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掲載日:2023年11月27日

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地方創生・行財政改革特別委員会視察報告

期日

令和5年9月11日(月曜日)~ 12日(火曜日)

調査先

(1)なごのキャンパス(愛知県名古屋市)

(2)とよたエコフルタウン(愛知県豊田市)

調査の概要

(1)なごのキャンパス

(地域活性化の取組について)

【調査目的】

 本県では、人口減少・高齢化が進む中、活力ある豊かな地域社会づくりが課題となっている。
 なごのキャンパスは、廃校となった那古野小学校をリノベーションして生まれたインキュベーション施設である。
 遊休施設の活用や産業活動との連動など、本県の地域活性化の取組の参考とする。

【調査内容】

 同施設は、廃校となった那古野小学校をリノ ベーションして生まれたインキュベーション施設である。2019年10月に開設され、トヨタ不動産株式会社が名古屋市から土地、建物を借り受け、名古屋商工会議所等と連携しながら運営している。運営に当たっては、「ひらく、まぜる、うまれる次の100年を育てる学校」をコンセプトとしており、スタートアップ・ベンチャー企業支援のみならず、地域との連携強化にも積極的に取り組み、地域に開かれた交流拠点として活動している。
 同施設は那古野小学校の校舎を改修して利用しており、施設の内装には学校の設備、廃材などが使用され、当時の趣を残すものとなっている。コワーキングスペースは、職員室を改修したフリーアドレスゾーンになっており、作業や打合せ、商談、会員同士の交流の場として活用できる。シェアオフィスは、図工室・多目的室を改修した固定席エリアである。オフィスは、かつての教室を改修した個室で、企業規模に応じた部屋を選び入居することができる。施設側としては、事業の成長に伴い、コワーキングスペースからシェアオフィス、オフィスと移って行くような、施設の中でのエコシステムを想定しているとのことであった。そのほか、音楽室を改修した会議室、体育館、グラウンド等も貸 出しを行っており、セミナー、ピッチコンテスト、スポーツ教室など様々な用途で使用することができる。
 また、コミュニティ形成や地域連携に向けた取組も行っており、地域に開かれた周年イベントや会員間の交流イベントの開催、Slackによる会員間の情報共有などを行っているとのことだった。また、入居者の自発的な活動として部活動が行われており、企業を超えたコミュ ニケーションの場となるなど、廃校を利用した施設ならではの交流が進んでいる。このほか、現在、同施設には180以上の会員がおり、その中の法人プログラム会員は、入居するスタートアップ企業等と交流したいなどの希望を持つ企 業で、地元の優良企業、金融機関、メディアなどが多い。入居者への融資、企業・IPO支援、協業機会の創出、実証実験の実施などを目的に活動しており、入居者との相乗効果が期待できるとのことだった。地域との連携では、なごのキャンパスに隣接する円頓寺商店街で開催される七夕祭りとの連携や、商店街の活性化を目的としたアイデアピッチコンテストを共催し、実際に採択されたサービスを導入するなどの取組も行っている。
 概要説明後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「民間事業者が主体として運営していく中で、事業としての収益性をどの程度重視しているのか」との質問に対し、「地域社会に対する貢献、将来協業しうる優良企業の育成などの目的を重視しており、収益については、人件費を除く経費がまかなえればよいと考えている」との回答があった。また、質疑終了後、施設内を視察した。
 今回、同施設を視察できたことは、今後、本県の地域活性化の取組を推進していく上で、大変参考となるものであった。

地方創生・行財政改革特別委員会の議員らが並んでいる写真

なごのキャンパスにて

(2)とよたエコフルタウン

(SDGsの推進について)

【調査目的】

 本県では、「日本一暮らしやすい埼玉」を実現するため、多様な主体と協働したSDGsの推進が課題となっている。
 とよたエコフルタウンは、国からSDGs未来都市として選定されている豊田市が、持続可能な社会の実現に向けた取組を紹介する全国初の施設である。同施設では、様々な機能を持ったロボットや空飛ぶクルマなど、未来の暮らしにつながる技術や取組を展示し、それを体感することが可能になっている。
 同施設のSDGsの推進に係る取組を調査し、本県における今後の施策推進の参考とする。

【調査内容】

 持続可能な「豊かな暮らし」を目指す豊田市は、10年先、50年先を見据えた新たな取組に力を注ぎ、エネルギー、モビリティ、ウエルネスを重点に、SDGs達成に向けた取組を広げている。また、2050年のゼロカーボンシティの実現を目 指し、市民運動「とよた・ゼロカーボンアクション」を実施している。
 同市の取組や最先端の環境技術の情報発信拠点として、2012年に開設したのが、同施設である。2018年に同市がSDGs未来都市に選定されたことを受け、2019年には、環境への取組や技術だけではなく、SDGsの啓発や社会課題解決に向けた取組を発信する施設としてリニューアルした。同施設内のパビリオンでは、豊田市の低炭素社会の実現に向けた取組を学ぶことができ、市の歴史や特色、持続可能なまちづくりを目指す取組などを紹介するコンセプトゾーンと、展示、セミナー、ワークショップなど様々な形で活用可能なプロジェクトゾーンで構成されている。コンセプトゾーンでは、リアルタイムの地球の様子や世界規模の社会課題を体感できる次世代のデジタル地球儀を触ったり、壁面に描かれた現在の豊田市のイラストにタブ レットをかざすことで「50年後の豊田市」の様子をのぞくことができるAR技術を体験することができる。また、環境負荷の軽減を目指した多様な移動手段の提案、総合的な交通への取組の紹介として、本年の道路交通法改正により公道(歩道)の走行が可能となった、移動用小型車の車両要件に適合するC+walkTなど、次世代モビリティの体験試乗も可能である。同施設は、開設以来、世界121の国と地域から約38万人が来場しているとのことであった。
 概要説明を受けた後、委員から活発な質問が行われた。その中で、「豊田市の森林面積は7割と山村地域の割合が高いが、交通面で具体的にどのような取組を行っているのか」との質問に対し、「小型電気自動車を活用し、市街地と山村地域の両方を支援している。山村地域では、自動車がないと生活が困難なこともあり、運転免許証返納前の方に、小型電気自動車を低速に設定することで、安全に利用してもらっている」との回答があった。
 質疑後は、パビリオンのほか、特殊設備の見学や水素製造の過程、燃料電池自動車などについて学ぶことができる水素ステーションや、ITの活用により、創エネ機器や蓄エネ機器、省エネ機器をコントロールし、エネルギーマネジ メントを行うことで、家庭内のエネルギー利用を最適化するスマートハウスを視察した。
 今回、同施設を視察できたことは、今後、本県においてSDGsを推進していく上で、大変参考となるものであった。

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議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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