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発表日:2022年3月25日18時

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県政ニュース

サクラの外来害虫クビアカ被害地域の拡大続く! 「クビアカツヤカミキリ発見大調査2021」結果発表

部局名:環境部
課所名:環境科学国際センター
担当名:研究推進室・自然環境担当・研究企画室
担当者名:三輪・角田・嶋田

直通電話番号:0480-73-8370
Email:a738331@pref.saitama.lg.jp

環境科学国際センターでは、サクラを枯らす外来害虫“クビアカツヤカミキリ”からサクラを守るため、「クビアカツヤカミキリ発見大調査」を展開しています。これは、県内の公園や河川敷、学校などに植えられたサクラを中心に、県民の皆様からその被害や成虫の発生状況を報告していただき、実態を把握するものです。このたび、平成30年6月の調査開始から4回目となる令和3年度の調査結果(令和4年2月末現在)がまとまりました。その結果、被害地域の拡大が続いていることが明らかになりました。

「クビアカツヤカミキリ発見大調査2021」の結果概要

1. 調査方法

クビアカツヤカミキリの成虫が発生し、被害も多くなる6月から、県内の公園や河川敷、学校などに植えられたサクラを対象に、クビアカツヤカミキリの成虫(図1)の発生状況やフラス(木くずとフンが混ざったもの)(図2)の排出状況を、県民の皆様や市町村職員に調査していただき、結果を環境科学国際センターに御報告いただきました。なお、被害がないことについても御報告いただきました。

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図1 クビアカツヤカミキリ(オス)

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図2 フラス(褐色のカリントウ状で比較的硬い)

2. 被害市町数と被害箇所数(令和4年2月末現在)

被害の有無にかかわらず、県内42市町の1089か所から報告があり、そのうち、18市町の444か所から被害発生(成虫のみの確認を含む)の報告がありました(表1)。

令和2年度と比較して、令和3年度の被害発生市町数は16市町から18市町に、被害箇所数は431か所から444か所に増加しました(表1)。被害箇所数の増加は、被害発生市町での防除施策の効果もあり、比較的小さく抑えられましたが、被害地域の拡大は、調査を開始した平成30年度から依然として続いています(表1及び図3)。今後は、被害発生地域での防除とともに、その周辺の被害未発生地域に飛んで拡散する個体の防除が必要と考えられます。

表1 被害発生市町と被害箇所数(平成30年度~令和3年度)

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図3 県内のクビアカツヤカミキリによる被害地域の変遷(色付きのメッシュが被害があった地点を含む3次メッシュ)

3. 今後のクビアカツヤカミキリ対策

  1. 地域連携による対策を進めるため、県、被害発生市町及びその周辺市町村で構成されるクビアカツヤカミキリ連絡会議を開催し、連絡や防除体制の強化を図ります。
  2. 効果的な防除対策を進めるため、県民参加による「クビアカツヤカミキリ発見大調査」を継続し、市町村とともに、県内全域における被害状況の把握に努めます。
  3. 対策技術の普及啓発を図るため、クビアカツヤカミキリの被害防止に関する研修会や出前講座を積極的に開催します。
  4. 有効な対策技術を普及するため、登録農薬の防除効果の検証結果などについて情報発信するとともに、必要に応じて、その使用法に関する研修会を開催します。
  5. クビアカツヤカミキリの防除や被害木の伐採・処分を実施する市町村に対し、財政支援を行います。<補助金制度に関する問い合わせ> 環境部みどり自然課 野生生物担当 電話: 048-830-3143

参考

県内被害の変遷

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クビアカツヤカミキリ調査地点マップ

下記URLの「クビアカツヤカミキリ情報」サイトにある「クビアカツヤカミキリ調査地点マップ」で、図3や図4に示したように、県内の被害状況が確認できます。

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図4 クビアカツヤカミキリによる被害地域と被害未発生地点を表すマップ(サンプル):青点が被害未発生地点、色付きのメッシュが被害のあった点を含む3次メッシュ

クビアカツヤカミキリについて

  • 平成30年1月に、特定外来生物に指定された。
  • 自然分布は、中国、モンゴル、朝鮮半島、ベトナムなど。
  • 幼虫は、サクラなどのバラ科樹木の生木を食べ、木の内部で2~3年かけて成長し、蛹になる。
  • 幼虫の活動期は春から秋で、この間にフラスを排出する。
  • 蛹は6月中旬から8月上旬に成虫となり、樹体の成虫脱出孔から樹体外に出る。
  • メスの成虫は木の樹皮の割れ目に産卵し、卵を1000個近く産むこともある。
  • 成虫の寿命は、野外では1か月程度で、成虫で越冬はしない。

環境科学国際センターでは、クビアカツヤカミキリに関する基礎的な情報を、下記URLの「クビアカツヤカミキリ情報」サイトから発信しています。このサイトから、クビアカツヤカミキリの「資料用画像」や「被害防止の手引」を入手できます。

URL: https://www.pref.saitama.lg.jp/cess/center/kubiaka.html

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写真

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図5 クビアカツヤカミキリの幼虫による被害により樹勢の弱まったサクラ

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図6 図5のサクラの樹体にあいた成虫脱出孔

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図7 サクラの樹体から排出されるフラスと樹液

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図8 サクラの根元に堆積したフラス

報道発表資料(ダウンロードファイル)

 

 

 

 

 

 

 

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