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掲載日:2019年6月3日
Q 本木 茂議員(自民)
県では、県民や企業から広く寄付を募り、県内の優れた自然や貴重な歴史的環境を県民共有の財産として取得し保全していく緑のトラスト運動を展開しています。今年は、昭和59年にトラスト運動の県民主体の推進組織である、さいたま緑のトラスト協会が設立されてから30周年の節目になります。保全地は、平成2年と平成3年に取得したさいたま市の見沼田んぼ周辺斜面林を皮切りに、平成24年度末までに平地林を中心に12カ所、約58.6ヘクタールを取得しており、このたび13番目の保全地として、伊奈町の無線山・KDDIの森が決定されたところであります。このトラスト地の大部分の土地はKDDI株式会社の寄付によるもので、その後の保全活動も、ボランティアに加え、KDDI株式会社の協力も得て行われていると聞いております。まさに、官民連携による新たなトラスト運動の展開であります。このように県民や企業と取り組むトラスト運動は、埼玉の緑地を保全していくために大変有意義であると考えています。
ところで、保全地では、主にさいたま緑のトラスト協会のボランティアの皆さんを中心に、月2回程度の草刈りや間伐などの保全活動を行っており、このボランティアの皆さんの協力は欠かせないものとなっています。私も、地元狭山市にあるトラスト9号地の堀兼・上赤坂の森をたびたび訪れますが、武蔵野の面影を残す豊かな自然環境に恵まれ、散策路も整備され、市民の憩いの場として利用されています。また、ボランティアの皆さんによる下草の刈払いなどにより手入れが行き届いており、皆さんの活動に頭が下がる思いであります。
しかしながら、これだけの森を維持管理するためには、草刈機などの機材の購入や散策路の整備、大木の伐採など、ボランティアにお願いできない支出も多いのではないでしょうか。このような中で、トラスト運動の原資であるさいたま緑のトラスト基金の県民からの寄付が一時よりは減少してきております。また、平成24年度の基金残高を見ますと、上尾市にあるトラスト12号地の取得のため約1億7,100万円を支出したこともあり、9億9千万円余りまで減少しており、これからも継続的にトラスト運動を続けていくためには、もう少し残高を増やしていく必要があるのではないでしょうか。
そこで、このトラスト運動を続けていくために、県として今後どのように取り組んでいくのか、環境部長にお伺いをいたします。
A 畠山真一 環境部長
緑のトラスト運動は、多くの県民の皆さまからの寄付と、ボランティアの方々による熱心な保全活動により支えられています。
昭和60年の緑のトラスト基金設置以降、企業や県民の皆さまから、これまで保全地の取得費用、約37億8,400万円の4割に当たる約15億2,200万円にも上る寄付をいただきました。
12カ所に上る保全地を取得してきたこともあり、基金の残高は、議員お話のとおり約9億9千万円となっております。
また寄付金も近年は年間2千万円程度にとどまっています。保全地1カ所当たりの平均取得費が約3億1千万円であることを考えますと、このままでは今後新規に取得できる箇所は数カ所にとどまることが懸念されます。
今後とも緑のトラスト運動を、持続的な県民運動としていくためには、寄付のすそ野を大きく広げ基金を確保することが不可欠になっています。
このため、新たな方式の導入を検討しています。
今は、自分の寄付金がどこの緑地を取得するために使われるのか分かりません。そこで、取得予定地をまず先に決めた上で、この緑を守るために是非寄付をお願いします、という新たな方式を検討しているところです。
取得予定地の地元の方々や企業を中心に寄付のすそ野が大きく広がり、ひいては緑のトラスト運動のさらなる活性化にもつながるのではないかと考えております。
また、今年決定した13号地、伊奈町の「無線山・KDDIの森」のように企業との連携をさらに拡大してまいります。
緑のトラスト運動の大きな特長は、大変熱心なボランティアの方々に支えられているということです。
さいたま緑のトラスト協会の約450名のボランティアの方々が、平均でお一人年間8回も、下草刈りや間伐などの活動に従事していただいております。
これは行政のお膳立てによるものではなく、ボランティアの方々による主体的な取り組みでございます。
県といたしましては、寄付のすそ野を広げることで基金を確保するとともに、ボランティアの方々の自立的な活動を側面から支え、緑のトラスト運動を今後ともしっかり推進してまいります。
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