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掲載日:2025年4月28日
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朝日合金株式会社(https://www.asahi-gokin.co.jp/)は、創業50年を迎える特注の金属加工品製作及び避雷針製作を行う企業です。お客様の要望に応える提案力と柔軟かつスピーディな対応力で、短納期・多品種小ロット・低コスト・安定品質を実現しています。
近年は事業の効率化や働きやすさ追求のためDXの推進にも力を入れています。各種事務のコンピュータ化をはじめ、出張先で、チャットで本社と連絡を取り合い見積りを作成したり、出退勤等の事務処理をしたりしています。現場のゴミの減量化などSDGsにも取り組み、また、埼玉県「彩の国工場」の指定を受け、地域貢献にも力を入れています。
今回は、2024年12月11日に本社・工場を訪問し、お話を伺いました。
朝日合金株式会社の本社・工場 工場内部
■金属加工品事業について
朝日合金では、これまでお客様のニーズに合わせた様々な特注の金属加工品を製作してきました。その際の同社の強みは、➀短納期・小ロット、②現地調査、図面作成、強度計算、製作、納品(一部施工取付け)までの自社一貫体制、➂技術と価格双方の安定品質です。
中でも、安定品質の製品を短納期に対応できること、「材料を入れたらすぐに作ってすぐに出すという回転を早くできる」ことが一番の強みです。岩本社長のお話には「回転」、「サイクル」、「スピード」という言葉が何度も登場し、それだけ重視していることがわかります。
朝日合金の特注品のお客様は工事会社がほとんどですが、現場は人手不足で工期に追われていることが多いため、同社は早く製品を入れて現場の役に立ちたい、お客様のチームの一員として支えたいという気持ちで対応しています。お客様の納期重視の要望に応えることで信用信頼を得ています。
工場内部 整理された部品類
◆製品例
➀ケーブルラック耐震架台
ケーブルラックは電力幹線や通信幹線に用いられるケーブルを並べて敷設するための受け棚のことで、架台はケーブルラックを建物に固定するための支持材のことです。
架台の耐震設計は、 吊り高さ、段数、 ケーブル重量などにより変わってしまうため、案件ごとに設計、 製作します。
②アンテナ支持柱
携帯基地局や防災無線などビルごとの案件に対応しています。
➀ケーブルラック耐震架台 ②アンテナ支持柱
➂盤架台
盤(平らな表面をもつ台)の新設や交換などに伴い、 盤架台の製作をしています。
④機器架台
太陽光発電現場で使用する壁掛け式のパワーコンディショナーや蓄電池の架台を設計、強度計算、製作します。
➂盤架台 ④機器架台
⑤点検歩廊
機器メンテンス用の歩廊(通路)を製作します。
⑤点検歩廊 ⑤同左
⑥引込柱
引込柱とは、電力会社の電柱から電線をつなぎ、電気を敷地内に引き込むために建てる電柱のことです。
⑦接地銅板
電気用と避雷針用があり、後者は、避雷針に落ちた雷の電流を地中に流すために銅板を埋設します。
⑥引込柱 ⑦接地銅板
■避雷針事業について
避雷針は、建物の屋上からさらに高く突き出すように設置されます。高いところの方が雲に近いので、避雷針に雷が落ちやすくなり、その結果、避雷針の周辺では地上に雷が落ちにくくなります。避雷針は電気を通しやすい金属でできており、落雷した雷の電気は、そこから建物(構造体)の鉄骨や鉄筋に取り付けられた導線を通って、地面に埋めてある銅などの金属棒や銅板の電極(接地極)に向けて流れていきます。このようにして、避雷針に落ちた雷の電気は地面に逃がされます。
朝日合金では、避雷針の製作はもともと下請けとして行っていましたが、13年前に自分たちでメーカーを立ち上げました。自社製造・自社施工で、専門のスタッフが製作した避雷針を建物に取り付け、電気を地中まで流すアース工事(接地工事)まで一貫して行っています。岩本社長は、当時別の会社に就職していましたが、避雷針事業を立ち上げる際にお父様の先代社長から声をかけられ、一般社員として入社、一から勉強して新事業に注力しました。
避雷針は建物と人を守るためのものなので、製作及び取付けには細心の注意を払います。避雷針の製作については、日本工業規格(JIS規格)により明確に仕様が定められていること、同社が従来から多岐にわたる部材を使った特注品製造を手掛けていたこと、下請けでの経験があったことなどから問題はありませんでした。しかし、避雷針はアース工事までセットで販売することが重要で、朝日合金では避雷針を取り付ける「施工班」を社内に作ることによって、避雷針メーカーとして発進できるようになりました。避雷針は建築基準法により、20メートル以上の建物は避雷針の設置が義務付けられています。首都圏の建物の高層化やマンションの建替え、大規模修繕等により避雷針の需要が伸び、現在では売上げの4割を占めるほどになりました。
避雷針
◆避雷針の部品(一部)
・突針
雷をキャッチする先端の製品。主に銅製で、クロームめっきが施されています。JIS型や国土交通省型などの形状があります。
・支持管
突針を取り付けるための支持管になります。主に鉄製で、溶融亜鉛めっきが施されて、強度計算により太さや長さを変更。改修工事では、搬入できるサイズにも変更可能です。
・支持管取付金物・取付台
支持管を取付けるための金物。側壁型と自立型があり、強度計算により幅や厚み、穴ピッチなども変更可能です。
・導線取付金物
屋上にて導線を支持する金物。取り付ける場所によって置いたり、貼りつけたり、打ち付けたりできるように多種多様です。銅線用とアルミ線用があります。
・接地端子函
建物に取り付けられた導線と、地面に埋めてある金属棒や銅板の電極を繋ぐ部分。接地抵抗(電気の通りにくさの値。値が低いほど電気が地中に流れやすいので良い)を計れるようになっています。
■今後力を入れていきたいこと
今後力を入れていきたいことについてお聞きしたところ、「朝日合金に勤めてよかった、川口、埼玉で働いていてよかったと社員が思えるような会社を作っていきたい」とのことでした。
朝日合金は、これからも迅速に、確実に、お客様の要望に応え、実績と技術力を軸に社会のインフラを支えるモノづくりを実現し、日本の未来に貢献していきます。
ご対応いただきました岩本代表取締役、和氣第二営業部長、ありがとうございました。
朝日合金株式会社
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