埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:246777

掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

県立高校の入試改善について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)

先日、県教育委員会は「埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(素案)」を公表しました。平成24年以来の改善で大きく変わる点は、自己評価資料を提出し面接を実施する点と調査書の様式変更であり、部活一辺倒からの変化と認識しています。実施時期は、現小学6年生が受検予定である令和9年、令和8年度末から導入とのこと。
人生を左右する入試の変更だけに生徒も保護者も敏感になっており、いろんな意見があることは事実です。今回の入試改善への理解が進むような取組を進めるべきとの考えから、以下、教育長に質問いたします。
今回は国の通知等を踏まえた改善とのことですが、その際、他の都道府県の状況も参考にしたと伺っています。そこで、他の都道府県を参考にして埼玉県に生かされた点を伺います。
次に、面接について3点、伺います。
1点目、自己評価資料に基づいた意欲等を評価するとのことですが、面接官により評価が異なるなど客観的評価は難しいのではないか。
2点目、膨大な業務量になると予想されるが、教員の多忙が問題になる中で対応できるのか。
3点目、自己評価資料を作ること自体が生徒の負担になるのではないか、伺います。
次に、入試改善に伴い、部活動が衰退していくのではないかと危惧する声もありますが、見解を伺います。
最後に、11月17日締切りで行ったパブリックコメントには多くの意見が寄せられたとお聞きしました。どのようなコメントが寄せられたのか、また、県民の声に寄り添い理解される入試改善にするためにパブリックコメント等をどのように生かしていこうとお考えなのか、伺います。

A 日吉亨 教育長

まず、「他の都道府県を参考にして埼玉県に活かされた点」についてでございます。
今回の入試改善は、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえ、知識や思考力等を評価する従来の学力検査に加えて、学びに向かう力などをバランス良く評価していくことや、今後ますます生徒の学校内外の活動が多様化することなどが見込まれることなどから、それらを踏まえた入試制度とすることを主な目的としたものです。
県では、受検生を多面的に評価するため、受検生自身が中学校3年間における様々な活動状況を自らの言葉で表現して欲しいと考え、他の都道府県において既に実施されている先行事例を参考に検討を行ったところです。
先行事例の中には、調査書の記載事項を学習成績のみに変更し、生徒会活動や部活動などの活動全般を受検生自らが記載した資料をもとにプレゼンテーションを実施する県がございました。
この事例では、生徒の学校内外での活動が多様化していく中、受検生によるプレゼンテーションを導入したことにより、これまで評価できなかった学びに向かう力や意欲を評価できるようになる効果があったとのことでございます。
本県の入試改善の目的を踏まえ、こうした事例を参考として、本県においては調査書に記載する事項を学習成績のみとし、自己評価資料に基づく面接を行うことで、学びに向かう力や意欲について評価することといたしました。
次に、「面接について、客観的評価は難しいのではないか」についてでございます。
面接の実施に当たっては、公正公平な選抜の観点から、客観的な評価を行う必要があります。
そのため、県では、全校統一の評価規準や評価の観点等を定め、事前に公表するとともに、面接を行う教員に対しては、この規準をもとに具体的な事例を用いて研修を実施するなど、客観的な評価を担保してまいります。
次に、「面接について、教員の多忙が問題になる中で対応できるのか」についてでございます。
今回の入試改善では、すでに面接を実施している一部の高校を除き、新たに面接のための業務が加わることとなりますが、一方、調査書の内容を確認し評価するための業務が軽減されます。
また、現在試行的に実施している電子出願の検証を行うとともに、今後採点業務をはじめとした入試業務の全般の見直しなどを通じて、教員の多忙化につながることのないよう対応してまいります。
次に、「自己評価資料を作ること自体が生徒の負担になるのではないか」についてでございます。
今回の入試改善では、生徒が新たに自己評価資料を作成することとなるため、受検生が負担に感じることも考えられます。
県では、受検生が自己評価資料を作成することで、自己に対する理解を深め、主体的に高校を選択し、入学後の高校生活を充実したものとしていくためにも、大変有意義な機会になると考えております。
こうした趣旨を、受検生に丁寧に周知すると共に、受検生が自己評価資料の作成を過度に負担に感じることがないよう記入しやすい様式などについて検討してまいります。
次に、「入試改善に伴い部活動が衰退していくのではないか」についてでございます。
現行の入試制度では、部活動等における実績を重視した評価となっておりますが、生徒の学校内外での活動が多様化する中、今後は、部活動だけでなく、生徒の活動全般について、意欲や努力したことなどを含めて幅広く評価していくことが必要と考えます。
中学生には、部活動の実績のみに捉われず、自分のやりたいことに積極的に取り組んでいただくことで、部活動の衰退は避けられるものと考えております。
次に、「どのようなパブリックコメントが寄せられ、それを入試改善にどう活かしていくのか」についてでございます。
パブリックコメントでは、面接の評価方法や教員の業務負担増などについて危惧する意見もある一方、調査書の記載内容の変更や自己評価資料に基づく面接を行うことで、生徒の主体性を重視するという、改善の方向性を評価する意見もございました。
今後、いただいた御意見を参考に、受検生が安心して受検に臨むことができるような面接の評価方法や教員の負担軽減策の検討に生かしてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?