新埼玉県立図書館基本構想テキスト版 〔スライドは0から27まで、全部で28枚あります。*印は別添、用語解説をご確認ください。〕 スライド0 新埼玉県立図書館基本構想 スライド1 目次 はじめに 01.埼玉県立図書館の概要 02.県立図書館を取り巻く環境の変化 03.新たな県立図書館の方向性と目指す図書館像 スライド2 はじめに 〔右上に埼玉県立図書館百周年記念ロゴマーク〕 黒四角 埼玉県立図書館(以下「県立図書館」という。)は、大正11(1922)年に「埼玉県教育会立埼玉図書館」が開設されたことに始まり、令和4(2022)年10月に100周年を迎えました。 黒四角 こうした中、私たちを取り巻く社会環境は、少子高齢化やグローバル化の進展、人口減少時代の到来など、大きく変化してきています。特に、情報通信技術(ICT*)の高度化は、時や場所を選ばないサービス提供を可能とし、これからの図書館サービスを展開していくに当たり、その活用は必要不可欠なものと考えられます。 黒四角 また、多様化・複雑化する社会課題の解決を目指し、他者と協働したり、学んだ成果を新たな価値に転換したりする県民の取組が更に盛んになることも予測されます。 黒四角 県教育委員会では、県民が主体的に自分や地域の将来を考え、持続可能な社会の実現に参画するために、県立図書館がどのような役割を果たすべきなのか検討してまいりました。 黒四角 本構想は、令和3(2021)年度の「新しいタイプの図書館検討有識者会議」における、これからの図書館に求められるミッションに関する議論をベースとし、県政世論調査、県民ワークショップでいただいた御意見も参考にしながら、「新埼玉県立図書館基本構想検討専門家会議」での議論を経て、新たな県立図書館が目指す姿、その姿を実現するために必要となる具体的な機能を示すものとして取りまとめたものです。 令和5(2023)年10月 埼玉県教育委員会 スライド3 〔第1章目次〕 01.県立図書館の概要  1.1.県立図書館の沿革  1.2.県立図書館の現状  1.3.図書館の位置付けと県立図書館の役割 スライド4 1.1.県立図書館の沿革(1) 黒四角 大正11(1922)年の開設から、令和4(2022)年に100年を経過。 黒四角 戦後、市町村立図書館が十分に整備されていない間は、趣味や実用書、小説などの生活に身近な図書の貸出を行うとともに、移動図書館車により、図書館がない地域におけるサービスも展開するなど、地域住民への直接サービスを実施。 黒四角 昭和40年代には、急激な県人口の増加と都市化、情報化に対応し、昭和45(1970)年以降、従来の浦和図書館に加え、熊谷・川越・久喜図書館を設置(県内東西南北4館体制)。 黒四角 その後、市町村立図書館が整備されるに伴い、県立図書館の役割を専門的な図書等の収集・提供を行うことに重点化するとともに、情報需要の増大等に対応するため、レファレンス*(調査・相談)などのサービスにも注力。 黒四角 市町村立図書館の整備が更に進んだことや施設の老朽化などにより、平成8(1996)年に「埼玉県立中央図書館(仮称)基本構想」を策定し、従来の4館体制を見直し、平成15(2003)年に川越図書館を、平成27(2015)年に浦和図書館を廃止。 〔中央下に浦和図書館、熊谷図書館、川越図書館、久喜図書館の開館当初の画像が開館年順に並んでいます。〕 スライド5 1.1.埼玉県立図書館の沿革(2) 〔スライド全体に年表があります。年表の項目は、全部で2個あります。年、内容です。〕 大正11(1922)年10月 北足立郡工区員出張所跡地内に「埼玉県教育会立埼玉図書館」開設 昭和25(1950)年9月 移動図書館開設(巡回車を「むさしの号」と命名) 昭和26(1951)年3月 埼玉県立図書館設置条例制定、「埼玉県立図書館」と名称変更 昭和35(1960)年3月 新館整備(のちに浦和図書館と改称) 昭和45(1970)年4月 熊谷図書館設置 昭和50(1975)年10月 川越図書館設置 昭和55(1980)年6月 久喜図書館設置 平成8(1996)年1月 「埼玉県立中央図書館(仮称)基本構想」策定(コンセプトとして「彩の国・情報創造館 -知の発見・交流・創造-」を掲げる) 平成15(2003)年3月 川越図書館廃止 平成21(2009)年2月 「県立図書館のライフチャンスライブラリー*化に向けて(提言)」(ハイブリッド化*や、分散している資料の集約とワンストップ化*等の必要性が示される) 平成27(2015)年3月 浦和図書館廃止 平成27(2015)年6月 熊谷図書館浦和分室開室 平成28(2016)年3月 熊谷図書館リニューアル開館(埼玉資料室・ビジネス支援*室・外部書庫の整備) 令和3(2021)年3月 「新県立図書館在り方検討委員会 報告」 取りまとめ(目指すべき県立図書館の在り方として、「情報」と「人」が交流し、価値を創造する図書館=「価値創造型図書館*」を示す) 令和4(2022)年3月 「新しいタイプの図書館検討有識者会議 議論のまとめ」(これからの時代の県立図書館のミッションとして「県民とともに社会をつくる」が提唱される) スライド6 1.2.県立図書館の現状(1) 〔スライド上半分に熊谷図書館、久喜図書館、2館の施設概要をまとめた表があります。この表の項目は、全部で4個あります。所在地、開館年月、所蔵冊数、職員数です。〕 熊谷図書館 所在地 熊谷市箱田5-6-1(JR及び秩父鉄道 熊谷駅から徒歩20分) 開館年月 昭和45(1970)年4月 所蔵冊数 約99万冊(うち外部書庫55万冊) 職員数 60人(うち司書47人) 久喜図書館 所在地 久喜市下早見85-5(JR及び東武伊勢崎線 久喜駅から徒歩20分) 開館年月 昭和55(1980)年6月 所蔵冊数 約60万冊 職員数 36人(うち司書29人) 職員数の注、臨時的任用職員を含む、注、終わり。 〔スライド下半分に所蔵資料の表があります。〕 所蔵資料(主なもの) 〔この表の項目は、全部で7個あります。図書、新聞、雑誌、マイクロフィルム、電子媒体、視聴覚資料、障害者サービス用資料です。図書の単位は冊です。新聞・雑誌の単位はタイトルです。マイクロフィルムの単位はリールです。電子媒体の単位は点です。視聴覚資料の単位は点です。障害者サービス用資料の単位はタイトルです。〕 熊谷図書館、久喜図書館、2館合計の順です。 