埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:238639

掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中屋敷慎一議員)

埼玉県5か年計画について-生活保護世帯の中学3年生の学習支援事業利用率について-

Q   中屋敷慎一 議員(自民)

この指標は、生活保護世帯の子供たちが高校に進学して卒業し、安定した仕事に就くことにより、いわゆる貧困の連鎖から抜け出し、社会生活を送れるようになることが重要との考えから加えられました。令和2年度の県全体の利用率43.7%を令和8年度には中学校3年生の通塾率約60%と同じレベルまで引き上げようというものですが、令和3年度37.8%、令和4年度36.3%と右肩下がりの状況です。この支援事業もコロナ禍の影響をダイレクトに受けたものと思いますが、結果として目標値60%は遠くなってしまいました。
令和4年度の実績を拝見すると、市部実績が34.2%と過去最低の数値ですが、県が直営で担う町村部では62.2%と、過去2番目の良い数値を示しています。こうした状況から、市部実績の向上なしには目標達成はあり得ないと考えます。福祉部長は、なぜ市部実績が向上しないとお考えでしょうか。
また、この事業は生活保護世帯を対象とするセンシティブな部分もありますが、だからこそ丁寧に県と市町村の担当者同士の連携を深め、県が町村部実績をどう作り上げてきたかの情報共有を行うことや、子供たちの家庭環境、学習状況を把握している学校や教育局、市町村教育委員会などとの連携も深化させた上で、対象となる子供たちへのアプローチを行わなければならないと考えますが、福祉部長のお考えをお聞かせください。

A 金子直史 福祉部長

まず、なぜ市部の実績が向上しないと考えるかについてでございます。
県では、貧困の連鎖を断ち切るため、全国に先駆けて、生活保護世帯の子供たちを対象に学習支援事業に取り組んでまいりました。
生活に困窮する世帯では、障害や病気のケアなどの複合的な問題を抱えて将来への見通しが立たず、子供の教育にまで目が行き届かない保護者や学習意欲を失っている子供もいることから、事業になかなか参加していただけない状況もございます。
そこで、県では学習支援員が生活保護世帯の自宅を訪問し、保護者や子供に学ぶことの大切さを理解してもらい、自らの意志で学習教室に参加できるように丁寧に支援をしております。
こうしたノウハウを、市に対しましては、これまでも説明会や監査などあらゆる機会を通じて提供してまいりましたが、人事異動やコロナ禍などによって、しっかりと継承されていない市も見受けられます。
こうした点が、市部の利用率が上がらない要因ではないかと考えております。
次に、「県と市町村の連携を深め、学校、教育委員会などとの連携も深化させた上で、子供や保護者にアプローチを」についてでございます。
学習教室の利用率を向上させるためには、子供たちが教室に来ることを待つのではなく、支援する側から参加を働きかける必要がございます。
また、教室の参加者の中には、学習習慣のない子供たちや学習の到達度が著しく低い子供たちも少なからずおり、一人ひとりの状況に応じた支援が求められます。
さらに、子供たちが学習に専念できるよう、時には家庭が抱える生活上の課題にも目を向け解決への道筋をつける必要もあります。
このような県が蓄積してきたノウハウを新たなマニュアルとして提供するほか、市の担当者などを対象に事例検討なども盛り込んだ実践的な研修を実施してまいります。
また、議員お話しのとおり、子供たちに対しては、教育機関や市町村の子育て支援担当課などと学習の状況や家庭の状況を共有し、連携して支援していく必要があります。
県といたしましては、生活保護担当課に加えて、教育委員会や子育て支援担当課など関係機関への理解も深めることで、密接に連携して保護者や子供にアプローチできるよう、市に対して働きかけてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?