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掲載日:2024年3月13日

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経営分析のすすめ

収益性の高い経営に向け、経営分析をしましょう

確定申告を済ませると一段落ですね。より良い経営を目指してもう一がんばりしましょう。
1年間の経営の総決算をした後は、経営の分析を行い、より収益性の高い農業経営を目指しましょう。

1 農業経営体と経営管理

農業は農業経営と生活の場、さらに労働者と生活者が重複しているため、農業経営と生活の明確な分離がしにくく、経理面での混乱が起きやすくなっています。
実際に簿記の記帳をしている農家でも、現金の残高がマイナスになるなど家計費と経営費が混乱している例をよく目にします。
自分の経営を家計と明確に分離し、農業経営体として客観的に評価することが重要であり、そのため、元になる経営簿記と作業日誌の記帳が必要です。

2 簿記の役割

農業経営は、土地、設備などの財産を運用して行っています。経営の実態を把握するためには一定期間で財産がどう変化していったかを正確に記録する必要があり、その手段として簿記の記帳があげられます。
簿記の本来の目的は、記録や申告ではなく、経営の実態を正確に把握し、それを分析して経営改善を図ることです。

3 簿記の種類

簿記は使われる業種ごとに分類され、農業では農業簿記が使用されています。簿記は記帳の仕組みで複式簿記と単式簿記に分けられます。
(1)単式簿記
収支簿記ともいわれ、現金の出し入れを中心に、収入や支出を記録し、残高を出すもので、現金出納帳や家計簿が典型的な例です。誰でも簡単に出来ますが、一部の動きしか記録できないため、チェック機能が無く、経営内容の正確な把握には向いていません。
(2)複式簿記
「正規の簿記」といわれ、経営体の所有する財産すべての増減変化と損益の発生を体系的に記録するものです。財産と損益を関連づけて記録するため、誤りのチェックをすることができます。
経営の内容を正確に把握して経営分析をすることができます。

4 貸借対照表と損益計算書

経営のもとになる財産を正確に把握しなければ、収益性の高い経営はできません。
財産は所有する土地・建物など正の資産と借入金などの負の資産(負債)があります。資産と負債の差が資本です。

(1)貸借対照表

一定の時点における資産、負債、資本の状態を数字で表した表が貸借対照表です。
期首と期末の貸借対照表を比較するにより、その会計期間における資産、負債、資本の増減を知り、経営成績の概要を知ることが出来ます。

(2)損益計算書

貸借対照表では期間内の純損益を求めることは出来ますが、損益の発生原因を知ることができません。損益の発生原因を知るために費用と収益の記録・計算をするものが損益計算書です。

5 経営分析

決算ができたら、経営分析をしてみましょう。貸借対照表と損益計算書から経営体の財政状態や経営成績を明らかにすることができます。これにより、収益を得るための損益分岐点などが明確になり、今後の経営改善方策の参考にしましょう。

6 パソコンの利用

今まで、複式簿記の記帳が広まらなかった理由として、伝票を仕分けして仕訳伝票に記入し元帳に転記するのが面倒であるうえ、帳票類の種類が多く、はじめから「記帳法が難しい」と敬遠されていたことがあります。
これらの面倒な作業は、パソコンを利用することによって、ほとんどが解決されています。多量のデータを法則にしたがって整理する作業はパソコンの得意な分野であり、誰でも簡単に簿記記帳ができるようになります。
昨今のパソコンの普及はすさまじく、一家に一台の時代がやってきています。パソコンを活用して、今年は経営分析に挑んでみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ

農林部 東松山農林振興センター 新規就農・法人化担当

郵便番号355-0024 埼玉県東松山市六軒町5番地1 埼玉県東松山地方庁舎3階

ファックス:0493-23-8530

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