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掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木功介議員)

自治体間支援のための共済制度の設立

Q 高木功介 議員(自民)

災害対策基本法第92条には、地方公共団体の長などの応援を受けた地方公共団体の長などの所属する地方公共団体は、当該応援に要した費用を負担しなければならないとあります。つまり、災害時の支援に要した費用は、支援の要請を行った側の負担にあるとされております。このため、災害時、財政規模が小さい自治体によっては、支援要請をした後に費用の負担があると、支援要請をちゅうちょしてしまうことが考えられます。
また、県のような巨大組織になると、知事が全てを監督するわけにいかず、行政事務は担当職員が行うことになります。その際に、後々の費用負担を考えると、支援要請を控えるケースが十分に起こり得ると考えられます。
一方、支援自治体においても、救済費用の予算計上をしていないため、予備費の充当あるいは補正予算の計上といった対応を取らなくてはなりません。また、求償する場合でも被災地の状況を鑑みれば、直ちに求償はできません。そのため、支援する側においても、どの程度まで支援すべきか、財政負担を伴うことを考えつつ、支援を進めることになります。つまり、支援を控えるという状況も考えられるのです。
非常時に他の自治体からの応援や支援は大きいほどありがたいものです。そこで、支援を気にしないで受けられるように、また支援できるように、自治体間で平時に積立てを行い、非常時の派遣費用を積立金の中から支出する共済制度を設けることは有効であると考えております。自治体間で相互援助協定を結び、無償で支援をする体制を試みている自治体があるのは承知いたしておりますが、大きな自治体は常に支援する側になりやすく、この協定も偏りが出てしまいます。
中越地震において、当時の森民夫長岡市長も教訓として、この自治体間協力の共済制度の設立を推しておりましたが、実現はしませんでした。埼玉県が他県に先駆けて、こうした制度を導入し、他県にも広めることができたならば、我が国の自治体間の相互援助は円滑に進むと考えますが、知事の答弁を求めます。

A 大野元裕 知事

災害時に、市町村長が費用負担を心配して、他の市町村への応援を躊躇することは絶対にあってはならないことであります。
県では、毎年、県内市町村長を対象にトップフォーラムを開催し、防災・危機管理における首長としての意識の醸成を図っており、災害時に支援要請を躊躇する市町村は、本県においてはないものと考えます。
災害時において、災害救助法や本県独自の人的相互応援制度などを活用することで、被災市町村は財政的な負担をすることなく、応援を受けることが可能であります。
大規模災害では災害救助法を適用し、避難所設置など法で定める事務に応援職員が従事した場合、救助に要した費用は、市町村に代わって国と県とが負担をすることになっています。
そのため、県では、災害救助基金を設置をし、毎年度必要額を積み立て、災害救助法に基づく県負担分を迅速に拠出できるよう備えております。
また、本県独自の「埼玉県・市町村人的相互応援制度」は、県職員と被害が少なかった市町村の職員で合同チームを編成し、被災市町村に人的支援を行うものです。
その際応援にかかった人件費は県と応援する側の市町村が負担するため、被災市町村が負担することはございません。
なお、県として被災市町村に対する応援に関し、他の自治体との調整を行う場合にも、被害状況に応じ適切に行うために、費用負担を理由に躊躇することはありません。このような制度を活用することで、市町村の費用負担の多くは軽減できるものと考えますが、昨今の激甚化・頻発化する災害に対応できるよう、法律を所掌する国に対し、災害救助法の対象とする業務の拡充について要望を行うなど不断の見直しに取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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