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掲載日:2025年9月19日

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研究課題評価の公開(令和7年度)

研究課題評価の公開

  限られた研究資源で、効率的かつ効果的な研究開発を実施するために、研究課題の評価(以下「課題評価」という)を実施しています。課題評価において適切な助言を得ることで、研究員の創造性が十分に発揮できるように活用するものです。

  ここでは、課題評価の透明性を高めるとともに、試験研究について、広く県民の皆さまに知っていただくために、ホームページで公開いたします。

研究等評価委員会の設置

  「埼玉県農林水産試験研究機関研究課題評価実施要領(平成27年4月1日最終改正)」に基づき、厳正かつ公平性、客観性を確保するため課題評価を行う組織として、外部の有識者等で構成する研究等評価委員会(以下「評価委員会」という)を設置しています。

  令和7年度の評価委員会構成員は、次の9名です。

専門分野

氏名

現職等(令和7年7月現在)

作物全般

平澤 正

東京農工大学 名誉教授

園芸

岡田 邦彦

元 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境研究部門 所長

畜産

前田 友香

日本獣医生命科学大学 応用生命科学部 動物科学科 助教 

病害虫 高橋 賢司 元 一般社団法人 日本植物防疫協会 技術顧問
食品 青柳 康夫  女子栄養大学 名誉教授

土壌肥料

田中 福代

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 高度分析センター

農業政策

・普及

山永 高男

元 埼玉県農林部副部長

現 全国農業協同組合連合会 埼玉県本部 管理部 企画管理課 技術参与

経営 佐藤 真紀 中小企業診断士
流通・販売 西村 依子 コープデリ生活協同組合連合会 宅配第一商品部 生鮮グループ バイヤー

※ 敬称略

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課題評価の種類と公開

  評価委員会で行う課題評価には、下記の3つがあり、このホームページで公開するのは、令和6年度に終了した研究課題を対象にした「事後評価」です。 

事前評価

新たに実施する研究課題について、県民ニーズなど農林水産行政からみた緊急性や重要性、本県農林水産業への貢献の可能性、技術的な達成の可能性等、多様な観点から、課題化の妥当性を評価します。

事後評価

研究終了後、当該研究の成否について総括するとともに、新たな研究計画の策定等に活かすため、研究目標の達成の度合い、 研究成果の波及効果、県民生活や本県農林水産業への貢献度など研究内容の全般について、 総合的な観点から評価します。

追跡評価

事後評価だけではその成果が確定できないと判断された研究課題については、研究終了後一定期間経過後に、追跡評価を実施します。

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令和6年度に終了した課題の評価

  令和7年7月に埼玉県農業技術研究センターにおいて評価委員会を開催しました。評価は、完了課題の研究進行管理表及びプレゼンテーションをもとに、評価委員9名から評価をいただきました。

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令和6年度に終了した課題の評価

評価基準(事後評価)

  評価基準は「総合評価」です。

総合評価
  • S:目標が達成されており、成果が大いに活用(具体的に計画)され、本県の農林水産業等の発展や研究における優位性に貢献する。
  • A:目標が達成されており、成果の活用(具体的に計画)されている。
  • B:目標がおおむね達成され、今後、成果の活用が期待できる。
  • C:目標の達成度が不十分である。あるいは、今後、成果の活用があまり期待できない。

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評価対象課題と評価結果

研究課題1:アライグマ雌成獣の行動解明による効果的な捕獲技術の開発

  • 研究担当:鳥獣害防除担当
  • 研究期間:令和2年度~令和6年度
  • 研究概要:アライグマ雌成獣の行動を解明し、効率的な捕獲を実施するためGPSによる位置情報把握技術を用いて調査を実施した。GPS測位ログデータからアライグマの滞在地点及び移動経路、活動地点の環境を把握。これにより、アライグマを効率的に捕獲するための捕獲地点の評価基準、捕獲地点選定の参考となる出没地点事例集を作成した。捕獲地点評価基準に基づく採点結果で高得点の場所では、捕獲頭数が多かった。
  • 研究評価:総合評価A