図書 988,965冊、603,950冊、1,592,915冊 新聞 116タイトル、38タイトル、154タイトル 雑誌 2,052タイトル、705タイトル、2,757タイトル マイクロフィルム* 11,139リール、3,466リール、14,605リール 電子媒体 785点、549点、1,334点 視聴覚資料 45,737点、11,243点、56,980点 障害者サービス用資料* 空欄、6,723タイトル、6,723タイトル 注、令和4年度末現在、注、終わり。 スライド7 1.2.県立図書館の現状(2) 青字、全国的に見た県立図書館及び埼玉県の特徴、青字、終わり。 白丸 県立図書館の専任司書数は全国で第2位 白丸 県立図書館の蔵書冊数は約159万冊(〔都道府県立図書館の中で〕全国第3位) 白丸 市町村の図書館設置率は9割超(全国第11位)、県内図書館の蔵書総数は約2,500万冊(全国第3位) 〔スライド下三分の二に、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県を比較する表があります。この表の項目は、全部で6個あります。施設、職員、蔵書、資料費、利用状況、県内状況です。都道府県名の欄に、人口と、47都道府県中の人口順位が書かれています。〕 埼玉県(人口739万人/5位) 施設 黒四角 2館合計面積 10,303平方メートル(第23位)注、外部書庫含む、注、終わり。  【熊谷:3,580平方メートル・久喜:4,059平方メートル・外部書庫:2,664㎡】 職員 黒四角 専任職員 71人(第2位) 黒四角 青字、うち専任司書 55人(第2位)、青字、終わり。 蔵書 黒四角 青字、159万冊(第3位)、青字、終わり。 資料費 黒四角 65,101千円(第11位) 黒四角 人口一人当たり資料費 8.8円(第43位) 利用状況 黒四角 入館者数 158,079人 黒四角 貸出数 175,621人(第31位) 県内状況 黒四角 青字、図書館設置率 93.7%(第11位)、青字、終わり。 黒四角 図書館数 178館(第2位) 注、『埼玉の公立図書館』による、注、終わり。 黒四角 青字、蔵書総冊数 2,494万冊(第3位)、青字、終わり。 千葉県(人口632万人/第6位) 施設 黒四角 3館合計面積 13,024平方メートル(第14位)  【中央:6,171平方メートル・西部:3,262平方メートル、東部:3,591平方メートル】 注、1館とする計画あり、注、終わり。 職員 黒四角 専任職員 63人(第5位) 黒四角 うち専任司書 37人(第5位) 蔵書 黒四角 143万冊(第6位) 資料費 黒四角 64,615千円(第12位) 黒四角 人口一人当たり資料費 10.2円(第41位) 利用状況 黒四角 入館者数 152,795人 黒四角 貸出数 115,671点(第39位) 県内状況 黒四角 図書館設置率 74.1%(第32位) 黒四角 図書館数 144館(第5位) 黒四角 蔵書総冊数 2,035万冊(第5位) 神奈川県(人口921万人/第2位) 施設 黒四角 2館合計面積 14,621平方メートル(第11位)  【県立:12,130平方メートル・川崎:2,491平方メートル】 注、2022年9月に開館した「本館」の面積を反映していない、注、終わり。 職員 黒四角 専任職員 67人(第4位) 黒四角 うち専任司書 50人(第4位) 蔵書 黒四角 120万冊(第13位) 資料費 黒四角 72,919千円(第7位) 黒四角 人口1人当たり資料費 7.9円(第44位) 利用状況 黒四角 入館者数 126,885人 黒四角 貸出数 109,970点(第41位) 県内状況 黒四角 図書館設置率 87.9%(第20位) 黒四角 図書館数 85館(第12位) 黒四角 蔵書総冊数 1,801万冊(第7位) 愛知県(人口757万人/第4位) 施設 黒四角 1館 19,604平方メートル(第5位) 職員 黒四角 専任職員 39人(第9位) 黒四角 うち専任司書 33人(第6位) 蔵書 黒四角 118万冊(第14位) 資料費 黒四角 33,249千円(第38位) 黒四角 人口1人当たり資料費 4.4円(第46位) 利用状況 黒四角 入館者数 341,146人 黒四角 貸出数 345,107冊(第16位) 県内状況 黒四角 図書館設置率 88.9%(第16位) 黒四角 図書館数 97館(第9位) 黒四角 蔵書総冊数 2,286万冊(第4位) 職員の注、臨時的任用職員を含まず、注、終わり。 蔵書の注、「蔵書」は所蔵する図書(雑誌、視聴覚資料、録音図書、電子的資料は含まない)、注、終わり。 出典:順位は『日本の図書館2021』を加工して作成。都道府県単位。各館面積・入館者数は各館令和3年度要覧より 図書館数は「埼玉の公立図書館(埼玉県図書館協会)」及び「社会教育調査(文部科学省)」 スライド8 1.2.県立図書館の現状(3) 青字、サービスの概要、青字、終わり。 白丸 専門性の高い図書等の収集とこれを駆使したレファレンスや課題解決支援サービスを展開 白丸 図書等の搬送や人材育成などを通じた県内図書館等の支援も実施 白丸 デジタルライブラリー*の公開、情報の探しかた講座など、資料・情報の活用を促進 専門的な図書等を駆使したレファレンス(調査・相談) 黒四角 レファレンスは質・量ともに全国トップレベル 黒四角 市町村立図書館等では解決の難しいレファレンスをサポート 《参考》 ・国立国会図書館「レファレンス協同データベース*」へ埼玉県立図書館が提供したレファレンス事例に対するアクセス件数は14年連続日本一 ・市町村立図書館等からの調査依頼に応じることを目的とした「埼玉県立図書館・図書館協力レファレンス掲示板」を運用 市町村立図書館等への支援 黒四角 令和4年度は他の図書館等に対して約86万点の資料を搬送 黒四角 県内市町村立図書館等職員の人材育成、図書館等運営相談に対応 《参考》 ・横断検索システム*(県内公立図書館(室)60・大学2・その他機関7)の構築・維持管理 ・各市町村おおむね週1回の頻度で巡回 ・市町村立図書館等職員向け研修を実施 専門図書館的な機能による課題解決支援 黒四角 ビジネス支援サービス(経営・起業・就労等) 黒四角 健康・医療情報サービス(がん、認知症等) 黒四角 障害者サービス(障害があっても利用しやすい資料の製作・提供) 黒四角 海外資料サービス(外国語資料の提供等の多文化サービス) 黒四角 子供読書支援センター(ボランティア養成や学校図書館支援) スライド9 1.3.図書館の位置付けと県立図書館の役割 黒四角 公立図書館は図書館法第2条に位置付けられる。そのうち県立図書館には、県民に対する直接サービスの実施に加え、市町村立図書館の運営支援や連絡調整等の実施により、県内全域の図書館サービスの向上に資する役割を担うことが求められる。