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掲載日:2022年11月29日
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【木工工芸科 加藤 洋平さん】、【木工工芸科 照井 悠斗さん】
起業しました。もの作りの初めから終わりまで、すべて関われるというのが理由です。お客様との打ち合わせから、デザイン、設計、製作、納品まで一貫して行えるという働き方をしたいと思っていました。なかなか全ての過程に関われる仕事は少ないですが、木製家具の製造はこういった働き方と相性がいいと感じています。様々な知識や経験が必要になってくるので、まだまだいろいろと試行錯誤していますが、自分に合った働き方ができていて良かったと思います。
大学卒業後、食品メーカーにて開発の仕事をしていました。自分にあった働き方について悩むようになり、転職を考えました。そんなとき職業訓練校の存在を知り、木工工芸科に入校することを決意しました。1年間木工について学び、修了後は、特注家具を作る工房にて働きました。接客から、家具の製造、納品など、一連の仕事に関わることができました。工房に勤めながら、自分の出身地の伝統産業である春日部桐タンスの技術後継者育成講座にて学びました。その後退職し、現在の工房を開業しました。
依頼された家具を製造し、お客様に喜んで頂けたときに一番のやりがいを感じます。主に特注品の製造を行っているので、お客様のイメージ通りのものができるかどうか、納品の時まで、緊張します。お客様のイメージをくみ取って、それを形にしていく作業は、とても大変ですが、その分やりがいを感じています。毎回違ったものをデザインして作るので、頭を使いますが、それが仕事の手応えとして、続けていく糧になっていると思います。
自然素材の木を扱う仕事なので、毎回同じ品質の材料が手に入るとは限りません。そのため、材料の仕入れにはとても苦労しています。できるだけ多くの材料を購入してストックし、作る家具にあった材料を選ぶようにしていますが、材料の置き場所の問題があり、工夫が必要です。また、最近、木材の価格が高騰していることも悩みの種です。今後ますます、よい材料を見極める力が必要になってきますし、信頼できる材木屋さんの存在が不可欠になってきます。今まで活用されていなかった、地域産材や針葉樹の有効利用などの取り組みも必要になってくるでしょう。
築150年の古民家で使われていた、ケヤキの梁材を使って、家具を製作してほしいという依頼がありました。デザインから製造まで一貫して行っているからこそ受けることができた仕事の依頼でした。貴重なケヤキの古材をゴミにせず、資源として有効活用できたことも良かったですが、何より、家族の歴史が刻まれた大切なものに再び息を吹き込むというお手伝いができたことは、とても貴重な経験でした。材料が限られているため、失敗できない緊張する仕事ではありましたが、お客様にはとても喜んで頂き、自分の誇りとなりました。
オリジナルデザインの製品ラインナップを充実させることが目標です。現在はフルオーダーの家具を中心に製作していますが、まだまだ始めたばかりの事業で製作事例が少なく、お客様に当工房の家具のイメージが十分に伝わっていないのではないかと思っています。椅子については、自分の満足のいくものが出来上がってきましたが、キャビネットなどの箱物家具については、まだまだ満足のいくデザインができていません。オリジナルデザインの家具を増やすことで、サイズ変更などのセミオーダーの依頼も増えてくれたらと考えています。
1年間みっちりと仕事に必要な知識やスキルが得られることが選んだ理由です。授業は実技が中心で、実際に製品を作り、それらを販売する機会があたえられるのは、専門校でしか体験できなかったことだと思います。1年間学ぶことで自分に自信が付き、その後の就職までスムーズに進むことができました。同じ目標を持つ仲間同士で切磋琢磨できたのも良かったと思います。いまでも仕事のことで、相談したり手を貸して貰ったりと、頼りになる仲間が得られて良かったです。
木工はとても奥深い世界です。プロとして働いている今でも、日々新たな気づきがあります。技術を習得するには、とても長い期間が必要になってきます。長く続けているからこそ、理解できることもあります。その土台として、専門校で学ぶ基礎はとても重要です。1年間長いようであっという間ですから、講師のかたがたに疑問に思ったことはどんどん質問して、知識を吸収してください。日々の小さな積み重ねが必ず力となり、木工のプロとして働く道につながるでしょう。
現在の勤務先である建喜代製作所は、飯能にて曾祖父から続く家業であり、2年前から私が代表を務めています。
川越高等技術専門校の訓練生の頃は、木工業界に入るのが遅かったことから他の事業所での「修行」も検討していました。しかし指導員の先生方から、弊社の事業内容や状況、業界の実情を踏まえた現実的で幅広いアドバイスをいただき、私が前職を経た三十代間近の身習い職人であるからこそ、直接、実家へ務めることを決めました。
今の木工業者は、営業、設計、製造、取付を分業する事業所が多いのですが、弊社は父と私の2人体制です。そして「街の建具屋」であるからこそ、スペシャリストでありたいと努めてきました。
実家に入ったのが決して早くはなかったため、集中的な基礎技能の習得を目指し、川越高技専を修了した翌年に木製建具2級、その2年後に木製建具1級の技能検定にそれぞれ合格し、さらに指導員免許も取得しました。
