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掲載日:2022年10月19日

令和4年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

 行き場のない少女たちを、性的搾取から守れ - 若年被害女性等支援事業の導入を - 

Q   前原かづえ 議員(共産党)

新宿や渋谷などには虐待や家庭不和など様々な事情で家に帰れず、一晩中さまよう少女たちがいます。彼女たちに最初に声を掛けるのは、少女たちを性的に搾取しようとたくらむ人たちです。
東京都の若年被害女性支援事業を受託する一般社団法人Colaboは、少女たちのために大型バスでのカフェを開き、食料や飲み物、生理用品などを提供し、今夜泊まる場所の相談に乗ります。代表の仁藤夢乃さんは、自身が家族と折り合いが悪く、1年のほとんどを歌舞伎町で過ごしていたという経験の持ち主です。彼女は歌舞伎町を歩き、あちこちに立っている少女に声を掛け、バスカフェの案内を渡していきます。つながった少女を児童相談所などの公的機関に同行し、緊急のシェルター、中長期用のアパート、長期用のシェアハウスを提供しています。Colaboは多数の方の寄附と公的助成金で運営されています。
埼玉にも行き場のない少女がいます。県民生活部長にお伺いしますが、少女たちを守るために本県において若年被害女性等支援事業を開始すべき考えますが、いかがでしょうか。
Colaboの悩みは、保護した後の少女の受皿です。Colaboの努力でシェルターやアパートを確保しているものの、やはり公的保護所の受入れ、拡充が求められています。
ハイティーンの少女を受け入れるためには、人権的配慮の問題があります。当県議団は以前、一時保護所の全裸での検査を取り上げました。今も入浴の際やカミソリを使ってのむだ毛処理にも監視がつき、刑務所よりひどいと感じた少女もいるそうです。
少女たちの人権に配慮し、一人の人間として扱うべきですが、福祉部長の答弁を求めます。
また、Colaboはこの間、東京の女性相談センターの一時保護所やシェルターに受入れをお願いしており、埼玉県でも是非受入れをしてほしいとのことです。しかし、スマホの利用禁止や学校への登校は不可など、一時保護所の規制が厳し過ぎます。これらはDV被害女性を守るために必要な規則であることは理解できますが、是非、埼玉県の婦人相談センターが若い女性たちに開かれた施設となってほしいと考えます。
県民生活部長に伺いますが、婦人相談センターの一時保護所を複数設置することについて、スマホの位置情報はオフにするなど守るべきルールを決め規制を可能な限り緩和すること、4か所ある婦人相談センター連携の民間シェルターを大幅に増設することなどを進めて少女たちの受入れを広げていただきたいのですが、いかがでしょうか。

A 真砂和敏 県民生活部長

本県においても若年被害女性等支援事業を開始すべきについてでございます。
この事業は、国の補助事業となっております。
都道府県や市などが民間団体と連携し、困難を抱える若年女性を対象に、夜間の見回りや声かけ等のアウトリーチ支援をはじめ、公的機関への同行支援や就労支援といった自立支援などを行うものです。
本県では、困難を抱える若年女性に対し、DV被害者支援の一環として公的機関への同行支援や就労支援などを民間団体に担っていただいております。
若年女性は、悩みを抱え込みやすく、公的な支援につながりにくいため、きめ細やかな支援を行う民間団体の果たす役割は大きいと考えます。
しかしながら、本県においては、東京都のようにアウトリーチ支援を担える民間団体はございません。
今後は、他県の事例や国の動向などを踏まえ、アウトリーチ支援を担える民間団体の育成のあり方について検討してまいります。
次に、婦人相談センター一時保護所の複数設置についてでございます。
一時保護所は、入所者の心のケアや生活支援をはじめ、市町村、福祉事務所などの関係機関と連携し自立支援を担っています。
緊急時においては、警察と連携し24時間365日受け入れを実施しております。
そのため、一時保護所の複数設置は、新たな施設が必要なことに加え、人員体制の構築も大きな課題であると認識しております。
他方、いわゆる困難女性支援法が成立し、女性の福祉増進の観点から様々な入所者に寄り添った支援が求められております。
今後は、こうした点を踏まえまして、婦人相談センターにおける若年女性支援に向けた運営のあり方を検討してまいります。
次に、スマートフォン使用の規制を緩和することについてでございます。
婦人相談センターの入所者には、DVやストーカー被害者など加害者からの激しい追及がある方がおられます。
仮に位置情報をオフにしたとしても、スマートフォンの利用に当たっては、居場所の特定が可能となる各種サービスもあります。
また、本人の意向に関わらず、写真をSNSに投稿することなどにより、所在地が判明してしまう危険性もございます。
こうした理由により、スマートフォン使用の規制を緩和することは難しい状況にあると考えております。
他方、スマートフォンは、若年女性にとって重要なコミュニケーションツールであり、非常に重要なものと認識しております。
そこで、機能を制限した通信機器の貸し出しなど、スマートフォン使用のあり方について改めて検討してまいります。
次に、4か所ある民間シェルターを大幅に増設してはどうかについてでございます。
DV被害者をはじめ、困難を抱える女性が避難する場として、県内には4つの民間シェルターがございます。
これらの民間シェルターにおいては、財政面やスタッフの高齢化による人材不足といった課題を抱えております。
そこで、県では、財政面において、民間シェルター施設の借上費用や公的機関への同行支援など被害者の自立支援に対し、助成をしております。
人材面では、人材の掘り起こしを行うため「DV被害者自立支援サポーター養成講座」を昨年度から実施をしております。
今後も、民間団体の方から支援ニーズを伺いながら、まずは4つの民間シェルターの運営の安定を図り、活動の充実に向け支援してまいります。

A 金子直史 福祉部長

少女たちの人権に配慮し、一人の人間として扱うべきについてお答えを申し上げます。
一時保護所は、児童の安全確保を図るとともに、児童の状況や養育環境等を把握することを目的としており、虐待を受けた児童をはじめ、様々な背景を持つ児童が入所しております。
そこで、保護所入所当初には、児童の入浴時に全身の傷やあざの状況を確認するとともに、基本的な生活習慣が身についているかを確認し、その後の生活指導や支援に繋げております。
また、剃毛については、児童の安全を確保するための刃物の安全な使い方を指導しているものです。
国の一時保護ガイドラインでは、児童の援助方針を定めるため、職員は、様々な生活場面の中で児童と関わりながら定期的に行動観察を行うこととなっております。
行動観察の実施に当たっては、児童に必要性を説明し同意を得た上で、例えば、浴室に入室する際には声をかける、その場合必要に応じて距離を取るなどの工夫をしながら、必要最小限の範囲で行っております。
県といたしましては、児童の人権を尊重した上で、安全に配慮するなど、一時保護所の適切な運営に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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