(例、市町村立図書館では収集が困難な図書等の保存、図書等の搬送ネットワークの構築など) 図書館の位置付け  ・教育基本法第12条で、国や地方公共団体は図書館その他の社会教育施設の整備によって、社会教育の振興に努めなければならないとされている。 ・社会教育法第9条で、社会教育のための機関とされている。。 ・また、図書館法第2条において「図書館」とは、図書や記録、その他必要な資料を収集・整理・保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設とされている。 〔都道府県立図書館の根拠と役割を国立国会図書館と市町村立図書館と比較しながら説明する表があります。〕 国立国会図書館は、国立国会図書館法を根拠として設立されている。役割は、国会、行政、司法への支援である。また、この法が定める図書館サービスを国民に提供している。 埼玉県立図書館や埼玉県内の市町村立図書館は、図書館法を根拠として、各自治体の条例により設置されている。 図書館法第7条の二には、「文部科学大臣は、図書館の健全な発達を図るために、図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを公表するものとする。」とある。 「図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)」の中には、都道府県立図書館の役割が述べられている。 市町村立図書館は、住民に対するサービス(生活圏を考慮)、当該市町村の全域サービス網を整備する。県立図書館は、県民に対するサービスと共に、市町村立図書館の設置及び運営への指導・助言等を行う。また、市町村立図書館は直接サービスを実施し、各市町村の実情に即した運営を行うが、県立図書館は直接サービスの実施等、県域の実情に即した運営を行うだけでなく、市町村立図書館に対する運営支援や県内図書館間の連絡調整等に努めるものとされている。 スライド10 〔第2章目次〕 02.県立図書館を取り巻く環境の変化 2.1.人口減少と人口構造の変化 2.2.デジタル化の進展と行動変化  2.3.豊かに過ごせる社会への要請の高まり 2.4.価値創造の重要性の高まり  2.5.著作権法の動向 2.6.市町村立図書館の整備の進展  2.7.県民ニーズ スライド11 2.1.人口減少と人口構造の変化 〔見出しが2個あります。将来人口の見通し、人口構造の様々な変化、です。〕 青字、将来人口の見通し、青字、終わり。 〔箇条書きが1個あります。〕 青字、推計人口、青字、終わり。:本県の人口は令和3(2021)年の734.3万人(埼玉県推計人口)まで増加を続けてきたが、令和4(2022)年には733.1万人と減少に転じ、令和22(2040)年には約685万人に減少すると予想されている 青字、人口構造の様々な変化、青字、終わり。 〔箇条書きが全部で3個あります。〕 青字、人口構成、青字、終わり。:生産年齢人口(15~64歳)割合は、平成12(2000)年をピークに減少傾向。同推計によれば令和22(2040)年には県民の3人に1人が高齢者となる見込みである。 青字、人口分布、青字、終わり。:県を3つに分けたとき、都心に近い県南ゾーンでは20代から30代の転入が超過し、人口が集中。圏央道ゾーンでは20代が転出者超過。県北ゾーンでは15歳から34歳までの若い世代の転出が超過しており、人口減少や高齢化が進んでいる。 青字、在留外国人数、青字、終わり。:埼玉県内の在留外国人は令和4(2022)年6月末現在で約20万6,000人と過去最高である。 〔スライド右側に埼玉県の将来人口の見通しの5年毎の推移の棒グラフと、高齢者人口(65歳以上)の割合によって塗り分けられた埼玉県の地図があります。〕 グラフのタイトル:埼玉県の将来人口の見通し(年齢3区分別) 〔横軸は、2000年から2040年まで、5年おきです。縦軸は、0から800まであり、単位は万人です。〕 2000年から2020年までは、埼玉県人口全体が700万人前後で緩やかに増え、2020年から2040年までは緩やかに減少している。 年齢を3区分に分け、積み上げた棒グラフになっている。0歳から14歳までの人口は、2000年は102万人だが、2040年には75万人に一貫して減少する見込みである。15歳から64歳までの人口は、2000年は501万人だが、2040年には380万人に一貫して減少する見込みである。65歳以上の人口は、2000年は89万人だが、2040年には230万人に達し、一貫して増加する見込みである。 出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30(2018)年推計を基とした県独自推計 地図のタイトル:65歳以上人口の割合(%) 〔埼玉県の地図があり、高齢者人口の割合によって4色で塗り分けています。 25%未満は白色、25%以上30%未満は水色、30%以上35%未満は青色、35%以上は紺色です。 高齢者人口の割合が35%以上の市町村は、幸手市、毛呂山町、越生町、小川町、川島町、吉見町、鳩山町、ときがわ町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村で、紺色で地図が塗られています。 高齢者人口の割合が25%未満の市町村は、さいたま市、川口市、草加市、蕨市、戸田市、朝霞市、志木市、和光市、八潮市、富士見市、吉川市、伊奈町、滑川町で、白色で地図が塗られています。〕 出典:埼玉県統計課「埼玉県町(丁)字別人口調査(令和4(2022)年1月1日現在) スライド12 2.2.デジタル化の進展と行動変化(1) 〔見出しが2個あります。社会のデジタル化の進展、デジタル時代における情報取得・行動の変化、です。〕 青字、社会のデジタル化の進展、青字、終わり。 社会生活の様々な分野において、デジタル技術を活用したコミュニケーションやサービス提供が行われることが浸透してきた。 日本のモバイルブロードバンド*普及率は世界第1位、モバイル端末の世帯保有率も高く、デジタル機器は便利な道具から人々の生活基盤へと変化してきた。 一方、世界デジタル競争力ランキングは第29位(2022年)、世界電子政府ランキングは第14位(2022年)となっており、デジタル技術の社会実装に課題がある。 青字、デジタル時代における情報取得・行動の変化、青字、終わり。 デジタル化・オンライン化により情、情報の流通が飛躍的に拡大するとともに、情報の複製・加工・発信等も容易となり、人々が自ら情報を発信することも一般化してきた。 仕事・教育・買物などのコミュニケーションやサービス提供の方法が多様化してきた。 