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掲載日:2019年6月3日

平成25年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (石渡 豊議員)

清流の復活・川の国埼玉の実現に向け、浄化槽の法定検査の実施率向上を

Q 石渡 豊議員(公明

議場にいらっしゃる方は、一般のご家庭が浄化槽の法定検査を受検するとはいかに面倒なことかご存じでしょうか。正直いって私はよく知りませんでした。浄化槽を使う家庭は法律に定められた法定検査を受検する義務があるという文言を知っているだけでした。
県民の方から相談があり、その内容が法定検査の始終を端的に表わしておりますのでご紹介をします。相談者は上尾市内に住む高齢の婦人です。町内会の班長さんの訪問を受け、「浄化槽の法定検査を受けましょう」という紙をもらいました。翌月、県の中央環境管理事務所長名で浄化槽法定検査受検指導書なるものが郵送され、その指導書には必ず受検するようお願いしますとありました。大変だ、県からの通知が来たと早速浄化槽の点検清掃業者に法定点検のお願いをしました。数日後、一般社団法人埼玉県環境検査研究協会から法定検査ご案内が届き、郵便局かコンビニで検査手数料を振り込むようにとありました。郵便局までわざわざ足を運びました。料金5,000円を振り込みました。数日後、業者が浄化槽の水を採取に訪れ、同席するよう求められました。その後、やっと検査機関から検査済証が送られてきました。やれやれの思いとともに、何とか手間が省けるようにならないものかしらという相談でございました。
話の続きがあります。隣近所に検査の話をしてみると、皆さんそろって受検をしておりませんでした。隣近所からは「そんな5,000円もかかる検査は必要なの」とか、「今までの点検や清掃だけでだめなの」とか、「そんな何とか協会、本当に信頼できるところなの」とか、挙げ句の果ては「法律で定められた私たちの義務なら、いつもの点検のときに業者さんから話があるはずでしょう」、こうした話が返ってきました。相談者の方は、「私は、義務を果たしたのに何か不公平な気持ち。正直者がばかを見る、そんなことは考えたくもないけどね。でも検査ってとても面倒なんです」と話されました。
私は、「おかげで埼玉の川がきれいになります。とてもすばらしいことをされましたよね」とお答えするのが精いっぱいでした。そうは言ってみたものの、手間もかかる、お金もかかる、しかも毎年毎年の検査、県民には正直者がばかを見る、こうした思いを持たせてはいけない、つくづく感じました。
本年2月に公明党の福永信之議員が代表質問に立ち、この問題、検査実施率の向上を訴えました。本県の実施率は平成23年度7.3パーセント、昨年度8.3パーセントと、いまだ1桁台にとどまっております。検査実施率の向上は、まず市町村のお役目です。県下市町村の中には、その向上のために懸命にご努力をされている自治体もございます。心から敬意を表させていただきます。
私は8月6日、検査実施率を飛躍的に向上させた栃木県を視察いたしました。栃木県も平成15年、わずか1パーセントでした。栃木県は国と協議をし、法定検査の効率化を図るため、指定採水員制度を発足させました。指定採水員とは、浄化槽保守点検業者が検査機関の講習を受講することにより指定されます。指定採水員は実際に各家庭に赴いて、法定検査の申し込み手続きや法定検査に必要な採水を行います。栃木県の検査実施率を見ますと、平成15年度1パーセントであったものが、指定採水員活用後の7年間で平成23年度には60.1パーセントとなりました。
もう一点、栃木県には効果的な取り組みがありました。それは、法定検査が実施されていない家庭に市町村長が文書を発送しているのです。文書の発送者が行政機関というのは効果的です。市町村には生活排水の適正処理という責任があるわけですから、ある意味当然のこととも考えます。こうした行政機関名での文書発送は、私の調査でも栃木県のほか、岩手県、東京都、岐阜県、鳥取県、徳島県、高知県、長崎県と1都7県ありました。
それでは、お伺いします。1点目は、本県の指定採水員の活動についてお尋ねします。
本県においても、平成23年10月から合併処理浄化槽に対し指定採水員制度を導入しております。合併処理浄化槽は、本県内には約20万基あると伺っています。指定採水員の検査実施数とその割合をお答えください。
2点目は、検査が実施されていない家庭への注意喚起の文書ですが、その文書は行政機関名で発送くださるよう各市町村にお願いしてくださいますか。
3点目は、指定採水員の活性化についてです。各家庭がお客さまでもございますので、顔を合わせて法定検査のこともしっかりと対話ができます。検査実施率の向上に結び付くと考えます。正直者がばかを見るということもなくなると考えます。したがって、本県は指定採水員の活性化を図るべきと考えます。
以上、3点、環境部長のご所見をお聞かせください。

A 畠山真一 環境部長

まず、指定採水員の検査実施数とその割合についてでございます。
平成24年度末現在、法定検査の対象となる県内の合併処理浄化槽19万8,454基に対し、法定検査を実施したのは、3万5,727基でした。
そのうち、指定採水員によるものは、1,113基です。
割合としては、検査を受けた合併処理浄化槽の3.1パーセント、合併処理浄化槽全体の0.6パーセントに当たります。
平成23年10月の制度スタート後、間もないこともございますが、残念ながら低い数字となっております。
今年度は、7月末時点で849基、昨年同期では250基でしたので、その3.4倍となっております。
次に、法定検査を受けていない家庭への文書による働き掛けについてでございます。
昨年度、松伏町が町長名の文書で各家庭に働き掛けたところ、法定検査の実施率が1.5パーセントから11.2パーセントに上昇し、大きな効果が見られました。
そこで、県として他の市町村にも同様の取り組みを行っていただくよう働き掛けた結果、今年度は現在まで35の市と町が行政機関名による働き掛けを行うと聞いております。
全ての市町村にこうした取り組みが広がるよう、引き続き要請をしてまいります。
最後に、指定採水員制度の活性化についてでございます。
県では、本年7月に指定採水員を対象にアンケート調査を行いました。
その結果ですが、まず指定採水員として訪問した家庭に法定検査を勧めたかどうかを聞いたところ、「勧めた」との回答は62パーセントにとどまりました。
勧めなかった理由を聞く中で、法定検査には、5,000円かかることもございまして、「法定検査は必要ないと言って営業している悪質な業者に、お客様を取られるのが怖い」といった心配が指定採水員にあることが分かりました。
また、家庭からは、「保守点検のほかに法定検査をする必要性が分からない」、「制度を知らなかった」という声が強いことが分かりました。
指定採水員制度を活性化するには、こうした現実の問題を一つ一つ解決していく必要がございます。
そこで、県としては、住民向けに法定検査の必要性を分かりやすく説明するパンフレットを作成いたしました。
市町村が行政機関名で、その通知を行う際に添付をしていただきます。
また、指定採水員が営業上の不安なく活動できる環境を整えるため、「法定検査は必要ない」と言って営業している保守点検業者の実態を調査し、その実態が明らかになったときは、立ち入り検査を実施するなど、厳しく指導してまいります。
県としては、こうした取り組みを市町村とともに徹底して進めることで、指定採水員制度を活性化させ、浄化槽の適正管理と法定検査の実施率向上に努めてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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