掲載日:2025年7月1日
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上蒔田椋神社御田植祭は、春の農作業に先駆けて3月第1日曜日に行われる早春の祭事で、秩父地方に春を告げる祭りとも言われている。神社境内を神田に見立て、氏子の代表12名の神部(うち2名が作家老)によって実際の農耕順序に従い、苗代づくりから本田の収穫までを模倣した行事で、神部達は白装束と烏帽子で身を包み、田植唄や祝唄を唱えながら、祖先から伝承してきた古風な所作を面白おかしく演じる。クライマックスの代掻きに御神馬を用いていることは特色といえる。平成21年3月17日に埼玉県無形民俗文化財に指定された。
今年も豊作であってほしいと願う豊穣予祝の行事であり、農作を主体とした山の神と田の神の去来信仰として古くから存在した。御田植祭に迎えられる山の神は、武甲山から来臨すると言われる。山の神が春の初めに里に迎えられ、やがで田の神となり稲作を守護し豊作をもたらし、秋の収穫が終わると再び山に送られる。
田植に関する芸能は、天長10年(833)に田舞が演じられている記録(日本書紀)によっても、当社の御田植祭は相当古いと思われる。
3月第1日曜日
11:00~14:10
上蒔田椋神社境内