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掲載日:2019年6月3日
Q 齊藤邦明議員(自民)
全幅の信頼を寄せる親からの児童虐待が後を絶ちません。私たち一人一人が子育て中の親子に目を配ることで、虐待を防げるかもしれません。関係機関に連絡をすることで、子供も親も救えるかもしれません。県内の児童相談所に寄せられた児童虐待の通告件数は依然として増え続けています。児童虐待への関心が高まったことも意味しているかと思いますが、平成24年度は4,769件と過去最高の数字に上りました。
これだけ通告が増えてくると児童相談所だけで対応するには限界があると思います。実際、児童虐待として報道された新聞記事を見ても、児童相談所がかかわっていなかったと思われる事例が相当あるように思われます。
平成16年の児童福祉法改正により、市町村は児童虐待に関する第一義的な窓口として位置付けられました。市町村がしっかりとその機能を果たし、児童虐待の早期発見・防止につなげていくためには、職員の能力アップが必要です。子供たちを救うためにも、通告による支援を無駄にしないためにも、市町村の役割を充実させることが重要ではないかと考えます。市町村の人材育成に向け、県としてどのように支援していくのか、福祉部長に伺います。
また、本県では、児童相談所に通告があると48時間以内に児童の安全確認をしています。しかし、全ての家庭が協力的であるとは限りません。いざ訪問してみると居留守を使われたり、どなられたり、ひどいときには暴力を振るわれそうになるケースも多々あると聞いています。このようなときこそ毅然とした態度で臨むべきであると考えます。そのためにも警察官OBを各児童相談所に配置しているのだと思います。
虐待が疑われる家庭から子供を保護するため、裁判所の許可により強制的に立ち入り調査を行うことができる権限が児童相談所には与えられています。平成19年の法改正により可能となったこの臨検・捜索ですが、これまでの実施件数は本県でゼロ件、全国でも8件しかありません。児童相談所の関与がありながら、対応の遅れにより子供を救えなかったという事態にならぬよう、こうした権限を速やかに行使していくべきだと考えます。子供は住む場所を自分で決めることはできません。まして腕力で大人にかなうわけがなく、逃げることもできません。児童の安全確認を拒否する保護者に対しどのように対処していくのか、福祉部長の見解をお聞かせ願います。
A 鈴木豊彦 福祉部長
まず、市町村の人材育成に対する支援についてでございます。
住民に最も身近な自治体である市町村は、妊娠、出産の段階から家庭と関わりを持つため、児童虐待の早期発見・防止においても大変重要な役割が期待されております。
このため、県では市町村職員を対象として、新任職員研修をはじめ、児童相談所において実際の取り扱いケースへの対応を学んでもらう現場研修を実施し、毎年800人以上の市町村の職員の参加を得ております。
また、平成22年度からは児童福祉司の任用資格を取得する研修会を開催し、これまでに93人が修了をいたしております。
これにより、専門性を持つ職員を児童相談の窓口に配置している市町村は、平成21年度の3市町から25年度には32市町に増加いたしました。
さらに、川越市、春日部市の2市を平成24年度にモデル市として指定し、虐待の判断のポイントや保護者に接する際の留意点などを盛り込んだ虐待対応マニュアルの作成を支援しております。
今後とも研修事業を一層充実させるとともに、全ての市町村において虐待対応マニュアルが作成されるよう支援することにより、市町村職員の資質の向上を図ってまいります。
次に、児童の安全確認を拒否する保護者への対処についてでございます。
児童相談所が家庭訪問した際、保護者から大声で脅されたり、物を投げられたりするなど、職員が身の危険を感じることもございます。
このため、今年度から全ての児童相談所に警察官OBを配置し、拒否的な保護者の家庭訪問には必ず同行させ、威圧的な行為があった場合にも毅然とした対応を行っております。
また、入室をかたくなに拒否され、児童の安全確認が行えない場合には、児童虐待防止法に基づく警察への援助要請を行い、現職警察官の同行をお願いいたしております。
こうした方法によってもなお児童の安全確認ができない場合には、お話しのように最終的な手段として児童相談所には臨検・捜索の権限が与えられております。
これまでこの権限を行使したことはございませんが、今後この権限を行使すべき状況が発生した場合にも、速やかに裁判所の許可を得て実行に移せるよう、具体的なケースを想定した実践的な研修を重ねてまいります。
今後とも、児童の安全確認を拒否する保護者に対しては、警察や市町村と緊密に連携し、必要に応じて臨検・捜索の権限を行使するなど厳正に対処し、児童の安全を確保してまいります。
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