人々が誤った情報や断片的な情報に触れる機会も増大している。 〔右上に情報通信機器の世帯保有率の折れ線グラフがあります。〕 横軸は、2009年から2020年まで、1年毎です。 縦軸は0%から100%までです。 モバイル端末全体(携帯電話・PHS及びスマートフォン)の世帯保有率は、90%以上で横ばいです。 固定電話の世帯保有率は、2009年は91.2%でしたが、徐々に低下し、2018年から60%台です。 パソコンの世帯保有率は、2009年は87.2%でしたが、徐々に低下し、2020年には70.1%になりました。 スマートフォンの世帯保有率は、2010年に9.7%でしたが、2019年から80%を越えています。 タブレット端末の世帯保有率は、2010年に7.2%でしたが、2018年には40.1%になり、その後横ばいです。 出典:総務省「情報通信白書(令和3年度)」 〔右下にモバイルブロードバンド普及率の棒グラフがあります。〕 横軸は、日本、エストニア、フィンランド、米国、デンマークなど39の国と地域が、モバイルブロードバンド普及率の高い順に並んでいます。 縦軸は、100人当たりの数で、0から200までです。 日本は、39の国と地域の中で最も高く、約180です。 出典:総務省「情報通信白書(令和3年度)」です。 スライド13 2.2.デジタル化の進展と行動変化(2) 青字、《参考》市町村立図書館における電子書籍*の導入加速、青字、終わり。 県内の電子書籍貸出サービス導入率について、平成28年度は3自治体(5%)が導入していた。 コロナ禍を契機に導入が加速し、令和5(2023)年1月現在では、36自治体(57%)まで拡大している。 青字、《参考》国立国会図書館における資料デジタル化の推進、青字、終わり。 平成12(2000)年から所蔵資料のデジタル化を開始し、このうち、絶版等入手困難なものの送信サービスを平成26(2014)年から公立図書館等向けに、令和4(2022)年からは個人向けに実施している。 令和5(2023)年3月現在、デジタル化した資料343万点(所蔵資料全体の約7%)のうち58万点をインターネット公開、184万点を公立図書館及び個人向けの送信サービス、101万点を館内の端末で提供している。 現在、「国立国会図書館ビジョン2021ー2025」に基づき、全国の図書館や出版者・著者等の権利者と連携し、デジタルで全ての国内出版物が読める未来の実現を推進している。 〔右上に電子書籍導入自治体数の推移の棒グラフと折れ線グラフの組み合わせグラフあり。 横軸は、平成28年度から令和4年度です。縦軸は、0%から60%です。〕 グラフタイトル:電子書籍導入自治体数の推移 平成28年度は5%、令和4年度は57%まで拡大している。 平成28年度から令和元年度までの増え方より、令和元年度から令和4年度までの増え方が大きくなっている。 〔右下に国立国会図書館における資料のデジタル化の現状(令和5(2023)年3月時点)についての表あり。項目は全部で5つあり、資料種別、インターネット公開資料の提供数、図書館・個人送信資料の提供数、国立国会図書館館内提供資料の数、合計です。〕 デジタル化資料提供数(概数) 資料合計 インターネット公開58万点、図書館・個人送信資料184万点、国立国会図書館館内提供資料101万点、合計343万点 資料種別図書 インターネット公開36万点、図書館・個人送信資料85万点、国立国会図書館館内提供資料37万点、合計158万点 資料種別雑誌 インターネット公開2万点、図書館・個人送信資料82万点、国立国会図書館館内提供資料52万点、合計136万点 資料種別古典籍 インターネット公開8万点、図書館・個人送信資料2万点、国立国会図書館館内提供資料記入なし、合計9万点 資料種別博士論文 インターネット公開1万点、図書館・個人送信資料14万点、国立国会図書館館内提供資料2万点、合計17万点 資料種別官報 インターネット公開2万点、図書館・個人送信資料記入なし、国立国会図書館館内提供資料記入なし、合計2万点 資料種別憲政資料 インターネット公開1万点、図書館・個人送信資料記入なし、国立国会図書館館内提供資料0.2万点、合計1万点 資料種別録音・映像関係資料 インターネット公開記入なし、図書館・個人送信資料記入なし、国立国会図書館館内提供資料1万点、合計1万点 資料種別地図 インターネット公開記入なし、図書館・個人送信資料記入なし、国立国会図書館館内提供資料0.1万点、合計0.1万点 資料種別その他 インターネット公開8万点、図書館・個人送信資料2万点、国立国会図書館館内提供資料9万点、合計18万点 注、図書館向けデジタル化資料送信サービス(図書館送信)に参加している公共・大学図書館等の参加館及び国立国会図書館の館内での閲覧、また日本国内に居住する国立国会図書館の個人の登録利用者の閲覧が可能な資料、注、終わり。 スライド14 2.2.デジタル化の進展と行動変化(3) 青字、《参考》媒体を問わない読書、青字、終わり。 スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスにより電子書籍を利用する割合は増加している。 一方で、紙の本・雑誌・漫画しか読まない割合は減少している。 〔右上に平成30年度と平成25年度の電子書籍の利用状況の帯グラフあり。平成30年度のグラフが上、平成25年度のグラフが下にあります。よく利用する、たまに利用する、紙の本・雑誌・漫画しか読まない、紙の本・雑誌・漫画も電子書籍も読まない、わからないの比率です。単位は%です。〕 平成25年度の電子書籍をよく利用するの割合は4.6%、平成30年度は8.0%になっている。 平成25年度の電子書籍をたまに利用するの割合は12.6%、平成30年度は17.2%になっている。 平成25年度の紙の本・雑誌・漫画しか読まないの割合は45.2%、平成30年度は38.7%になっている。 平成25年度の紙の本・雑誌・漫画も電子書籍も読まないの割合は35.9%、平成30年度は35.1%になっている。 平成25年度のわからないの割合は1.6%、平成30年度は1.1%になっている。 出典:国語に関する世論調査(文化庁) 〔右下に出版物売り上げシェア2014年・2020年の2つの円グラフあり。紙コミックス、紙雑誌、紙書籍、電子コミック、電子雑誌、電子書籍の比率です。単位は%です。〕 2014年の紙の出版物の合計は93.3%に対し、電子の出版物の合計は6.7%です。 2021年の紙の出版物の合計は72.2%に対し、電子の出版物の合計は27.8%です。 