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掲載日:2023年6月28日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(渡辺大議員)

流域下水道における災害耐性について

Q  渡辺大  議員(自民)

全国一の規模を誇る埼玉県の流域下水道ですが、県内自治体の公共下水道の前提として極めて重要な基幹インフラで、この流域下水道の災害耐性、災害に耐え得る力は、日常生活の維持に重要であることは言うまでもありません。下水道の排除が滞れば、市中に汚水があふれます。市民は生活排水を流せなくなり、とりわけ年配者は排せつがしづらいことをおそれ、水分摂取を控えることで脱水や熱中症などが増加するリスクがあります。脱水は脳梗塞、心筋梗塞など循環器系障害のリスクも増加させ、またコレラなどの水系感染症のまん延のリスクも増加し、災害発生時に対応に追われる医療機関への負荷を更に増加させることにもなります。さらに、水源となっている河川の汚染が生じ、上水道への影響も生じます。
このように24時間、365日、下水道の機能が維持されることは、健康的な日常生活を送るためには必須のものです。首都直下型の東京湾北部地震の発生が今後30年以内に70%の確率で予想されるほか、従来の想定を超える集中豪雨なども近年多発しています。県民生活に欠かせない重要な社会資本である下水道施設は、大規模地震等の災害に対し代替手段がないため、被害を最小限にとどめるとともに、被災した場合は1日も早く復旧する必要があります。
直近では平成29年10月に、大阪府堺市で発生した下水管破裂事故は記憶に新しいところです。下水溢水により集水区域約515ヘクタール、約2万8,000軒もの世帯に対し、6日間にわたり下水道の使用自粛要請を行うほどの重大な事故となりました。排水処理が困難となった地域では、道路冠水や床下浸水が発生するなど非常に危険な状態となっています。
埼玉県の流域下水道は、下水道管路の総延長は467.7キロ、マンホールでいいますと2,339カ所、ポンプ場が22カ所、処理場が9カ所と、膨大な数の関係施設があります。そして、これがネットワーク化されており、一部で機能が停止すれば相互に影響する環境にあります。
そこで、施設の耐震化を含めた予防措置、1日も早い機能回復に向けた取組等、流域下水道の災害耐性について、下水道事業管理者に伺います。

A  今成貞昭  下水道事業管理者

「流域下水道における災害耐性について」お答えを申し上げます。
まず、「施設の耐震化を含めた予防措置について」でございます。
県内47市町、549万人の汚水を処理する流域下水道は、県民生活を支える基幹インフラとして極めて重要であり、その耐震化や老朽化対策は喫緊の課題でございます。
県では、平成21年度以降、「管渠」「中継ポンプ場」「処理場」の各施設の耐震化に計画的に取り組んでおります。
まず、「管渠」でございますが、1,650ミリメートルを超える大口径の管渠は過去の大規模地震での被災事例が極めて少ないことから、中小口径の管渠の耐震化を優先的に進めております。
具体的には、耐震性能の不足する中小口径の管渠約73キロメートルのうち、緊急輸送道路の下に布設されている約20キロメートルの管渠の耐震化を、令和5年度までに完了する予定でございます。
中継ポンプ場については、全22カ所のうち耐震性能の不足する12カ所の耐震化に順次取り組んでおります。
処理場につきましては、処理機能の確保を図るため、流入から放流までの最低1系列の施設の耐震化を、鋭意、進めております。
次に、「1日も早い機能回復に向けた取組について」でございます。
議員お話しの堺市の事例のように、老朽化や腐食により管渠や処理場の機能が損なわれた場合には、その機能を速やかに回復しなければなりません。
そのため、ハード対策としては、破損した管渠や中継ポンプ場の機能回復のためのバックアップ用のバイパス管の整備を進めております。
また、近年の台風による災害を教訓に、処理場や中継ポンプ場の自家発電設備の運転可能時間を、24時間から順次48時間にしてまいります。
ハード対策に加え、ソフト面では、維持管理を担う埼玉県下水道公社や民間事業者と連携し、被災した送水機能や汚水処理機能を迅速に回復する体制も構築しております。
また、日本下水道管路管理業協会や埼玉県建設業協会と、災害時の復旧支援に関する協定を締結し、万全を期しております。
さらに、毎年、BCP図上訓練や災害対策実働訓練を行うことにより、その実効性を高めています。
今後とも、24時間365日絶え間のない流域下水道サービスを提供するため、施設の耐震化も含めた予防措置や機能回復への万全な備えに、鋭意、取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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