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掲載日:2019年6月3日
Q 高橋政雄議員(自民)
7月22日の朝、JR南浦和駅では30代の女性が電車とホームのすき間に落ちて動けなくなってしまった。そこへ居合わせた40名余りの方々が、駅員と一緒に「せーの」と力を合わせて女性を救出しました。私たち日本人ならば、このような場面では恐らく当然のようにそんな行動をしたと思われます。このニュースが世界に伝えられると、大きな、大きな反響を呼んだのであります。知事もホームページで、ブログで書いておられましたが、私もそのような世界からの日本人への高い評価に誇らしい気持ちになりました。その場で女性の救出に当たった皆さん、本当にありがとう。
海外の反響の中で、特に私はタイのニュース専門チャンネルTNNの記事が目に留まりました。「そんな日本人はどんな教育を受けているのだろうかサワディカップ」とありました。よく聞いてくれました。私がお答えしましょう。日本人は優れた家庭教育を受けているんだよ。畠山議員も昨年、今年と家庭教育の充実などについて質問されておりますが、その家庭教育がすばらしいからこそ、もっと充実をと発言されたものと思います。
良き家庭教育とは、親の背中だな。それが全てだね。でも、残念ながら恵まれない家庭環境もあると思う。そんなとき、誰がその道徳などの教育を受け持つのか。親戚、ご近所、学校。そう、学校の果たす役割が大きいかとは思います。
私は子どものとき、お父ちゃんのひどい背中を見て育ちました。今でも思い出します。高次脳機能障害になって暴力を振るうお父ちゃんの頭を後ろから思い切りフライパンでなぐったこと。たびたび畑など外で寝たこと。物置や屋根で寝たこともあるよ。もっともおれ一人じゃなくて、お母ちゃんや兄弟も大変だったと思うよ。道徳がどうだこうだという問題じゃなかったんだ。では、何がおれを支えているのか。それは、お父ちゃんが交通事故に遭う前の優しい姿を見て知っていたからだと思う。そんなおれも、6歳までのすてきな親の背中が今の私をどうにか支えてくれているんだ。三つ子の魂百までだね。道徳、おれに似合わないけれども頑張るよ。
今日は新しく就任された千葉教育委員会委員長に、ぜひにご答弁をいただきたいと考えました。この家庭教育への支援と補完する学校での道徳教育の在り方についてご所見をお伺いします。難しく考えなくてもいいよ。
A 千葉照實 教育委員会委員長
まず、家庭教育への支援についてでございます。
保護者は子どもの教育について、第一義的な責任を有しており、基本的な生活習慣はもとより、他人に対する思いやりや社会的マナーなどの基礎的素養は、家庭で身に付けるものだと思います。
家庭は、子どもが最も多くの時を過ごす場所です。私も「子は親の背中を見て育つ」という言葉には共感を覚えます。保護者が身を持って手本を示し、子供の人間形成の礎を築いていくべきであると考えます。
しかし、核家族化が進み、親が身近な人から子育てを学ぶ機会が減少するなど、家庭教育の環境の変化に伴い、家庭の教育力の低下とともに規範意識の希薄化が指摘されています。
そこで、県におきましては、平成19年度から公民館や学校などを利用し、子育て中の親に、親として育ち、力を付けてもらうための、参加型の「親の学習」を推進しております。
この中では、県の研修を修了した指導者を中心に、子育ての在り方や悩みの解決策、「社会のマナーやルール」「親の役割」などを学習しており、平成24年度には、延べ約63,000人の親が参加をしております。
また、就学前の子供を持つ保護者には、子育ての目安として、子供が小学校入学までに身に付けてほしいことを「3つのめばえ」として示しています。
内容は、「他人に思いやりをもって接する」「よいこと、悪いことがわかる」ようにするといったもので、現在、保育所、幼稚園、小学校と連携をし、普及啓発に取り組んでいるところでございます。
県といたしましては、親が自信を持って望ましい子育てをしていけるよう、家庭教育への支援に一層努めてまいります。
次に、学校での道徳教育の在り方についてでございます。
学校は、子供たちが家庭に次いで、多くの時を過ごす場所であり、大勢の友達や上級生、下級生、教師に囲まれ、集団生活をする中で、さまざまな影響を受けることにもなります。
学校は、家庭での教育をもとに、集団の中での言動の在り方など、お互いが気持ちよく生活するために必要なことを学ぶ場であると同時に、人格の形成がなされていく場でもあると考えます。
したがいまして、学校では、家庭や地域と積極的に連携をし、子供たちに温かい目を配りつつ、基本的な生活習慣やマナーなど社会性や規範意識についてしっかりと教え、身に付けさせていくことが必要でございます。
また、家庭における親の役割が大切であるように、学校では、子供たちと生活を共にする教師の人間性と立派な背中を見せる姿勢がとりわけ重要であると考えています。
県教育委員会といたしましては、子供たちが良識を持ち、自らを律しつつ他者を思いやる大人に成長できるよう、今後とも教師の資質の向上と学校・家庭が一体となった教育の推進に積極的に取り組んでまいります。
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