場合には、期間満了までの勤務を申し出てみることも考えられます。

ここにも注意!

解雇権の濫用について
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります(労働契約法第16条)。

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産業労働部 雇用労働課 労働相談担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第二庁舎1階

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