研究課題2:イチゴ県オリジナル品種の開発(育種課題) 品種判別技術の開発

  • 研究担当:遺伝子情報活用担当
  • 研究期間:令和4年度~令和6年度
  • 研究概要:イチゴの種苗の流出や不正利用に対する抑止効果や事案発生時の調査手段として、DNAマーカーを用いて県内・国内主要品種の判別を可能にする技術を開発した。

「彩6号(べにたま)」のレトロトランスポゾン挿入多型(RBIP)マーカー及び切断増幅多型配列(CAPS)マーカーにおけるDNA多型を明らかにしたことで、「彩6号」と主要なイチゴ品種の判別が可能となった。また、主要品種を含む40品種の完全識別に必要な最小DNAマーカーの組合せを調べることで、省力的に判別可能なDNAマーカーの組合せを決定した。

  • 研究評価:総合評価S

研究課題3:彩の国資源循環工場等で製造される汚泥肥料の安全施用技術

  • 研究担当:環境安全担当
  • 研究期間:令和4年度~令和6年度
  • 研究概要:彩の国資源循環工場等で製造される下水汚泥を原料とした汚泥肥料について、含有する窒素、リン酸について、肥料としての特性を30℃8週間の保温静置培養法により予測可能なことを実証した。

また、銅や亜鉛について、施用量に対する土壌中への蓄積及び植物体への吸収について確認した。

これらの結果を基に汚泥肥料の使用指針(暫定版)を策定した。

  • 研究評価:総合評価A

研究課題4:豚熱感染リスクを回避する新たな豚繁殖管理システムの開発

  • 研究担当:養豚・養鶏担当
  • 研究期間:令和4年度~令和6年度
  • 研究概要:娩出直後の子豚が初乳(分娩直後の母乳、母豚由来の抗体を豊富に含む)を飲めないと、母豚からもらえるはずの抗体を持てず、豚熱感染のリスク要因となってしまう。そこで、本研究ではすべての子豚に確実に初乳を飲ませることができるよう、デジタルデータやIoT技術を活用した分娩予測システムを検討した。

外陰部の大きさ、母豚の行動量、環境データから分娩を予測できることが示唆された。

また、母豚の行動量についてはオフラインでCSVファイルでのデータ取得が可能となった。

  • 研究評価:総合評価A

研究課題5:咲いた米・みらいプロジェクト推進事業等 異常気象に対応できる水稲の品種育成及び生産技術の開発

暑さに強い有望品種「えみほころ」の高品質安定生産技術の確立

  • 研究担当:水田高度利用担当
  • 研究期間:令和3年度~令和6年度
  • 研究概要:高温耐性を有する水稲新品種「えみほころ」について、高品質・安定生産技術の確立を目的とした研究を行った。

施肥量は、早植では10a当たり窒素成分で基肥5~7kg、穂肥2~3kg、総窒素量8~9kg、普通期は基肥5kg、穂肥2~3kg、総窒素量7~8kg、穂肥施用時期は早植では出穂20~15日前、普通期は出穂15日前が適すると考えられた。

あわせて、「彩のかがやき」と比較した生育特性を把握するとともに、適正栽植密度及び収穫適期を決定し、栽培暦(暫定版)を作成した。

  • 研究評価:総合評価A

研究課題6:果樹産地再生支援事業 埼玉果樹における新たな省力化技術の実証

  • 研究担当:果樹担当
  • 研究期間:令和2年度~令和6年度
  • 研究概要:埼玉果樹における新たな省力化技術の実証のため、無人自動草刈機や静電風圧式受粉機、透過型光センサ搭載連続選果機等の新型機械導入効果、及び新型樹形である、ニホンナシV字トレリス樹形における生長特性と果実品質特性、自家和合性品種導入が作業時間に及ぼす影響を明らかにした。

あわせて、新型機械と新技術の組合せ評価を実施し、慣行手法とのコスト比較と収益性評価を実施した。

  • 研究評価:総合評価A
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お問い合わせ

農林部 農業技術研究センター 企画担当

郵便番号360-0102 埼玉県熊谷市須賀広784

ファックス:048-536-0315

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