出典:公益社団法人 全国出版協会 出版科学研究所「日本の出版販売額」 スライド15 2.3.豊かに過ごせる社会への要請の高まり(1) 〔見出しが2個あります。人生100年時代の到来、主体的な地域へのかかわり、です。〕 青字、人生100年時代の到来、青字、終わり。 国の「人生100年時代構想会議」では、海外の研究で、平成19(2007)年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されていることを紹介した。 100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたる学習が必要であるとしている。 全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会が求められる。 青字、地域への主体的な関わり、青字、終わり。 行政=サービスの提供者、住民=サービスの享受者という二分論の役割分担ではなく、住民自らが担い手として主体的に関わることができる環境整備が重要である。 地域の課題やその解決方法を様々な世代の住民と共に実践的に学ぶことが、地域づくりにつながる。 〔右上に2007年生まれの子供の50%が到達すると期待される年齢の棒グラフあり。横軸は99歳から108歳です。縦軸は日本、アメリカ、イタリア、カナダ、フランス、イギリス、ドイツです。〕 日本107歳、アメリカ、イタリア、カナダ、フランス104歳、イギリス103歳、ドイツ102歳です。 出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/jinsei100.html)より加工して作成 〔右下に中央教育審議会「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(答申)」で示された社会教育の意義と果たすべき役割の図あり。左上に人づくり、右上につながりづくり、下に地域づくりがあり、三つが楕円で結ばれている。その中心に、「学びと活動の好循環」の言葉あり。〕 社会教育:個人の成長と地域社会の発展の双方に重要な意義と役割を持つ。 青字、人づくり、青字、終わり。 地域における住民の自主的・自発的な学びは、その過程を通じ知的欲求が満たされ、自己実現・成長につながっていくことが期待される。 青字、つながりづくり、青字、終わり。 社会教育における学びの場では、住民の相互学習を通じ、つながり意識などが醸成され、住民同士の絆が強まるなどの効果がもたらされる。 青字、地域づくり、青字、終わり。 地域で共に学び、問題意識を共有したり、相互に認め合い、自らが地域の中に居場所を持っているという肯定感を得たりする過程を通じて、地域に対する愛着や帰属意識が生まれる。また、地域の将来像を考え取り組む意欲を喚起させる。さらに、住民の主体的な参画による地域課題解決は、一人ひとりの人生をより充実したものとする上で大きな意義を持つと考えられる。 このように、社会教育は、個人の成長と地域社会の発展の双方に重要な意義と役割を持ち、要となるのが、学びの場を通じた住民相互のつながりづくりである。 出典:中央教育審議会「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(答申)」(平成30(2018)年12月) スライド16 2.3.豊かに過ごせる社会への要請の高まり(2) 青字、SDGs*の推進、青字、終わり。 誰一人取り残すことのない持続可能な世界を令和12(2030)年までに実現するための国際目標として、国連サミットで採択された。 17の目標のうち「質の高い教育をみんなに」や、「平和と公正をすべての人に」のターゲットである「国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する」は、図書館の取組にも関連している。 「ユネスコ公共図書館宣言」においても、公共図書館の使命を通じてSDGsと公平で人道的な社会の建設に貢献していくことを宣言している。(IFLA-UNESCO Public Library Manifesto 2022) 〔右上にSDGsと図書館の貢献例(抜粋)の表あり。この表の項目は、全部で2個あり、持続可能な開発目標、図書館の貢献例(IFLA*)です。〕 目標4 すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。 図書館の貢献例 図書館は教育機関で重要な役割を担う。リテラシー教育を支え、学習空間を提供し、調査研究を支える。生涯学習を促進する機能も有す。 目標11 包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。 図書館の貢献例 図書館は記録遺産を保護・保存する責務を負う。よりよい地域コミュニティを実現するうえで、文化的な要素は欠かせない。高齢者・移民・難民等にも広く開かれた空間を提供しうる。 目標16 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。 図書館の貢献例 一般市民等の主要な情報入手先として図書館は重要な役割を担う。情報を十分に利活用できるよう、信頼性の高い情報源を揃え、習熟した職員が支援を行い得る。 出典:IFLA, Libraries and the sustainable development goals : a storytelling manual. 2018( http://www.ifla.org/node/36272) p.5-7 <日本語訳>塩崎亮著「国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)と図書館」(『聖学院大学総合研究所Newsletter』Vol.28 No.2, 2018年) 〔右下にIFLA-UNESCO Public Library Manifesto 2022の原文を一部掲載しています。〕 スライド17 2.4.価値創造の重要性の高まり 青字、情報社会から超スマート社会*へ、青字、終わり。 平成28(2016)年に閣議決定された国の「第5期科学技術基本計画」において、新たな社会を生み出す変革を科学技術イノベーションが先導していく、Society5.0*が提唱される。 様々な背景を持ち、時に互いに絡み合う課題に対応するため、分野横断的な知識や情報を、デジタル技術を用いてワンストップで取得することや社会全体で共有することへのニーズが増加している。 