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掲載日:2023年11月27日

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企画財政委員会視察報告

調査日

令和5年8月30日(水曜日)~31日(木曜日)

調査先

(1) 宇都宮市(栃木県宇都宮市)

(2) 道の駅たかねざわ元気あっぷむら(栃木県高根沢町)

調査の概要

宇都宮市

(交通政策の推進について)

【調査目的】

 本県においては、急速な高齢化の進行により、移動手段のない高齢者の増加が見込まれ、地域交通の維持・確保が課題となっている。
 宇都宮市では、平成30年1月に地区整備に関する基本方針や導入機能などを示す「宇都宮駅東口地区整備方針」を策定した。
 基本方針の中では、県都の顔である宇都宮駅東口地区全体を象徴的な都市空間とするため、宇都宮駅や宇都宮芳賀ライトレール線(以下、「LRT」という。)の停留場と中央街区等との連続性のある空間の確保や、LRTの乗入れ空間を含めた地区全体の統一感ある空間としての形成など、LRTとの一体感の醸成を目指している。
JR宇都宮駅東口から、清原工業団地を通り、芳賀町の本田技研北門までの区間を優先して整備し、現在、JR宇都宮駅西側の整備に向けた調整を行っている。
 当該取組を調査することにより、本県の交通政策を推進する上での参考とする。

【調査内容】 

 宇都宮市では、50年先、100年先に人口減少や少子・高齢化が進んでいくことを見据え、各地域の拠点に便利な施設や住宅を誘導し、まちを少しずつコンパクトにし、拠点間を交通ネットワークで結んで公共交通で移動するネットワーク型コンパクトシティを目指している。
 宇都宮駅東口地区については、新たな宇都宮市の玄関口として、空間の高度利用を図るとともに、交通アクセスが円滑に行える街区を構成するため、JR宇都宮駅に直結し最大2,000人収容可能な北関東最大級のコンベンション施設であるライトキューブ宇都宮、ライトキューブ宇都宮と連続性を持たせ、屋内外を一体的に活用したイベント開催が可能な交流広場、LRTの停留場などを整備した。
 交通網としては、基幹公共交通としてLRTを整備し、LRTと重複するバス路線を振り分けることで公共交通空白地域の解消や拠点間の連携強化を図っている。また、鉄道やLRT、バス、地域内交通、自転車等を連携させるトランジットセンターなどの乗り継ぎポイントを整備し、交通結節機能を強化している。
 LRTの特徴は、専用空間を走行するため時間に正確であること、騒音や振動が少なく乗り心地が快適であること、車両の床が低く平らで乗り場との間に段差や隙間がほとんどないことなどである。
 LRT整備による沿線のまちづくり効果として、沿線人口の増加、高層ビルの増加、路線価の上昇が挙げられる。路線価上昇率は、北関東3県で最大の13.7%で、令和2年度から令和4年度まで3年連続で上昇しているとのことであった。
 概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「LRTの採算性についてはどのように試算しているのか」との質問に対し、「収支計画では、需要が定着するのは開業3年後、累積赤字が解消されるのは開業9年目と見込んでいる」との回答があった。
 質疑後は、宇都宮駅東口周辺やLRTを見学した。
 今回、視察先を調査できたことは、本県における交通政策に大変参考となるものであった。

 

  企画財政委員会の議員らがLRTの前に並んだ写真

宇都宮市にて

(2) 道の駅たかねざわ元気あっぷむら

(地域の魅力創造発信について)

【調査目的】

 本県では、活力ある地域社会を創るため、地域の魅力である多彩な地域資源や文化を起点としたつながりを深め、県内外の人や物の交流を活発にすることが課題となっている。
 道の駅たかねざわ元気あっぷむらは、道路利用者等への休憩場所の提供や地域情報等の発信のほか、温泉、地場の農産物、遊びや体験、滞在型宿泊等のサービスを複層的に提供することにより住民と来場者の交流を促進し、農業の振興、地域のにぎわいの創出、地域経済の活性化、観光振興、食を通じた健康づくりの推進及び住民福祉の向上を図ることを目的とした施設である。
 「ここにしかない」付加価値を生み出すことで、来場者の方がより高根沢町との関わりを深め、町民の方・事業者の方にとっても活気が生まれる好循環により新しい町の魅力を創出し、交流人口・関係人口・定住人口の増加へつなげている。
 本県の地域の魅力創造発信と観光振興の取組を進める上での参考とする。

【調査内容】

 たかねざわ元気あっぷむらは、食堂や温泉、 研修室、直売所、コテージ、体験工房を兼ね備えた施設として平成9年にオープンした。
 最盛期の平成10年には、年間約62万人の来場者を迎えるも、その後、30万人程度まで落ち込んだ。今一度、来場者を増加させ、施設を有効活用させるため、令和2年にリニューアルオープンすることになった。
 リニューアルオープンに当たっては、今日的なトレンドを捉えたコンテンツ(食・遊び・癒し等)を、一つではなく複層的に提供し、発信していくことが必要であるため、「道の駅の登録によるそのブランド活用」、「既存温泉施設のリニューアル」、「グランピング施設の新設」、「多目的に使用できる屋外広場の設置」、「それらを束ねて実施できる民間企業のノウハウ活用のための指定管理者選定」を行い、「道の駅たかねざわ元気あっぷむら」として新たな役割を持たせることとした。
 グランピング施設については、アメリカのトレーラーハウスを15棟設置し、バーベキューを提供している。現在、利用者は40万人程度まで回復しており、約7割が県外利用者である。
 同施設は、この施設を目的に来て、宿泊し、ここを拠点に町内を観光してもらえるような目的型・滞在型道の駅を目指している。今後は、天皇陛下の皇位継承に伴う重要祭祀「大嘗祭」でも使用された高根沢産米「とちぎの星」などの魅力ある農産物を生産している農家やマルシェなどのイベントを実施している地域の事業者と更に連携を深め、「ここにしかない」付加価値を生み出し、町を活性化させていくとのことであった。
 概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「この施設は、経済的な利益を生み出すことと、交流人口の増加などの副次的な効果とどちらを主な目的としているのか」との質問に対し、「指定管理者の委託においては、同施設の利益の一部が町の歳入に還元される契約とはなっていない。同施設に来場してもらい、町産農産物等の購入や飲食等をしていただくことによる経済効果及び町の活性化、町の知名度が上がるなどの波及効果に期待している」との回答があった。質疑後は、施設内を見学した。
 今回、視察先を調査できたことは、本県における地域の魅力創造発信の取組を推進する上で大変参考となるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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