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掲載日:2019年6月3日

平成25年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (水村篤弘議員)

生活保護受給者チャレンジ支援事業について

Q 水村篤弘議員(民主・無所属

厚生労働省によれば、今年5月時点での生活保護を受給している人数は全国で約215万人、約158万世帯となり、過去最高を更新しました。今年度の予算における国と地方自治体負担分の合計は約3兆7,600億円と、こちらも過去最高となっております。
生活保護の受給者数は、20年前の1993年には約88万人でした。その後は、徐々に増加しつつあります。受給者数の増加の背景には、まず、受給世帯の約4割を占める高齢者世帯の増加があります。また、ワーキングプアの増加と2008年のリーマンショックの影響を受け、働ける世代を含むその他の世帯が約29万世帯と、18.5パーセントを占めるようになっています。
就労可能な方が生活保護を受け続けることになれば、社会的に大きなコストがかかります。厚生労働省の研究会の報告書によれば、税金を投入して生活保障付きの集中的な就労支援をしても、その方が就職して税および社会保険料を納付する額は税金の投資額をはるかに上回り、必要のなくなった生活保護費を含めれば、財政的には数千万円の効果が認められると指摘をしております。
さて、埼玉県における生活保護の現状ですが、今年6月時点で受給者数は約9万4千人、世帯数は約6万7千世帯となっています。保護率は1.3パーセントで、人口千人当たり13人が受給者となっています。全国平均よりは低い値となっていますが、ここ20年、一貫して増加傾向にあります。特に就労可能な受給者の数は、平成20年9月には4,718世帯であったのが、リーマンショック以降激増しており、平成24年9月には1万4,252世帯と3倍になっております。ちなみに、平成25年度予算における県内全体での生活保護費は1,622億円です。
こうした中で埼玉県では、ちょうど3年前の平成22年10月から生活保護受給者チャレンジ支援事業、アスポート事業を全国に先駆けて実施しております。事業は、大きく3つの取組から成ります。1点目には、生活保護世帯の子供への教育支援です。これは、生活保護世帯で育った子供が大人になって再び生活保護を受ける、いわゆる貧困の連鎖を断ち切るための取り組みです。2点目には、働くことができる生活保護受給者への就労支援。そして3点目には、住まいのない生活保護受給者への住宅支援です。こうした埼玉県における取り組みは、全国的にも注目をされております。大変注目をされ、実績も上がりつつあるアスポート事業ですが、さまざまな社会経済情勢から生活保護受給者の数は増加の一途をたどっており、より一層の取り組みが必要だと考えます。
そこで質問は、まず、働くことができるにもかかわらず、就職先がないため生活保護を受給することになった世帯が激増しており、就労支援事業の拡充が重要だと考えますが、取り組みと成果についてお伺いをいたします。
そして、貧困の連鎖を断ち切るための子供への教育支援です。教員経験者や大学生ボランティアのご協力により、老人ホームなどでの学習教室24カ所に増設されましたが、空白の市町村がまだあります。子供の足では、隣の市町村へ行くのも困難です。さらなる増設が求められております。
そこで、今後はこうした学習支援や就労支援事業を含めて、アスポート事業について市町村とより一層の連携を行ったり事業の移管を行ったりして、密度を濃く行っていく必要があると考えます。連携の現状と、事業の移管に当たって何が課題であると考え、県としてどのように取り組んでいくのでしょうか。
以上、福祉部長にお尋ねをいたします。

A 鈴木豊彦 福祉部長

まず、「就労支援事業の取り組みと成果」についてでございます。
この事業では、生活保護受給者の職歴や適性を踏まえ、介護やフォークリフトなどの職業訓練を受講させた上で、必要に応じてハローワークへの同行を行うなど、きめ細かな就労支援を行っております。
また、就労意欲が低下し、訓練の受講が難しい受給者には、食品の包装などの軽作業による就労体験に参加してもらい就労意欲の喚起を図っております。
この事業により、平成22年度に就職した方は191人でございましたが、23年度は618人、24年度には701人と就職者数は着実に伸びております。
今後は、さらに職業訓練メニューや就労体験先を増やすことにより、生活保護受給者の就労の一層の促進を図ってまいります。
次に、「生活保護受給者チャレンジ支援事業における市との連携の現状と事業を市に移管する上での課題および取り組み」についてでございます。
まず、市との連携につきましては、この事業を委託している事業所の担当者と市の福祉事務所は日頃から情報共有を図り、また一緒に家庭訪問し、職業訓練や子供の学習教室への参加を促すなどの対応を行っております。
また、住宅の確保や学校との調整においても市の関係部局と密接に連携をとってきております。
今後も、こうした連携を一層進めることにより、受給者の自立に向けた支援の充実を図ってまいります。
次に、この事業そのものの市への移管についてでございます。
本来、生活保護世帯の自立支援は福祉事務所を設置する市の役割でございます。
また、市でこの事業が実施され、身近な場所で学習教室や職業訓練が提供されれば、利用者の利便性は高まります。
しかしその一方で、各市が実施主体となった場合には、特に対象者の少ない市では、学習ボランティアの確保や、学習の場・職業訓練の場の確保が効率的に行えず、十分な支援が困難となる場合も予想されます。
こうしたことから、県といたしましては、スケールメリットを生かした広域的な対応を、県が主体となって継続させる必要性は依然として高いと考えております。
ただし、例えば中核市や特例市クラスの規模をもつ市であれば実施主体になることも可能であり効果的と考えております。
一定の規模をもち事業実施が可能な市に対しましては、今後、県といたしましても積極的にこの事業の移管を働き掛けてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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