地域課題の解決や個人の学びの参考になる取組として、学術界やビジネス界は、自分とは異なる意見や考え方に意識的に触れ、異分野からアイデアを得ようとする異分野・異業種交流等を積極的に展開している。 複雑化する社会課題に対し、デジタル技術の更なる活用や他者との協働により新たな価値を創造することで解決を目指すことが、今後ますます重要になっていくと思われる。 〔右上にSociety5.0で実現する社会の図あり。円が十字に分割され、これまでの社会とSociety5.0で実現する社会を4つ例示しています。円の右上から時計回りに読み上げます。〕 これまでの社会は、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に十分対応することが困難だが、Society5.0では、少子高齢化、地方の過疎化などの課題をイノベーションにより克服する社会。 〔ドローンが段ボール箱を白髪の男性に届けているイラストがあります。〕 これまでの社会は、人が行う作業が多く、その能力に限界があり、高齢者や障害者には行動に制約があるが、Society5.0では、ロボットや自動運転車などの支援により、人の可能性が広がる社会。 〔応対するロボットや、足腰を支える器具を装着した人が一度に2箱持ち上げているイラストがあります。〕 これまでの社会は、情報があふれ、必要な情報を見つけ、分析する作業に困難や負担が生じるが、Society5.0では、AIにより、多くの情報を分析するなどの面倒な作業から解放される社会。 〔たくさんの情報からAIが選んだ情報をスマホで確認する人のイラストがあります。〕 これまでの社会は、必要な知識や情報が共有されず、新たな価値の創出が困難だが、Society5.0では、IoTで全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、新たな価値がうまれる社会。 〔パソコンの前に座っている人の吹き出しに「!」と書かれているイラストがあります。〕 出典:内閣府「Society5.0」https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html 〔右下に点線で囲まれた、Society5.0や予測できない未来についての引用文があります。〕 我が国が目指すべき未来社会の姿として、Society5.0が提唱された。Society5.0は、デジタル革新と多様な人々の想像力・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会である。(「Society5.0」(一般社団法人 日本経済団体連合会より)    予測できない未来に対応するためには、蓄積された知識を礎としながら、膨大な情報から何が重要かと主体的に判断し、自ら問いを立ててその解決を目指し、他者と協働しながら新たな価値を生み出していくことが求められる。(「2030年の社会と子供たちの未来」(中教審教育課程企画特別部会「論点整理」より) スライド18 2.5.著作権法の動向(1) 〔見出しが2個あります。近年の法改正、所在検索サービス、です。〕 青字、近年の法改正、青字、終わり。 平成30(2018)年の著作権保護期間の延長(保護期間50年から70年へ)や、教育の情報化に対応した権利制限規定が整備された。 近年では、新型コロナウイルス感染症のまん延や社会のDXの進展に伴い、デジタルサービスの促進を目的に更なる権利制限規定の整備が進展している。 青字、所在検索サービス(平成30年著作権法改正)、青字、終わり。 著作物利用の円滑化を図り、新しいイノベーションを促進するため、デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した。 (平成31年1月1日施行部分)新たな情報・知見を創出するサービスの提供に付随して、著作者の許諾を得ずに著作物を軽微な形で利用する規定を整備した。 例として、著作物の所在(書籍に関する各種情報)を検索する「所在検索サービス」において、その結果と共に著作物の一部分を表示(注)したり、その準備のために著作物を複製等することが可能になった。 注、一部分を表示:表示できる条件 1 著作物の一部分(付随的に軽微な形)、かつ、2 権利者の利益を不当に害しない、注、終わり。 〔右下に所在検索サービスを説明する図があります。〕 所在検索サービス(広く公衆がアクセス可能な情報の所在を検索可能にするとともに、その一部を検索結果と併せて表示するサービス) 公衆に提供・提示されている情報を、事業者においてデータベース化する。入力されたキーワードに関する著作物に関する情報を、著作物の内容の一部とともに利用者に提供する。 〔右にあるパソコンの前に座る人のアイコンから、左にあるデータベースのアイコンへ、左向きの矢印があります。〕 左向き矢印の説明 キーワードの入力。 〔左にあるデータベースのアイコンから、右にあるパソコンの前に座る人のアイコンへ、右向きの矢印があます。〕 右向き矢印の説明 検索結果。 左にあるデータベースのアイコンの説明 所在検索サービスの提供事業者 〔右向き矢印の下に、吹き出しがあります。〕 吹き出しの中の説明 例えば、書籍のタイトルや著作者名等とともに、書籍の本文(著作物)の一部を表示する。 スライド19 2.5.著作権法の動向(2) 青字、図書館等公衆送信*(令和3(2021)年著作権法改正)、青字、終わり。 新型コロナウイルス感染症のまん延を受け、オンライン利用ニーズが顕在化した。 (令和5(2023)年6月1日施行部分)調査研究目的のため、図書館資料の一部分を公衆送信(FAX、メール、インターネット送信等)することが可能になる。 【条件】 送信主体・・・「特定図書館等」(責任者の配置、職員への研修などが必要) 送信可能な範囲・・・著作物の一部分(政令で定める場合等は全部) 権利者への補償金を支払うこと データの流出防止措置を講じること 正規の電子出版等の市場を阻害しないこと 〔右側に図書館等公衆送信を説明する図があります。〕 現行:紙での複製・提供のみ可能 〔左側に国会図書館やその他図書館を表すイラストがあります。 その右側に、家の中でパソコンの前に座る人のイラストがあります。 中央に、封筒に入った白い紙のイラストあります。〕 現行の複写サービスは、紙媒体で提供されている。 〔図書館のイラストから、家の中でパソコンの前に座る人のイラストに向かって、赤い矢印あり。〕 赤い矢印の説明 著作物の一部分をメールなどで送信できるようにする。 〔図書館のイラストは点線で囲まれています。〕 点線の説明 権利者への補償金支払い義務あり。 