また、技能検定の受験と並行して東京建具高等職業訓練校も修了しました。ここでの経験は建具の知識、技能の向上はもちろん、建具屋としての人脈が大きく広がり、今の事業にも直接的につながっています。
職人には永遠にゴールがないのですが、10年が経ち、日常的な業務はある程度、経験でカバーできるようになってきました。ただ、オールラウンダーの「建具屋」が減っているため、昨今は一層、やったことがない依頼も増えています。その都度、新たに勉強し、研究し、ようやく形にできたとき、建具屋としてやりがいを感じます。
また、同世代の同業者の多くが、同じように試行錯誤して日々を過ごしていることもあり、悩みを共有するとともに、困ったときに助け合うことにも充実感を感じます。
そして職人は、お客様の注文があって、初めて製作するものです。何よりも、お客様のご要望にうまく応えられたとき、いちばん達成感があります。
仕事で製品を作る以上、予算も納期も限られています。オーダー品が中心なので予算は仕事次第で交渉の余地があるのですが、とくに納期に悩むことが最近は増えてきました。建築業界の工期の短縮化が進む以上、仕方がありませんがその中でもベターの仕事ができるよう、プロの職人として一つでも多く気配りできるよう、常に心がけています。
その意味では川越高等技術専門校で、職人としての心配り、品質へのこだわりを指導員の先生方から叩き込まれたことが、いまでも大きな財産になっています。
ふだんは、個人のお客様や建設会社・住宅メーカーとの打合せ、設計、製作、取付、納品をすべて行っています。取り扱う品目・事業内容は住宅の建具・家具の新規製作や交換はもちろん、既存品の交換・修理まで木製品に関わることすべてです
ふだんは建具の仕事が中心なので、多くの住宅に框戸(かまちど)、フラッシュ戸、障子等々納めてきましたが、5年ほど前から無垢材やパネル組の造作家具の注文も増えてきました。おかげさまでこれまでの10年間、新規取引先も増えました。
有り難いことに多くのお客様にお声かけいただいていますが、一人でできる仕事量の限界を考えるようになりました。幸い多くの同業者に支えてもらい、助け合いながらこなしてはいますが、現場が集中してしまうと、クオリティと体力の折り合いになってしまいかねません。今後は経営の面から、人材の育成も視野にいれなければならないと感じています。
一方で、作り手として、今はまだまだ伸びる時期と、自分に言い聞かせるようにしています。まだまだできないこと、知らないことはたくさんあります。
毎年一つは具体的なスキルアップを目標に掲げ、仕事の合間にでも「修行」をするように心がけています。
職人と名乗るだけなら資格はいりませんし、名刺をつくればいつでも開業できます。ただ、お客様に喜んでもらえる製品をつくるためには、十分な知識と裏打ちされた技能が不可欠です。これは建具屋を続けるなかで、ますます強く感じられるようになりました。
ただ、この業界へ飛び込もうとする若い方を見ていると、熱心なほど、ネット上の知識に溺れて、遠回りの努力をしているケースをしばしば見かけます。
職人として何から学び、どのように修行すればよいかを親身に指導していただくことができ、さらに5年後、10年後にともに業界で活躍する仲間の出会いの場として、川越高等技術専門校は最高のスタート地点のひとつだと思います。
実家が建具屋ということもあり、子供の頃から自然と将来は建具屋になるということが当たり前のようになっていました。
それでも、どこか修行のつもりで就職先を探したこともあったのですが、数年後には辞めて実家の建具屋に戻る者を雇ってくれる所がありませんでした。
川越高等技術専門校木工工芸科に在籍していた時に家具職種手加工作業の技能五輪地方大会に出場しました。在校中には技能照査も合格したので修了後すぐに実技学科免除で2級技能士を取得することができました。
就職先が実家で勤務時間に融通が利くので、東京建具高等職業訓練校に通うことができました。そこで建具の訓練を受けながら建具職種の技能五輪全国大会(第56回大会)に出場しました。結果は銅メダルでした。
私が勤めている会社は製作から現場の取り付けまでやらせていただくので、お客様とお会いする機会が多いです。自分が納めた建具や家具に対面して喜んでいるお客様の姿を拝見したり、お褒めの言葉をいただいたりすることにやりがいを感じます。
入社当時は、まだなにも分からず、ほとんど見ていることしかでず、悔しい思いをしたこともありましたが、少しずつ加工や取り付けを任されるようになりました。なかなか上手くいかず、失敗することもたくさんありました。
初めて一人で製作し、一人で現場に行って、一人で取付けを行う仕事ではとても苦労しました。
川越高等技術専門校や東京建具高等職業訓練校さらに自分の仕事を経験していくうちに、道具の使い方、木の扱い方が少しずつ理解できるようになってきたのが成果といえば成果なのかもしれませんがまだまだ勉強中です。
今月(令和元年11月)、愛知県で開催される技能五輪全国大会(第57回)に埼玉県代表で出場します。ほぼ毎日、仕事の合間をみて、課題の練習をしています。仕事と平行して練習するのはかなり大変ですが、入賞を目指して頑張っています。
また、将来的には建具、家具それぞれ1級技能士の資格を取得したいと考えています。
木工は奥が深く、とても難しいです。木工工芸科ではその基礎を学ぶことができます。自分もまだまだ未熟ではありますが、同じ木工という道をこれから歩もうとしている方がいらっしゃることを嬉しく思います。一緒に頑張りましょう。
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