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掲載日:2019年6月3日

平成25年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (加藤裕康議員)

県の社会教育施設(ミュージアム等)について

Q 加藤裕康議員(自民

ミュージアムは、収蔵品(コレクション)の収集、蓄積と管理活用という社会的使命を持っています。欧米では美術館、博物館、図書館、文書館、動物園、植物園など全てひとくくりに考え、それぞれの組織と組織を隔てる壁がそれほど高くないと聞いています。
これに対し、わが国ではどうかというと、昭和26年6月に制定された社会教育法(平成20年6月改正)の第9条に「図書館及び博物館は、社会教育のための機関とする。」とあり、さらに「必要な事項は、別に法律をもって定める。」ともあり、美術館・博物館については昭和26年制定の博物館法が、図書館については同25年制定の図書館法が、文書館については同62年制定の公文書館法が個別法として制定されています。いわば互いの組織の壁は高く、がんじがらめの状態です。
こうした中で、まず本県の社会教育施設行政の現状について伺います。
次に、8月に、島根県にあり、美術館と日本庭園とを取りまぜてこの10年間連続で日本庭園トップの評価を維持し、来館者も多く、かつ地元の雇用にも一役買っている足立美術館を視察しました。また、「文藝春秋」9月号に立花隆氏により紹介された、旧東京中央郵便局が再開発によりJPタワーという地上38階建てのビルの2階と3階に、日本郵便と東京大学が共同で作り出した全く新しいタイプの学術文化総合ミュージアムを見学しました。
立地は東京駅に隣接し、丸の内の一等地にあります。入場料も入場券も要らない完全オープンで、出入り自由の公共的空間です。特徴は、広大で多様な展示スペースを利用したさまざまな展示にあります。そのほとんどは東京大学の総合研究博物館の倉庫でほこりをかぶっていたものだと聞きました。とてもおもしろい博物館です。ちなみに、このスペースは公共空間の創出ということで、建築基準法の容積緩和の適用を受けて実現したとのことでした。
さて、本県のミュージアムはたくさんの収蔵品の収集、蓄積を行っています。県立歴史と民俗の博物館を例に挙げると、収蔵品は約12万点とのことです。宝は隠していたのでは価値を生みません。より多くの収蔵品を、より多くの県民に見てもらうことが、その資産価値を高めるゆえんであります。
そこで、社会教育法の「博物館は、社会教育のための機関とする。」にあるとおり、管理活用に関する社会的使命について伺います。
次に、公共文化財の長期保存についても考える必要があります。天災、人災、不測の事態が生じたとき、一カ所に集中管理する場合は全喪失のおそれがあります。こうした点についてはどのように考えているか、伺います。
最後に、北部地域振興交流拠点施設との関連について伺います。
候補地は国道17号、高城神社参道、市役所通りに囲まれ、JR熊谷駅から徒歩10分足らずの熊谷市街地の中心部であると聞いております。この立地に単に図書館の統合だけをもって考えるのは、県の公共文化社会教育政策として物足りなく寂しい気がいたします。斬新な発想が必要だと思います。
この際、計画の変更を行い、北部地域振興交流拠点施設内に図書館に加えて博物館・美術館等の収蔵品を常設もしくは特別展示ができる広いスペースを確保し、県民の社会教育施設の充実を図ることも検討すべきと考えますが、以上、教育長のご所見を伺います。

A 関根郁夫 教育長

まず、「個別法で設置されている社会教育施設行政の本県の現状について」です。
本県には、県立の社会教育施設として博物館・美術館、図書館などが16施設ございます。
これらの施設は、それぞれ設置根拠は異なりますが、県民サービスの向上のため、さまざまな連携事業を実施するとともに、情報の共有化を進めております。
例えば、今年の秋にはさきたま史跡の博物館で開催する企画展「古代の豪族」と連携し、県立熊谷図書館で関連資料展や講演会を実施する計画となっております。
今後とも社会教育施設の連携を深め、施設の枠にとらわれない運営に努めてまいります。
次に、「社会教育施設としての博物館施設の管理・活用に関する社会的使命について」です。
博物館では、資料の調査と研究を行い、収集した資料は将来にわたる保存を図り、広く県民に展示公開していくことが社会的使命であると理解しております。
また、多くの県民に資料をご覧いただくことも資料の有効活用という観点から大切です。
現在も市町村の図書館などで出張展示を行っているところですが、今後とも県北地域をはじめ県内のさまざまな地域で企画するなど、可能な限り資料の公開・活用を図ってまいります。
次に、「1か所に集中管理する場合に災害等で文化財が全喪失する恐れがある点についての文化財の管理の考え方について」です。
文化財は、古文書や絵画、考古資料など分野ごとに適切な収蔵環境が必要となります。
そのため、本県では、県立の博物館・美術館など計8カ所にそれぞれ分野別に分散して資料を収蔵しております。
議員ご指摘の点に留意しながら、当面は現状の方法で管理してまいります。
最後に、「北部地域振興交流拠点施設内に博物館・美術館の収蔵品を展示するスペースを確保することについて」でございます。
県立図書館が時代の変化に対応しながら利用者に対するワンストップサービスなどの体制を整え、効果的・効率的に運営していくためには、現在の3館の機能を1カ所に集約する必要があると考えています。
また、県立図書館には耐震化の課題もあることから、今後の在り方などについて、議員ご提案の展示スペースの確保も含め、県議会などのご意見を十分に伺いながら早急に検討してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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