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掲載日:2026年9月18日

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福祉保健医療委員会視察報告

調査日

令和8年5月26日(火曜日)~27日(水曜日)

調査先

(1)松阪市役所(松阪市)

(2)健康長寿支援ロボットセンター(大府市)

調査の概要

(1)松阪市役所

(救急搬送時の選定療養費について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 医療需要の増加や人手不足などにより、地域医療体制の見直しが迫られており、限られた医療資源を効率的に活用する取組が必要とされている。

■視察先の概要と特色

  • 松阪市内の200床以上の三基幹病院(松阪中央総合病院・済生会松阪総合病院・済生会松阪市民病院)では、令和6年6月から救急搬送における選定療養費の取組を開始している。
  • 同市の報告書では、1年という期間ではあるが、医療機関の適正受診につながる状況が確認でき、「一次二次救急医療体制の機能分担」・「救急車の出動件数の減少」等に一定の効果が確認できたと捉えている。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • 松阪地区消防組合は、所管区域の人口規模が熊谷市とほぼ同等である消防組合だが、面積は5倍で選定療養費導入前の出動件数は現在の1.5倍であった。また、50件以上出動があった日も94日と多く、消防や三病院が危機感を持っていた。
  • 医療機関の役割分担に応じた適切な受診や救急車の利用が重要と考え、令和3年12月に三病院連絡会において松阪市長から協議の依頼があり、「一次二次救急医療体制あり方検討会議」を立ち上げたのが、救急搬送時の選定療養費制度の導入につながっている。
  • 病院側としては、導入開始前は抑止力としての期待感はあったが、クレーム対応による現場の疲弊を懸念していた。また、判断に伴う医師の負担や三病院の足並みが揃うのかも心配していた。
  • 導入開始後は、想定より患者の理解が得られていて、大きなトラブルもなく運用できており、制度発表時の方が反響が大きかったと感じている。医療機関の負担については、医師と事務の分担ができており、適用に係る医師の負担が少なく済んでいる。また、救急かどうか、適用の判断についても病院間で共有し、ばらつきもなくなってきている。導入後の結果についても、適用率が高すぎた場合は、クレームもあるが、全体の9.9%と妥当な数値に収まっていると考えている。

■質疑応答

Q:助かるはずの命を救うというのが選定療養費の目的の一つだと思うが、実際に救われたことが分かる統計やデータは出ているのか。

A:救命が間に合ったケースについては、数値として出てきづらい部分ではあるが、救急隊員の1日の出動件数が50件を超える日数が減っており、救われた命もあると考えている。

Q:救急搬送における選定療養費の適用について、茨城県も同じような時期に開始しているが、自治体間で連携して進めたのか。

A:徴収を開始するに当たって連携は行っていないが、徴収開始後は情報共有をしながら進めていた。ただし、救急かどうかの適用判断については、松阪市と茨城県では異なり、松阪市では搬送先の医師が判断するが、茨城県はガイドラインに基づき判断している。

Q:効果として救急搬送件数が1割減少したとのことだが、今後、更にもう一段階上の削減を検討しているのか。

A:1割減少したとはいえ、適正数となったとは言い難い。現在は、休日夜間でも日中と選定療養費が同額であり、お金を払えばいつでも救急車に乗れると考える人が出る可能性もあるため、継続して適正利用を啓発していきたい。

(2)健康長寿支援ロボットセンター

(医療・介護分野における機器の実用化について)

【調査目的】

■本県の課題

  • 医療・介護人材が不足する中、急速に進む高齢化等に対応するため、現場における生産性をどう向上させるかが求められている。

■視察先の概要と特色

  • 健康長寿支援ロボットセンターでは、高齢者の自立支援・生活の質向上を目指し、ロボット技術を活用した支援システムの開発と普及を促進している。
  • 近年では民間との共同研究として、次世代技術を実生活へ導入する「長寿チャレンジハウス」を開設するなど、産学官の協働による実証拠点づくりや「未来の暮らし」実現に取り組んでいる。

【調査内容】

■聞き取り事項

  • リビングラボという、リビングやトイレを再現した屋内、階段やスロープを再現した屋外といった生活の場を再現した実証空間において、寄り添いロボットによる転倒リスクの減少や、「RT.2」という歩行支援ロボット等について、研究・開発が進められている。
  • 寄り添いロボットは、天井レールとジャケットがつながっており、転倒の速度に応じたブレーキによりゆっくりと着地させることができる。レールさえあればどこにでも移動でき、建築メーカーが開発していることもあり、施設だけでなく自宅に設置することが可能である。
  • 歩行支援を行う「RT.2」は、登り坂ではパワーアシストが掛かり、下り坂ではブレーキが掛かる。各種センサーにより傾き等を検知することで、見た目以上に歩行が楽になる。
  • 併設されている「あいちサービスロボット実用化センター」では、主に愛知県内のロボット・機器等の実用化を目指す企業への支援のほか、ロボット等の展示を行っている。
  • 同県では介護・福祉というよりも、産業振興の観点での実用化支援を目的として国と連携している。福祉に特化した展示は名古屋市で行っており、市との住み分けも行っている。
  • 同所では、自動車部品メーカーが開発した、お世話をすると機嫌が良くなる、認知症予防のために開発されたコミュニケーション支援ロボット等が展示されている。

■質疑応答

Q:寄り添いロボットは何の力で動いているのか。また、転んだ後に、装着している方を起こすような機能はあるのか。

A:転倒により引っ張られる力でモーターに通電する。あくまで転倒時のみに作動するシステムのため、立ち上げるような機能はない。寝たきりではないが、転倒リスクの高い方がいる介護施設で導入されている。

Q:企業が開発した機器の安全性について、センターで承認や保証をしているのか。

A:共同研究という形で有効性等についての評価を行っているが、当センターでの安全性を保証するといったものはない。

Q:センサーに加えてAIを搭載した、より高性能なロボットの実用化は目指しているのか。

A:どんな環境でも活用できるロボットの開発を目的としている。実際に活用される病院や施設は、それぞれが異なる環境で再現性がなく、AIだけでは対応できない状況も出てくるので、社会実装には様々な検証が必要である。また、単純に費用が高くなる問題もある。

Q:あいちサービスロボット実用化センターには、中小企業からも問合せがあるのか。

A:中小企業の部品メーカーから、「この部品・技術が介護系の機器に活用できないか」という問合せも多くいただいている。県の産業的な目線が入っていることで、介護系だけでは手薄な産産連携の部分がカバーできていると考えている。

健康長寿支援ロボットセンターにて議員とスタッフの集合写真

健康長寿支援ロボットセンターにて

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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