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掲載日:2019年6月3日
Q 柿沼トミ子議員(自民)
北海道の枝幸町(えさしちょう)にタイ人観光客が大挙して訪れているという興味深い記事を目にしました。北海道の北部に位置し、札幌からも200キロ以上も離れ、周りに有名な観光地もない町立のホテル、うたのぼりグリーンパークホテルになぜ多くのタイ人観光客が訪れているのか、枝幸町のホテルを現地視察してまいりました。正直、わざわざこんなに遠く、たった1泊のためにどうして足を運ぶのか疑問でした。建物も古く、浴室をはじめ設備も立派なものではなく、宿泊料金も1万5千円と決して安くありません。
しかしながら、勤務5年目の菊池支配人にお話を伺って、人気の秘密が分かったような気がいたしました。2010年からタイ人観光客の受け入れを開始し、当初は253人でしたが、毎年確実にその数は増加し、今年は800人を超える宿泊客を見込んでいるとのことでした。支配人のお話では、何もないところからこそ、逆に何でもできるとポジティブに考え、このホテルではできませんとは言わないこととし、付きっきりで精いっぱいのおもてなしをするとのことです。地域住民との交流を希望するお客様も多いとのことで、住民の方々にも参加していただき、生け花、盆踊り、餅つき等の日本文化の体験や日の出の見学、日本酒を堪能しながらの星の観察会など、日本という国をこれでもかというぐらいに体験していただくということです。
ここで重要なことは、タイからのお客様と地元住民の親密な交流が実現しているということです。多くの観光客が浴衣と帯を土産に満足して帰国され、さらなる触れ合いを求め、家族や友人を連れリピーターとして再び訪れていただいているとのことでした。今後は、ほかの国などにも誘致を拡大していく計画と伺いました。観光地でなくても、アイデアとおもてなしの心で外国人観光客を招くことができるというこの枝幸町のホテルの例は、本県にとっても大いに参考になるのではないでしょうか。
おもてなしの心とは、例えば食事では、宗教上の制約にも十分な配慮が求められます。イスラム教徒が安心して食べられるハラール認証の食材を用いた料理を提供するなど、安心して滞在できる環境を整備する必要もあります。外国人観光客の誘致を拡大するための埼玉らしいおもてなしを充実させるため、県ではどのような支援策を考えているのか、産業労働部長に伺います。
A 山中 融 産業労働部長
韓国、台湾、中国などアジアからの観光客を中心に日本を訪れる外国人観光客が、今年7月、1カ月間として過去最高の100万人台を記録するなど急速に増えています。
また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは世界中から多くの観光客が埼玉県に来ることが見込まれます。
こうした機会に埼玉らしいおもてなしを充実させ、県内により多くの外国人観光客においでいただくことは重要であると認識しています。
そのためには、まず第一に県を上げておもてなしの心でお迎えすることです。
心のこもったおもてなしは、再び埼玉に訪れるリピーターや口コミによる新たな観光客の獲得につながります。
そこで県では、本年5月に、ホテル、鉄道、バス、タクシー、経済団体などで構成する埼玉県おもてなし力向上実行委員会を立ち上げました。
実行委員会では、ホスピタリティ精神に富んだおもてなしの実践例などを紹介するホームページを立ち上げること、おもてなしの教本を作成し、観光関連事業者の自主的な研修を促進することに取り組んでいます。
また、今年度新たな取り組みとして埼玉県おもてなし大賞を創設いたしました。
これは、優れたおもてなしを実践する観光事業者や地域団体などを表彰するもので、11月には大賞をはじめ奨励賞などを決定いたします。
2点目はおもてなしの心の醸成に併せ、外国人観光客にとって魅力的な観光コースの設定・PRを進めることです。
例えば、自然が豊富な秩父や蔵づくりの町並の川越などの観光地と和紙すきや藍染、人形づくりなどの伝統工芸の体験スポットを結びつけるなど、魅力的な観光コースを拡大します。
さらに、3点目は外国人観光客の受入環境を整備することも重要です。
県では平成24年度、外国人観光客が安心して移動し観光できるよう県内18市町村、57カ所の観光案内板を多言語版にリニューアルいたしました。
観光案内板の活用実績などを踏まえ、市町村と連携し、さらなる観光案内板の設置を促進してまいります。
また、通訳案内士の方々が県内には900人以上いらっしゃいます。
通訳案内士の方々に県内観光地を熟知していただき、そのスキルを最大限に発揮できるよう新たに研修会を開催いたします。
こうした取り組みを通じ、外国人観光客に埼玉の素晴らしさを感じていただけるよう努めてまいります。
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