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掲載日:2023年11月27日

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少子・高齢福祉社会対策特別委員会視察報告

期日

令和5年9月11日(月曜日)~ 12日(火曜日)

調査先 

(1)愛知県児童総合センター(愛知県長久手市)

(2)複合施設CORRIN(愛知県碧南市)

調査の概要

(1) 愛知県児童総合センター

  (子育て支援について

【調査目的】

 本県の出生数は減少傾向にあり、合計特殊出生率は全国平均を下回っていることから、子供を生み育てることに希望を持てる社会を実現する必要がある。
愛知県児童総合センターは、子供たちを日常の縛りから開放し、五感を駆使して身体の感覚を確かに感じることのできる遊びのほか、身の回りのものや出来事への新鮮な気づきを提供している。また、自分自身と他者の存在との関係を実感できる創造的で交流性の高い遊びも提供している。
 子供について考える全ての人を対象とした講座やシンポジウム等を開催するとともに、遊びや子育て等の児童環境づくりに関する様々な情報を提供している。
 本県においても、子育て支援に取り組んでいることから、同センターの取組を調査し、今後の施策推進の参考とする。

【調査内容】

 同センターは、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園内に位置している。未来を担う児童の健全育成と子育て環境づくりを総合的に推進するとともに、市町村児童館を牽引し支援することを目的とした県内児童館の中核施設である。設置主体は愛知県で、公募により公益財団法人愛知公園協会が指定管理者となっている。
 同センターは、児童の健全育成を図るための遊びや、学びの場と機会を提供するため、「体験・育成事業」、「開発・調査事業」、「養成・研修事業」及び「普及・啓発事業」の四つの事業を実施している。「体験・育成事業」は、来館する子供達に館内全体の遊びの空間やプログラムの体験を通して、豊かでバランスの取れた「遊び」を提供するものである。学校の長期休暇には、多くの子供たちや父兄が一緒に参加する機会を提供している。「開発・調査事業」のうち「遊具・あそびのプログラム開発」は、来館者に常に新鮮な驚きと発見のある遊びの場を提供するため、平成8年の開館以来、「アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム」等の遊びを活性化させるプログラムを全国から公募する事業を継続している。選考委員会を開催し、優秀作品を選定しており、選ばれた作品は幅広い方々が体験できる参加型展覧会として展示を実施している。令和5年に応募された遊びのプログラムは27作品であった。「養成・研修事業」では、児童館相互の連絡調整、児童厚生員の資質向上や地域交流の活性化等を図るため、愛知県児童館連絡協議会を設置し、事務局として参画している。児童厚生員の資質向上を図るため、児童厚生員研修会やブロック研修会を実施している。また、中核施設として、県内の全児童館職員を対象とした初任者への基礎的な研修、児童館運営について学ぶ館長研修会など研修を体系化し資質向上を図っている。さらには、同センターの職員を県内各地の研修や講座などの講師として派遣することや、大学等からの実習生受入れなども積極的に行っているとのことであった。
 概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「コロナ禍の時期は別にして常に一定程度の入館者数を維持しているが、どのような工夫をしているのか」との質問に対し、「スタッフがスキルを積み重ね、子供達に喜んでもらえる様々な遊びのプログラムを開発している。また、令和5年3月からロボット達を3D映像化したプロジェクションマッピングの展示を行っている」との回答があった。
 質疑後は、同センター内を見学し、新たな技術を活用した遊びなども体験した。今回、視察先を調査できたことは、本県における子育て支援に取り組む上で大変参考となるものであった。

(2) 複合施設CORRIN

幼老複合施設の取組について

【調査目的】

 複合施設CORRINは、こども園、高齢者デイサービス、児童発達支援事業所など一つの敷地内に様々な年齢層が活動する施設が混在する複合施設である。
 「CORRIN夏祭り」では地元中学生がボランティアとして参加し、各ブースを職員と一緒に盛り上げている。また、各構成施設では、地元中学生の福祉体験も受け入れている。構成施設の一つであるこども園ひまわりでは、隣接する養護老人ホームと、庭の手入れや梅シロップづくりなどの交流を行っている。
 同施設における幼老複合施設の取組を調査し、本県における少子高齢対策の参考とする。

【調査内容】

 愛生館グループは、小林記念病院、特別養護老人ホームひまわり、老人保健施設ひまわり、複合施設CORRINなど直径8km以内に様々な事業所を設置しており、「交流」をキーワードにホスピタリティのまちづくりを目指している。子供、高齢者、障害者など全ての人々が地域の中で暮らし、生きがいを見つけ、共に高め合うことができれば、より人々が、そして地域が豊かになり、暮らしやすい社会が実現できると考えている。
 そこで、複合施設CORRINの立ち上げに際しては、同法人が主体となり、町内会や医師会、商工会をはじめとした地域の団体を会員として「地域共生複合施設協議会」を設立し、同施設の活用方法を検討し地域により必要とされる施設を目指した。
 同施設は、「“ごちゃまぜ”な施設を創りたい」という思いから始まったプロジェクトである。認定こども園、高齢者デイサービス、児童発達支援、放課後等デイサービスの利用者だけではなく、地域住民や法人従業員といった人々が集まる施設のシンボルとして大きなピロティを作り、マルシェやイベントを開催している。
 同施設の特徴の一つとして多世代交流が挙げられる。高齢者が、併設したこども園の園児や障害支援施設の児童と共に製作活動をしたり、調理をして食事を共にする機会を提供している。高齢者は子供達からエネルギーをもらうことで、やりがいや生きがいへつながっている。また、児童は知識や経験を得て大人とのコミュニケー
ション能力を身に付ける効果が生じている。
 また、七夕会や児童との課外活動など地域を巻き込んだイベントを多く開催している。8月に開催したCORRIN夏祭りでは、小さな子供から車椅子の高齢者など400人以上の来場があった。夏祭りは、障害児の作成した展示会を実施したり、地域の中学校のボランティアの参画があったり、まさに様々な人をごちゃまぜにした共生イベントとなったとのことである。
 愛生館グループは、20年先を見据え、次の世代を担う子供たちのための社会を作っている。いい意味で、今予想されている未来を変えていくつもりであるとの説明があった。
 概要説明の後、委員からは活発な質疑が行われた。その中で、「福祉施設では人材確保に苦労されている場合が多いと聞くが、この施設ではどのような工夫をしているのか」との質問に対し、「人材不足は大きな課題である。大規模であるメリットを生かし、福利厚生の充実を図ったり、スタッフが他の施設に応援に行くなど柔軟なシフト体制を構築し対応をしている。また、ICTなどを積極的に活用し、スタッフの負担軽減を図っている。スタッフが将来に対して安心を得られるように日々、創意工夫をしている」との回答があった。質疑後は、施設内を見学した。
 今回、視察先を調査できたことは、本県における少子高齢対策の取組を推進する上で大変参考となるものであった。

 少子・高齢福祉社会対策特別委員会

  複合施設CORRINにて

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

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