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掲載日:2019年6月3日

平成25年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (伊藤雅俊議員)

JR東日本の運賃格差について

Q 伊藤雅俊議員(自民

この問題は、私の前任でありますさいたま市中央区選出の吉田弘議員が平成13年9月定例会、平成16年6月定例会、そして平成18年6月定例会の計3回質問をしている問題であり、その都度、多くのマスコミから注目を浴びた問題です。そのうち、平成16年と平成18年には上田知事に答弁をいただいております。私も数年前まで、今ちまたで話題となっている銀行員として、毎日何本も電車を乗り継ぎ通勤をしていた電車通勤族でしたので、その立場からも質問させていただきます。
ご存じない方がいらっしゃるかもしれませんので、過去の吉田弘議員の質問を基に概要を簡単にご説明いたします。
JR東日本には、東京周辺の電車特定区間というものがあります。これは国鉄時代にできた制度であり、大都市部での、特に利用者の多い区間において、他の区間より割安の運賃を設定しているものです。電車特定区間の範囲は、東京駅を基点とすると、北は京浜東北線、埼京線の大宮駅までの30.3キロメートル、西は中央線の高尾駅までの53.1キロメートル、東は総武線の千葉駅までの39.2キロメートル、南は横須賀線の久里浜駅までの70.4キロメートルであります。横須賀線は、高崎線および宇都宮線と同じ中距離電車にもかかわらず電車特定区間に入っており、久里浜駅までの距離は大宮駅までと比較して倍以上になっています。
次に、運賃の違いを比較してみますと、全線が電車特定区間である久里浜駅から横浜駅までは41.6キロメートルで690円、一方、一部だけが電車特定区間である埼玉県内の熊谷駅から浦和駅までは、距離が40.5キロメートルとほぼ同距離ですが740円であり、その差は50円、6.8パーセントも割高になっています。さらに、この差は運賃だけでなく、定期券にも影響することになります。久里浜駅から横浜駅までの6カ月通勤定期代は99,790円であるのに対して、熊谷駅から浦和駅までの6カ月通勤定期代は10万5,840円になり、その差は6,050円、5.7パーセントも割高になっております。このことからも分かるとおり、埼玉県民は神奈川県民よりも多くの負担をJR東日本に対して負っているということになります。
さて、吉田弘議員の最後の質問から7年が経過しているところでありますが、いまだにこの問題は解決の兆しが見えてきておりません。上田知事には、JR東日本の本社に出向いて要望していただいたり、社長が知事のところにあいさつに来た際にお話をしていただいたりと、できる限りの対応をしていただいていることは十分に承知をしております。解決に向けて進んでいかないということは、JR東日本は一度決めた方針はそう簡単に変えることができないということだと思います。
しかし、今年の3月には浦和駅に湘南新宿ラインが停車することになり、さらに来年度中には高崎線、宇都宮線が東京駅まで延伸する予定になっているとのことです。吉田弘議員が質問した当時と比較すると、埼玉県内の鉄道網は便利になってきており、大宮以北の人口も今以上に増加することになるはずです。
また、視点を少し変えると、便利になった鉄道網を利用して埼玉県に観光などで訪れる県外の方にも影響を及ぼすことになるとも言えるのではないでしょうか。
このように、この問題は埼玉県民だけの問題ではなく、県外にお住まいの方々にとっても大きな問題であると言えるのではないでしょうか。私は、引き続きこの件についてはJR東日本と粘り強く交渉し続けていく必要があると考えています。また、埼玉県だけでなく、大宮以北の高崎線、宇都宮線沿線の群馬県、栃木県、茨城県とも連携して取り組んでいく必要があると考えますが、企画財政部長にお伺いをいたします。

A 中野 晃 企画財政部長

本県におけるJR東日本の電車特定区間とそれ以外の区間の運賃格差は、議員ご指摘のとおり、鉄道利用者にとって大きな問題と考えております。
平成16年には知事が当時の吉田弘議員と一緒にJR東日本本社に対し、この運賃格差の見直しについて、直接要請しております。
その後も、県では、毎年、JR東日本の本社および大宮支社、高崎支社、八王子支社に対し、運賃格差の見直しについて要望を続けております。
本県の要望に対し、JR東日本は、「現行の運賃は乗降客数や運行形態、競合する路線の有無を考慮している。運賃収入の確保は大きな課題なので、減収を伴う運賃改定は行わない方針である。」と回答しています。
一方、電車特定区間が設定された昭和59年当時と現在では、明らかに首都圏の運行形態、人の流れ、各駅の乗降客数が変わっています。
昭和59年当時、宇都宮線、高崎線は上野駅止まりでしたが、平成13年には首都圏を南北に縦断する湘南新宿ラインが誕生し、他の路線との相互直通運転により、首都圏一円にネットワークが拡大しています。
さらに、平成26年には高崎線と宇都宮線は東京駅経由で東海道線に乗り入れる予定であり、観光や経済面で広域的に交流人口が増えることが考えられます。
大宮駅止まりのディーゼル車が走っていた川越線は昭和60年に電化され、現在では10両編成の電車が大宮駅、新宿駅経由で臨海副都心方面まで直通しています。
昭和58年度と平成24年度の1日平均乗車人員を比較すると、川越線日進駅は2.5倍、高麗川駅は2.1倍、南古谷駅に至っては3.5倍に増加しています。
県としては、このような鉄道ネットワークの拡大などの状況変化を踏まえ、運賃格差を見直していただくよう、JR東日本に対し、引き続き粘り強く要望してまいります。
また、運賃格差を抱えている他県の例としては、熊谷駅と同じくらいの距離で電車特定区間外にある茨城県の常磐線土浦駅、千葉県の成田線成田駅、神奈川県の東海道線平塚駅などがあります。
これらの県では運賃格差に対する問題意識に温度差がありますが、議員からもご提案をいただきましたので、改めて運賃格差の見直しに向けた連携ができないか、近隣自治体としっかり意見交換をしてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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