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掲載日:2019年6月3日
Q 齊藤邦明議員(自民)
「じぇ、じぇじぇじぇ」、ほとんどの方がご存じかと思いますが、これはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でおなじみの驚いたときの表現です。「じぇじぇ」、おもしろい言葉だ、独特な響きだなどと私の周りでも話題になっていました。「てぇ、ててて」これは児玉郡で使われる驚いたときの表現です。自分では気づかないものですが、地域にはそれぞれ味のある表現があります。大なり少なり方言はどこにでもあります。文化全般で同じことが言えるかと思われます。
隣の芝生が青く見えるように、よその地域の宝には気付くものの、自分たちの宝には気付きづらいものです。「日本人は文化を奪われたことがないので、文化をあまり大切にしない」といった旨の話を聞いたことがあります。そのため、宝の存在に気付いたときには、次代に伝えられる状態ではなくなっている可能性があります。
日本の船である和船の世界は、実際危険な状態にあります。和船の保存活動に取り組んでいる方の一人に、アメリカ人のダグラス・ブルックスさんがいます。日本の造船技術に興味を抱いたブルックスさんは、4人の船大工に弟子入りし和船建造技術を学びました。佐渡のたらい舟に至っては、ブルックスさんしか造れる職人がいないのだそうです。船大工が高齢であること、弟子がいないこと、造船技術に関する記録を残していないことなどが和船消滅危機の要因です。日本の伝統的な技術は大体同じような構図であると思われます。
しかし、技術の伝承がうまくいっている例もあります。本日、ご神体が新しい正殿に移される伊勢神宮の式年遷宮がいい例です。伊勢神宮ではおよそ1300年にわたり式年遷宮が行われています。20年に1度のサイクルなので、職人たちは少なくとも2回の遷宮に携わることができます。コストは莫大ですが、定期的に社殿を建て替える機会があったからこそ後継者を育てられたのです。その結果、弥生建築である神明造が現在まで受け継がれているのです。
本県にはたくさんの文化的財産があります。和の地元神川町の金鑚神社にも国の重要文化財に指定されている多宝塔があります。大切に使われているものであっても、経年劣化で修繕が必要なときが来ます。いざ直そうと思ったとき、修理できる職人がいなくなってしまわぬよう、技術を残す手助けが必要です。
職人の優れた技を守り伝える観点からも、地域の文化を次の時代へ継承、保存させるべく、県として力を入れていかれるべきではないかと考えますが、現在の取り組み状況と併せ、教育長の見解をお聞かせ願います。
A 関根郁夫 教育長
文化的財産の継承・保存には、適切な修理が不可欠であり、そのためには、必要な技術の伝承が大変重要です。
県においては、地域の文化を支える技術として、漆塗り用の刷毛の製作、仏像修理などの木工品の製作、細川紙の紙漉き、藍染めなどの技術のように、国・県の指定文化財として保護しているものがございます。
一方、建造物などの文化財は、経年劣化に対応するため、適当な時期に、その文化財の価値を損ねないよう、製作当時の技術によって修理することとしております。
議員お話しの、神川町の国指定重要文化財「金鑚(かなさな)神社多宝塔」につきましても、平成20年度実施の修理において、屋根のふき方などに、伝統的な技術が使われました。
このように文化財の修理を適切な時期に行うこと、また修理の記録を作成することにより、文化財の維持だけでなく、伝統的な技術そのものを継承・保存することにもつなげております。
県としては、文化財の修理が行われる際には、高い技能と経験を備えた技術者が活用され、その技術が継承・保存されるよう取り組むとともに、地元市町村や所有者に対しても働き掛けてまいります。
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