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掲載日:2023年5月8日

平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(江原久美子議員)

アウトリーチ事業の現在の取組状況と今後の展開について

Q   江原久美子   議員(立憲・国民・無所属

精神障がいの特徴は、ほかの障がいとは異なり幼少期には現れず、年齢も15歳以上、大人になってから発症するケースがほとんどです。そのため家族も本人も精神障がいに対する認識が薄く、また家族に認識があっても本人を医療機関に受診させることに苦労しているという話も多く聞きます。そういったことが重なり、状態が重篤化していくのではないかと考えます。国の推計値を見ても増加傾向が続いている状況の中で、軽度のうちに適切な治療や専門家による指導などによって、社会復帰可能な人はしっかり社会に復帰させていくという道筋を作ることが県の役割ではないかと思っています。
さて県では、今年度からモデル事業として鴻巣保健所管内でアウトリーチ事業を始めていると聞いています。この事業は、長期入院から退院に当たり、手厚い支援が必要な人や精神障がいが疑われるが精神科受診歴がなく、訪問支援が必要な人などを対象に多職種による訪問支援を実施し、地域生活を支えるというものですが、精神障がいに対する課題解決のためには有効であると思います。この事業を地域の実情に応じながら県内各地に広く展開していく必要があると考えますが、現在の取組状況と今後の展開について福祉部長に伺います。

A   知久清志   福祉部長

地域に暮らす精神障害者の中には、継続的に精神科へ通院できていない方や、引きこもり状態となってしまった方などもいらっしゃいます。
そうした方々への支援として、議員お話しの訪問支援、いわゆるアウトリーチ支援は有効な手段と考えます。
アウトリーチ支援に当たりましては、専門性の高い精神科医療機関や障害福祉サービス事業所などとの連携が必要であり、県による広域的な支援体制が求められています。
そこで、県では、今年度から鴻巣保健所管内をモデル地域として、精神科医療機関に委託しアウトリーチ事業を開始いたしました。
市町村の保健センターや御家族の方などの依頼により、医師や精神保健福祉士など多職種による専門チームが在宅の精神障害者を訪問し相談を重ね、医療機関の受診や福祉サービスへつなげております。
平成30年4月から8月までで37件の依頼がありました。
この中には、夜間の徘徊で近隣トラブルを起こしていた方に対し、毎週訪問して支援した結果、医療機関への受診につながった事例などがあります。
県といたしましては、今後、モデル事業の効果や課題を検証しながら広くアウトリーチ支援の普及を図り、県内どの地域でも精神障害者が安心して自分らしい生活を送れるよう支援体制の充実に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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