出典:文化庁「令和3年通常国会著作権法改正について」)(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r03_hokaisei/)を加工して作成。 スライド20 2.6.市町村立図書館の整備の進展 〔見出しが2個あります。市町村の図書館設置率の上昇、県内図書館蔵書冊数の増加、です。〕 青字、市町村の図書館設置率の上昇、青字、終わり。 県立図書館4館を整備した昭和55(1980)年当時、図書館を設置している県内市町村は5割強あった。 その後市町村立図書館の整備が大幅に進展し、平成12(2000)年には8割の県内市町村が図書館を設置した。 平成11(1999)年以降のいわゆる「平成の大合併」を経て、現在9割を超える県内市町村が図書館を設置している。 設置館数は、昭和56(1981)年の64館から、令和3(2021)年には178館に増加した。 青字、県内公立図書館蔵書冊数の増加、青字、終わり。 市町村立図書館の設置率上昇に合わせ、県立図書館を含む県内公立図書館総蔵書冊数も増加している。 〔右上に、市町村立図書館の設置状況の表があります。この表には、項目が全部で4個あります。年、市町村数、図書館が設置されている市町村数、設置率です。〕 表のタイトル:市町村立図書館の設置状況 昭和55 (1980)年 92 50 54.3% 平成2 (1990)年 92 65 70.7% 平成12(2000)年 92 75 81.5% 平成22(2010)年 64 60 93.8% 令和3 (2021)年 63 59 93.7% 出典:埼玉県図書館協会「埼玉の公立図書館」 〔右下に、県内公立図書館蔵書冊数の棒グラフと折れ線グラフの組み合わせグラフがあります。横軸は、平成元(1989)年から令和32021年まで、8年毎です。縦軸は、0冊から2500万冊です。 県立図書館の蔵書冊数、市町村立図書館の蔵書冊数の積み上げ棒グラフです。また、総冊数が折れ線で描かれています。〕 グラフのタイトル:県内図書館蔵書冊数(冊) 平成元(1989)年の総冊数は、10,037,338冊で、令和3(2021)年の総冊数は、25,191,142冊です。上に凸のカーブを描きながら増加しています。 出典、埼玉県図書館協会「埼玉の公立図書館」 スライド21 2.7.県民ニーズ(1)県政世論調査 県政世論調査の概要 青字、趣旨、青字、終わり。 県民の県政に対する要望、意見及び県民の生活意識などを把握し、県政推進のための資料とする。 青字、調査の設計、青字、終わり。 調査時期 令和4 (2022)年7月8日から7月29日まで 調査地域 埼玉県全域  調査対象 満18歳以上の個人 標本数 5,000 抽出方法 住民基本台帳による層化二段無作為抽出法 調査方法 郵送法(郵送配布、郵送回収・インターネット回収併用) 青字、回収結果、青字、終わり。 有効回収数(率) 2,524(50.5%)  主な意見 〔見出しが3個あります。利用状況、利用目的、利用したいサービス、です。〕 青字、利用状況、青字、終わり。 これまでに県立図書館(熊谷・久喜・浦和分室)を利用した回答者は11.7%、過去に一度も利用したことがない回答者は86.2%。 熊谷図書館所在地の北部地域、久喜図書館所在地の利根地域では利用率が全体と比べ10ポイント以上高い。 利用したことがない理由は、「居住地や勤務地から遠い」(59.3%)が最も高く、次いで「県立図書館の存在を知らなかった」(37.0%)が続く。 青字、利用目的、青字、終わり。 「本、雑誌、新聞などを館内で読んだ」(47.5%)、「本、雑誌などを借りた」(47.5%)。 青字、利用したいサービス、青字、終わり。 「本、雑誌、CDなどを借りたり、館内で本や雑誌を読んだり、CDを視聴したりする」(33.7%) 「専門的な本や雑誌等、市町村立図書館にはない資料を借りたり、館内で読んだりする」(30.0%) 「自分のパソコンやスマートフォンからデジタル図書などを観る」(15.8%) 「自分のパソコンやスマートフォンから、県内の博物館、美術館、図書館、文書館などが所蔵する文化財、美術作品、古文書等のデジタル資料を観る」(13.0%) 〔右中央に県立図書館の利用経験の帯グラフあり。全体のグラフが上、北部地域のグラフが中央、利根地域のグラフが下にあります。利用したことがある、利用したことがない、無回答の比率です。単位は%です。〕 グラフのタイトル:県立図書館の利用経験 全体 利用したことがある 11.7% 利用したことがない 86.2% 無回答 2.1% 北部地域 利用したことがある 27.0% 利用したことがない 72.3% 無回答 0.6% 利根地域 利用したことがある 23.4% 利用したことがない 75.0% 無回答 1.6% スライド22 2.7.県民ニーズ(2)県民とともにつくる新県立図書館ワークショップ ワークショップ概要 青字、趣旨、青字、終わり。 新しい県立図書館にふさわしい機能・サービスを県民とともに考える 青字、開催日、青字、終わり。 第1部 令和4 (2022)年8月20日(土曜日)浦和会場 令和4 (2022)年9月10日(土曜日)熊谷会場 令和4年(2022)9月28日(水曜日)オンライン 第2部 令和4 (2022)年10月15日(土曜日)浦和会場&オンライン 青字、参加人数、青字、終わり。 市町村の図書館職員を含む延べ43人 主な意見 〔見出しが3個あります。資料収集・図書館サービス、市町村立図書館との連携、知の交流・創造、です。〕 青字、資料収集・図書館サービス、青字、終わり。 埼玉県のことが何でも分かる図書館(地域、歴史、文化、産業等、埼玉のすべて/デジタルアーカイブ*の充実) 誰一人取り残さない図書館(県民の多様性に配慮した資料の整備(例:母語で学べる学習用テキストなど)) VR*図書館等における検索・レファレンスシステム/24時間サービス/来館経験のない県民へのサービス 青字、市町村立図書館との連携、青字、終わり。 市町村立図書館と連携した新たな図書館サービスの検討/人事交流/モデル事業の広報 外国語資料の活用に向けた大学図書館・市町村立図書館とのネットワーク構築 青字、知の交流・創造、青字、終わり。 埼玉県のコミュニティーの拠点となる図書館(リアル・デジタル・両方で交流) 得た情報を他者と交流・議論(アウトプット)することができる図書館 県民の成果を図書館が保存・提供 アクティブラーニング*のための人的ネットワーク構築/企業や団体とのコラボレーション スライド23 〔第3章目次〕 03.新たな県立図書館の方向性と目指す図書館像 3.1.