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掲載日:2023年5月1日

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図書室委員会視察報告

期日

 平成29年10月31日(火曜日)

調査先 

 (1) 渋沢史料館(東京都北区)
 (2) 国立国会図書館東京本館(東京都千代田区)

調査の概要

(1)渋沢史料館

(専門図書館の管理運営状況について)

【調査目的】

 渋沢史料館は、渋沢栄一の思想と行動を顕彰する(公財)渋沢栄一記念財団の付属施設として東京都北区に設立された。その管理運営状況を把握し、今後の県議会図書室運営の参考とする。

【調査内容】

 渋沢史料館は、近代日本経済社会の基礎を築いた渋沢栄一[1840(天保11)~1931(昭和6)年、武蔵国血洗島村(現、埼玉県深谷市)生まれ。]の思想と行動を顕彰する財団法人である「渋沢青淵記念財団竜門社(現、(公財)渋沢栄一記念財団)」の付属施設として、1982(昭和57)年、渋沢栄一の旧邸跡(現在、東京都北区飛鳥山公園の一部)に設立された。
 当初の渋沢史料館は、旧邸内に残る大正期の2つの建物「晩香蘆」と「青淵文庫」(いずれも国指定重要文化財)を施設として開館した。その後、1998(平成10)年3月に本館を増設した。諸資料の展示を本館で行い専門図書館の機能を有している。
 蔵書内容は、「渋沢栄一伝記資料」全58巻及び別巻10巻の編さん資料として収集された資・史料が中心である。渋沢栄一の事績及びその周辺事象に関係する文献として明治から昭和初期にかけての経済人・政治家・文化人等の伝記、栄一が関係した企業をはじめとした会社史、学校・団体史、及び通史類を中心に収集・保存している。また、財団で発行した雑誌・図書も保存している。
 今回の視察では、所有文化財である青淵文庫、晩香蘆及び本館諸展示資料の概要説明を受けて渋沢栄一の業績や思想を知るとともに専門図書館のサービス充実等を中心に視察を行った。
 渋沢史料館会議室にて井上 潤館長から御挨拶及び事業概要説明を受けた。その後、桑原副館長(学芸員)より、史料館内展示、青淵文庫、晩香蘆の概要説明を受けた。青淵文庫は、1925(大正14)年竣工、渋沢家の家紋に因んで柏の葉をデザインしたステンドグラスやタイルが美しい洋館である。栄一の書庫や接客の場として使われた。当初収蔵されていた「論語」をはじめ多くの漢籍は、渋沢家から都立図書館に寄贈された。なお、「青淵」とは渋沢栄一の号である。晩香蘆は、1917(大正6)年竣工の洋風茶室である。なお、旧渋沢邸は先の大戦による空襲のため、青淵文庫と晩香蘆を除き全て消失している。
 本館1階奥の閲覧コーナーには、栄一に関する書籍をはじめ近代日本の歴史や経済に関する書籍を配架、入館者は自由に閲覧できる。本館2階は展示室であり、栄一の生涯と幅広い分野にわたるその事績に関する資料を写真とともに展示している。
 今回の視察では、専門図書館として来館者を惹きつける展示、資料、サービスの充実などについて理解を深めることができ、今後の県議会図書室運営の参考となるものであった。

(2)国立国会図書館東京本館

(図書館の管理運営状況について)

【調査目的】

 国立国会図書館は、国会議員の調査研究に資するため設立された日本における唯一の国立図書館である。その運営方針や制度を実地に視察することにより、今後の県議会図書室運営の参考とする。

【調査内容】

 国立国会図書館では、セミナールームにおいて、DVDによる概要説明が行われ、終了後、施設を実地に視察した。
 国立国会図書館は、1948(昭和23)年に設立された日本における唯一の国立図書館である。国会法第130条の規定に基づき、国立国会図書館法により設置されている。図書館資料を蒐集し、国会議員の職務遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門、更に日本国民に対し図書館奉仕を提供することが目的である。
 国立国会図書館は、立法府である国会に属し、館長は、国会の承認を得て、衆・参両議院の議長から任命される。館長を含む職員の定数は888名である。組織は中央の図書館と行政・司法各部門に設置された支部図書館で構成されている。
 管理運営に要する経費は国費により、平成28年度の当初予算は、工事関係の経費を除いて約181億円、そのうち資料に関わる経費は約23億円である。
 国立国会図書館の蔵書資料は、納本、購入、交換・寄贈によって収集されている。これらの資料は、東京本館、関西館、国際子ども図書館に分散配置されている。今回視察した東京本館の主な所蔵資料は、納本制度により収集した国内の図書、雑誌、新聞、電子出版物や外国図書、外国新聞、専門コレクションとして議会・法令資料、古典籍資料、憲政資料、日本占領関係資料、地図資料、音楽・映像資料がある。
 国立国会図書館には、国会の諸活動を調査・情報提供の面で補佐するという重要な役割がある。このため、国会に対するサービスを中心に行う組織である調査及び立法考査局では、広範な分野に及ぶ国政課題に対する調査を行っており、調査・レファレンス件数は年間約4万件である。また、同局では立法調査資料として作成した刊行物を、国会に対してはもとより、ホームページを通じて広く一般にも提供している。
 国民に対するサービスとしては、来館しての閲覧や著作権法の認める範囲での複写サービス等が利用できる。また、国立国会図書館に貸出し登録をしている他の図書館を通じて、資料を取り寄せての閲覧、レファレンスが可能である(個人に対する館外貸出しは行ってない)。
 東京本館の実地視察では、本館地下8階の収蔵庫、1階の図書カウンター、2階の科学技術・経済情報室、新館1階の雑誌カウンター等を視察した。本館地下8階には、地下の収蔵庫で作業する職員が多いことから、これら職員の精神衛生を考慮して、採光室が1か所設けられ、地上までの吹抜け構造であり施設見学の目玉となっている。
 概要説明の後、館の運営・管理や図書・資料の管理・保管方法、利用状況等について、委員から活発な質疑が行われた。
 今回、国内最大規模である図書館の運営方針や制度を実地に視察したことは、今後の県議会図書室運営の参考となるものであった。

図書室_国立国会図書館にて

国立国会図書館東京本館にて

お問い合わせ

議会事務局 図書室  

ファックス:048-830-4924

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