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掲載日:2022年8月22日

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メキシコ州花火技術協力プロジェクト(平成30年度)

メキシコ州花火技術協力プロジェクト

 埼玉県では、平成30年度から(一財)自治体国際化協会の自治体国際協力促進事業補助金を活用して、姉妹州・メキシコ州の主要産業である「花火」分野での技術交流を開始しました。

背景

 メキシコ州は花火製造の盛んな地であり、メキシコ国内で製造される花火の60パーセントが同州で製造されています。中でも「カスティージョ(城)」という仕掛け花火が有名です。

 その一方で、これまで花火の製造現場や打ち上げ時の事故が多く、2016年12月には花火市場の爆発事故で100人以上が死傷、2018年にも3件の花火工場の爆発事故が発生するなど、重大事故が後を絶ちません。

 火傷をしても「神の御加護」があるという考えが根強いことや日本のように保安距離の決まりが整備されていないことが原因にあります。

 そのような中、メキシコ州では新たに設けた州立花火研究所を中心に、更なる花火産業の振興を目指し、2018年から安全管理対策づくりの強化を始めました。

 同州から日本花火の製造や安全管理に姉妹州である埼玉県に県の知見を生かしてもらいたいという申出があり、花火技術協力がスタートしました。

事業内容

メキシコ州花火師訪問団の受入れ

 平成30年10月にメキシコ州の花火専門家を受け入れました。世界一の四尺玉で有名な「こうのす花火大会」の視察や花火製造工場での研修を行い、しっかりした安全対策や製造過程を学んでいただきました。

訪問者

メキシコ州花火師2名及びメキシコ州花火研究所職員2名

受入期間

平成30年10月11日(木曜日)~18日(木曜日)

受入の様子

 

01

 こうのす花火大会の前日には、こうのす花火大会の名物「四尺玉」を打ち上げるための筒を設置する瞬間に立ち会うなど大会の準備状況を視察しました。

 大会主催者に会場図面を見せてもらいながら、観覧席と花火打上場所との安全距離をきちんと保ち、観客60万人の安全を第一に考えた会場設営を心掛けることなどの説明を受けました。メキシコでは、花火はより近くで観るもの。メキシコ花火師からは、こんなに安全距離をとって観客は花火を楽しめるのかという質問が出ました。

 花火大会が始まると、日本式のあぐら座りで次から次へと打ち上がる花火を鑑賞しました。最後の「四尺玉」が開いた時は、巨大な玉を空中に打ち打ち上げることができる日本花火の技術に大変驚いていました。

 

02

 花火製造所・本家神田煙火工業(秩父郡東秩父村)を訪問し、実習形式で日本花火の製造技術と安全管理手法を学びました。

 日本人の花火師が花火を製造するやり方を真似て、メキシコ花火師も畳の上で挑戦しました。

 日本とメキシコとでは、使用する火薬原料の種類や火薬の保管ルールが異なります。特にメキシコでは、火薬原料を保管する場所と完成した花火を保管する場所の距離について厳密な決まりはなく、数メートルしか離れていないことが多いようです。

 花火製造所の構造を説明する神田代表取締役からは「安全第一」という言葉が何度も繰り返されていました。

 

(参考)県政ニュース「メキシコ州花火専門家を初めて受け入れ 日本の先進的な花火製造技術や安全管理を学びます(平成31年10月10日発表)」

 

メキシコ州への県内花火師の派遣

 平成30年1月に県から花火専門家を同州に派遣しました。現地花火製造所の訪問やワークショップを通じて日本花火の製造方法や安全管理について現地の花火関係者に指導を行いました。

派遣者

県内花火専門家3名(本家神田煙火工業(株)神田代表取締役、鴻巣市商工会青年部2名)及び埼玉県国際課職員2名

派遣期間

平成31年1月27日(日曜日)~2月2日(土曜日)

派遣の様子

04

 同州の中でも特に花火製造現場が集まっているトルテペック市の花火工場を視察し、安全確保対策についての指導を行いました。

 メキシコでは、製造現場の床は土で、その土を定期的に交換することが義務付けられています。一方、日本では、土の中に埃や火薬が混ざり、摩擦により点火して爆発事故になる危険を避けるため、床はコンクリートが主流になっています。

 本家神田煙火工業(株)神田代表取締役からは、床の土を定期的に清掃することももちろん重要だが、清掃する時も丁寧を心掛け、慎重に行うことが事故の発生リスクを下げることに繋がるというアドバイスを行いました。

 

03

 トルテペック市長や現地花火関係者など総勢150人に向けて、神田代表取締役より「日本花火の製造方法・安全管理について」をテーマとしたプレゼンテーションを実施しました。

 神田代表取締役は、日本花火の特徴を「まんまるく、大きく」と説明しました。また日本では、花火と花火師や観客との間に十分な安全距離を保つため、遠隔操作での点火が推奨されており、安全対策が徹底されていることも強調しました。

 

 

 

(参考)県政ニュース「花火産業が盛んなメキシコ州へ 県内花火専門家を派遣  日本花火の安全管理やプロモーション手法を現地で伝えます(平成31年1月25日発表)」

 

 

 


 

お問い合わせ

県民生活部 国際課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第三庁舎2階

ファックス:048-830-4748

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