新たな県立図書館の方向性  3.2.新たな県立図書館が目指す図書館像  3.3.新たな県立図書館の重点機能  3.4.新たな県立図書館の主なサービス スライド24 3.1.新たな県立図書館の方向性 急激な社会環境の変化や県民ニーズを踏まえ 〔4つの社会環境の変化による県民ニーズが述べられている。〕 黒四角 人口減少時代、人生100年時代を迎える中、誰一人取り残すことなく、県民の学びのニーズに応えるサービス展開が求められる。 黒四角 今後、更に進展が見込まれるDXを踏まえつつ、これまで以上にデジタル技術を活用するとともに、将来にわたり図書等がニーズに応じた媒体で提供可能なサービス展開が求められる。 黒四角 場所的、時間的制約から利用者が限られている従来の県立図書館の来館型サービスの枠を超えたサービス展開が求められる。 黒四角 市町村立図書館にはない図書等へのアクセスや県民の価値創造、知の交流、世代等様々な境界を超えたつながりの機会提供などのサービス展開が求められる。 環境の変化を踏まえて県立図書館に求められる役割 〔5個の役割が箇条書きになっている。〕 埼玉に関する地域資料の収集・保存の重点化、市町村立図書館にはない図書等や図書館以外の機関が有する資料へのアクセスなど、オレンジ字、県立図書館ならではのサービスの提供、オレンジ字、終わり 子供、高齢者、在留外国人、障害者など、オレンジ字、多様性に配慮した、誰一人取り残さない図書館サービスの提供、オレンジ字、終わり 社会のデジタル化・ネットワーク化や著作権法改正の動向に合わせた、オレンジ字、デジタルサービスの提供、オレンジ字、終わり 著作権法上の制約により、オレンジ字、デジタル化が困難な図書等の継続的提供、オレンジ字、終わり 課題解決に向け、オレンジ字、他者と協働して新たな価値を創造する取組に対する支援、オレンジ字、終わり 今後の方向性 〔3個の方向性が箇条書きになっている。〕 市町村立図書館等との連携により、幅広い図書等へのアクセスを保障する図書館へ デジタル技術の活用により、非来館型サービスが充実した図書館へ 県民の協働による学び、価値創造の取組を支援する図書館へ スライド25 3.2.新たな県立図書館が目指す図書館像 新たな県立図書館は、 埼玉の多彩な地域や文化に関する資料はもとより、市町村立図書館にはない図書など 県民の情報への幅広いアクセスを可能とし、新たな時代の学び・交流・創造を育むとともに、 デジタル技術を最大限に活用して、 時間の制約なく(いつでも)、居場所にかかわらず(どこでも)、多様なニーズに応える(だれでも) 県民が新たな価値を創造する埼玉の知の拠点へ 青字、新たな県立図書館が目指す図書館像、青字、終わり。 〔4個の図書館像が、上から順に緑色、赤色、青色、黄色の4色の枠の中に書かれています。〕 目指す図書館像1 埼玉の地域資料の拠点となる図書館 目指す図書館像2 来館しなくても県民誰もがサービスを享受できる図書館 目指す図書館像3 県内図書館サービス全体の充実に資する図書館 目指す図書館像4 県民の新たな時代の学び・交流・創造を育む図書館 〔スライドの中央左側・右側2箇所に、赤、青、黄色の面からなる立方体があり、上に緑の双葉が生えているイラストあり。〕 スライド26 3.3.新たな県立図書館の重点機能 黒四角 目指す図書館像を実現していくため、新たな県立図書館においては、主に次の機能を重点に置き、現在の法制度やデジタル技術の状況及び今後の動向を的確に踏まえつつ充実・強化していく。 〔4個の機能が書かれている。各機能には、関連のある図書館像が2つから4つ示されている。〕 青字、機能1 埼玉ゆかりの地域資料の収集・提供・保存機能、青字、終わり。  対応する目指す図書館像1,2,3,4 埼玉ゆかりの地域資料を幅広く収集・提供する機能 埼玉ゆかりの紙資料及びデジタル資料を適切に保存する機能 青字、機能2 デジタルライブラリー機能、青字、終わり。 対応する目指す図書館像1,2 デジタル技術を活用した図書館サービスを提供する機能 国立国会図書館及び県内博物館等の資料など多様な情報へアクセスできる機能 青字、機能3 県内図書館サービスの補完・つなぎ・支援機能、青字、終わり。 対応する目指す図書館像1,2,3 市町村立図書館等にはない専門図書等の収集などの補完機能 相互貸借*や蔵書横断検索などの県内図書館をつなぐ機能 市町村立図書館等職員の人材育成などの支援機能 青字、機能4 交流・価値創造機能、青字、終わり。 対応する目指す図書館像1,2,4 県民同士のつながりを育み、県民の学びあいを支援する機能 県民の対話等により生み出された新たな価値を保存・提供し、県民の交流を促進する機能 スライド27 3.4.新たな県立図書館の主なサービス 〔スライド全体に表があります。表の項目は、全部で2個あります。重点機能、主なサービスです。〕 機能1 埼玉ゆかりの地域資料の収集・提供・保存機能 埼玉ゆかりの地域資料の収集と提供(紙資料及びデジタルアーカイブ化による提供) 継続的な資料提供サービスのための図書等の閉架書庫での保管・保存 市町村立図書館等と連携した図書等搬送・貸出サービス 県民の対話等により生み出された成果の保存・提供サービス 機能2 デジタルライブラリー機能 埼玉ゆかりの地域資料の収集と提供(紙資料及びデジタルアーカイブ化による提供)  電子書籍の導入、デジタル化資料提供サービスの拡大 充実した書誌情報による蔵書検索、横断検索、及び図書館所蔵資料に限らない検索サービス(ディスカバリーサービス) リアルとデジタルの多様なコミュニケーション手段によるレファレンスサービス 国立国会図書館デジタルコレクション*及び博物館等の外部機関につなぐサービス 機能3 県内図書館サービスの補完・つなぎ・支援機能 埼玉ゆかりの地域資料の収集と提供(紙資料及びデジタルアーカイブ化による提供) 専門図書や多様性に配慮した図書等の収集とデジタルアーカイブ化による提供サービス リアルとデジタルの多様なコミュニケーション手段によるレファレンスサービス  市町村立図書館等と連携した図書等搬送・貸出サービス 県内図書館間の資料の搬送支援 図書館職員等の資質・能力向上支援、市町村立図書館への先進事例提供等の運営支援 国立国会図書館デジタルコレクション及び博物館等の外部機関につなぐサービス 機能4 交流・価値創造機能 県民の学び合いを支援するリアルとデジタルでの交流機会の提供サービス 県民の対話等により生み出された成果の保存・提供サービス ※主なサービスのうち、複数の重点機能につながるサービスは一部重複して記載しています。 〔新埼玉県立図書館基本構想テキスト版 終わり〕