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掲載日:2019年6月3日
Q 齊藤邦明議員(自民)
平成24年度決算案によると、県税の収入未済額は313億円、平成23年度の345億円に比べおよそ1割減少しました。一方、県営住宅使用料などの県税以外の債権いわゆる税外債権の収入未済額は、一般会計・特別会計を合わせると22.8億円、平成23年度の22.9億円からほとんど変化がありませんでした。
この税外債権については、昨年度の決算特別委員会でも取り上げました。収入未済額の推移を尋ねたところ、「過去3年間でほぼ増減なし」との回答がありました。県税では圧縮が進んでいるものの、横ばい傾向にある税外債権。管理体制を強化していくべきではないでしょうか。
税の場合は、裁判所の関与がなくとも預金や給与の差し押さえができる自力執行権があります。しかし、税外債権の場合は、自力執行権がないものがほとんどです。また、財産調査の権限も税の場合と比べ限定的です。しかし、支払い能力があるのに納付をしない悪質なものについては、公正、公平の観点から断固たる措置をとるべきであると考えます。
平成24年度中に訴訟などの手続きまで進んだ税外債権の事案は7件。全てが県営住宅使用料に限定されていました。税と税外債権を同列に扱うことはできませんが、年間約4千件もの差し押さえを実施している県税と比較するとあまりに数が少ないと思います。簡便な手続きである支払い督促を活用するなど、もう一歩前に踏み込んだ債権回収に取り組むべきであると考えます。
また、時効期間が経過しても、そのまま残っている根雪のような債権が少なからずあるのではないでしょうか。貸付金などの私債権の場合、時効期間が満了しても債務者からの援用がなければ消滅時効は成立しません。債務者の破産、行方不明などにより事実上回収不能となっている債権に関しては、管理コストも踏まえ、早期に見切りをつけていくことも必要であると考えます。
国では、債権の管理等に関する法令や規則により督促や強制執行、そして債務者が行方不明などの場合には債権を消滅したものとみなす制度などが設けられています。また、東京都では平成20年に東京都債権管理条例を制定し、その中で強制執行などの債権回収手続や回収見込みがない債権を処理することについての規定を盛り込みました。東京都のホームページによると、この条例に基づき、平成20年度から24年度までに約8億円の不良債権処理を進めています。債権回収と不良債権処理は債権管理上極めて重要です。収入未済額の更なる圧縮を図るには、この2本柱についてしっかりとした明快な旗印を掲げておくべきではないでしょうか。
そこで、企画財政部長に伺います。いわば根雪化してしまった債権は、現在どの程度あるのでしょうか。また、税外債権管理体制の強化に向け、債権回収手続きと不良債権処理の2本柱を総合的に規定した条例を制定すべきであると考えますが、企画財政部長の見解をお聞かせ願います。
A 中野 晃 企画財政部長
まず、いわゆる根雪化している債権についてでございます。
私債権、「わたくし債権」で時効期間が経過したものの、債務者が時効の援用をせず、消滅していない債権は、一般会計、特別会計、企業会計全ての会計合わせて約2億6千万円、件数は約6千件となっております。
主なものとしては、時効期間3年の県立病院診療費が約1億7千万円、件数では約4千件と全体の7割を占めています。
この4千件のうち9割が10万円未満の少額債権となっております。
診療費以外では、時効期間が5年の県営住宅使用料、時効期間が10年の看護師等育英奨学金の返還金などがございます。
次に、債権管理体制強化のための条例の制定についてでございます。
債権管理については、平成20年度に関係18課による「埼玉県債権管理連絡会議」を設置し、効果的な債権回収の事例集やマニュアルの作成を通じ、全庁的な取り組みを進めてきました。
今後は、さらに債権管理体制を強化する必要があると考えております。
議員ご指摘の東京都では、公表資料で確認する限り、平成20年7月の条例施行以降、条例に基づく8億円の不良債権処理を含め、約21億円の収入未済額が圧縮されています。
これは、条例制定により、債権回収手続きと不良債権処理という2本柱の体制がしっかりと整備されたことによるものと考えられます。
一方、本県では、平成21年度決算の審査で「徴収可能な債権はきちんと徴収し、徴収困難なものは徴収コスト等も勘案して、不納欠損処分を進める環境の整備が必要」との意見を監査委員からいただいています。
債権管理においては、逃げ得は許さないという徹底した強い姿勢で臨む一方で、行方不明など徴収困難な事例には徴収コストとのバランスも考慮したしなやかな対応も必要だと考えています。
そこで、債権管理・回収手続きと不良債権処理の2本柱について明確な旗印を掲げるため、東京都などの事例を参考に、条例の整備を含めた債権管理体制の強化についてしっかり検討してまいります。
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