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掲載日:2023年10月20日

令和5年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)

吃音症等を改善するためのVR(仮想現実)の活用について

Q 水村篤弘 議員(民主フォーラム)

吃音は、話すときに最初の一音に詰まってしまうなど、言葉が滑らかに出てこない発話障害の一つです。国や言語によらず成人の100人に1人ほどいるとされ、日本には約120万人いるといわれています。正しい理解がいまだに広がっておらず、当事者はしゃべり方がおかしいという偏見をぶつけられることも珍しくありません。
吃音が始まるのは2歳から5歳の幼児期の場合が多く、そのうち7割から8割は自然に収まりますが、症状が固定化し、大人になっても残る場合があります。吃音症を改善するには、専門医から発声法の指導を受けるか、カウンセリング教室に通って自分でトレーニングをするしかないといわれています。
しかし、成人の吃音治療に対応する病院は全国に10か所程度しかなく、吃音患者のうち0.1パーセントしか通院していないといわれています。また、吃音の改善には、吃音が出る場面を想定して繰り返し発声する認知行動療法が有効ですが、人に笑われるのではないかという失敗への恐怖心が練習の妨げになっています。
先日、吃音所沢会の方と意見交換を行いました。会では、仲間づくりや配慮のある環境づくり、体験談の募集や公開などに取り組まれているとのことです。
そこで、吃音症を改善するトレーニングVRについてお話を伺いました。このVRでは、面接やプレゼン、自己紹介、電話対応などが人の目を気にせず繰り返し体験できます。吃音がある人たちに使ってもらうと、スムーズに話せるようになったなどと好評であり、吃音の専門医も苦手な場面を練習できる日常生活に臨む前段階で有効だと評価しています。
私も実際にプレゼンのVRを拝見しました。VRの持つ没入感により最初は緊張しましたが、回数を重ねることで慣れてスムーズに話せるようになる方も大勢いるのだろうと感じました。最近は、病気によるまひのために歩けなかった方が、VRを使った仮想空間リハビリにより歩けるようになったとの事例が報告されるなど、医療分野での活用も広がっています。
以上を踏まえて質問は、一点目、こうしたVRの医療やリハビリ分野での幅広い活用事例について県でも調査を行い、活用に取り組んでいくべきだと考えますが、御見解をお伺いいたします。
二点目、吃音症を改善するためのVRについて、吃音症や対人関係に不安のある方が利用しやすくするために、県として広報に取り組んだり、体験会を開催したりするなど普及に取り組むことができないか、御見解をお伺いいたします。

A 表久仁和 保健医療部長

議員お話しのVRについては、リハビリテーションの分野や、医療人材育成の面などで活用している例が見られるところでございます。
例えば、リハビリでは、脳卒中などの患者がVRゴーグルを装着し、VR空間上に出現する標的に触れるように腕を伸ばすなど、ゲームのように楽しくリハビリができると伺っております。
VR機器を活用することにより、通常は熟練した医療従事者が行っているリハビリ訓練を、容易かつ標準的に行うことが可能になるとも言われています。
また、医療従事者の教育面でも活用されております。
例えば、VR研修資材を活用することにより、十分な臨床機会を持てない医師が、患者との距離感や表情など臨場感ある仮想体験をすることで、患者のニーズを的確に読み取る力などを養うことができます。
VRも含め、ICT技術は日々進歩しており、技術動向や活用事例について注視し、情報収集を図ってまいります。
次に、吃音症を改善するためのVRの広報、普及についてでございます。
吃音は話し言葉が滑らかに出ない発話障害の一つとされており、周囲から指摘されたり、からかわれたりすることで、悪化してしまうことも多いと言われております。
吃音があっても、環境を整えたり関わり方を工夫することで、話しやすくなったり、症状の悪化を和らげたりすることができるため、近年は、言語症状の治療だけでなく、心理面や社会面、感情・認知面についても考慮した治療を行うことが主流となっています。
議員お話しの吃音症を改善するトレーニングVRについては、吃音症治療の新たなトレーニング方法でございますので、まずは、吃音所沢会にお話しを伺うなど、福祉部とも連携しながら、研究してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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