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掲載日:2026年9月1日
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働き盛りの世代で発症する「若年性認知症」を知っていますか?
【問合せ】県地域包括ケア課
電話:048-830-3251
認知症は一般的に高齢者に多い症状ですが、65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」と呼ばれています。働き盛りの世代で発症するため、仕事や家計、こどもの養育、親の介護など、本人だけでなく家族の生活にも大きな影響を及ぼします。一方で、早い段階で気付き、支援につながることで、仕事や暮らしを続けるための選択肢が広がります。小さな変化を見逃さず、早めに相談することが大切です。
次のような気になる変化を感じたら「若年性認知症サポートセンター」に相談してください。

出典:埼玉県若年性認知症実態調査報告書(2020年3月)
若年性認知症の人やその家族への支援をさらに充実させるため、県ではさまざまな取り組みを進めています。全国的にも先進的な、若年性認知症支援コーディネーターの取り組みをはじめ、就労支援の強化や若年性認知症カフェの開設など、切れ目のない支援体制の構築に取り組んでいます。

若年性認知症支援コーディネーターが、本人や家族、支援関係者からの相談に応じます。電話をはじめ、メール、ファックス、来所や訪問による相談も可能です。
電話:048-814-1212

さいたま市浦和区常盤3-12-17 日建プリムローズ常盤第3-1階
公益社団法人 認知症の人と家族の会 埼玉県支部内
月~金曜 午前9時~午後4時
祝・休日、年末年始を除く
認知症の人の介護に悩んだり戸惑ったりしている人を支援します。「公益社団法人 認知症の人と家族の会 埼玉県支部」の介護経験者が話を聴きます。
電話:048-814-1210
月・水・金・土曜 午前10時~午後4時
祝・休日、年末年始を除く
通話料がかかります
正しい知識と理解を身に付けた「認知症サポーター」を養成する講座です。日常生活で認知症の人と出会ったときに、活躍することが期待されています。
\受講しよう/

認知症になっても自分らしく暮らし続けるための居場所があります。「何もできなくなってしまうのではないか」と感じたときは一人で抱え込まず、同じ立場の仲間や地域の支援者とつながってみませんか。
認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという考え方
出典:認知症施策推進基本計画(厚生労働省)
埼玉県・さいたま市若年性認知症サポートセンター内で、毎週木曜に開催している交流会。若年性認知症の本人や、その家族、支援者が集まり、悩みを打ち明けたり、レクリエーションを楽しんだりしています。参加者は「まれな病気だと思っていたが、みんな同じだった」「みんなと出会って、認知症である自分でいいんだと思えた」と語り、笑顔や会話が自然に生まれる居場所となっています。
参加希望者は要事前連絡


当事者田邊さん
最初は自分が認知症だと全然分かりませんでした。夫がいろんなところを回って調べてくれて、私は連れて行かれたという感じでしたね。
もともと人と関わるのが苦手でしたが、認知症になったとき、これでは全然やっていけないなと思ったんです。自分自身を変えようと「どういうところなんだろう?」と思いながらリンカフェに行って、皆さんの輪に入ったらすごく楽しくて、今も通っています。いろいろなことを積極的にやるようになったので、認知症がそうさせてくれたんだと思っています。
さいたま市認知症希望大使*1も任期満了まで全うする覚悟でいるので、「困っている方が輪に入ってきてくれる方法はないかな?」とよく考えます。いろんなところに行きますから、とにかく呼んでください。私がお話できる機会があれば、どんどん出ていきたいです。当事者である私たちが言えることが絶対にあると思うんです。
*1 認知症当事者として普及啓発などをする大使。さいたま市が任命

当事者原田さん
介護職をしていたので病気のことは知っていましたが、どうしたらいいのか分からず途方に暮れて、診断を受けて1年ぐらいは家の中で過ごしました。でも、腐っていてもしょうがないし、社会とつながらないのは面白くない。前ほどは働けないかもしれないけれど、できることがまだあるはずだと思いました。
リンカフェでは、ざっくばらんに世間話ができるし、卓球やカラオケをしたり、近所の北浦和公園を散策したりすることもあります。病気になっても楽しみはあるべきで、やりたいと思うことを諦めないほうがいい。その権利がここではしっかり保たれています。互いの発言が尊重されるリンカフェで、相手の話を聴き、自分との違いを知り、考えの幅が広がったのは幸運でした。なかなか得られる機会じゃないし、社会とつながっていくためにも重要だと思っています。埼玉県オレンジ大使*2としても責任を持って発言していきたいですね。自分の体験や思いを話す機会をきちんと全うしたいです。
介護職の前はゲームを作っていたので、麻雀の新しい遊びを作ろうとしています。頭を使うことで脳の働きも良くなるので、みんなが簡単にできるようにしたい。そんな野望もありますね。
病気のことは言い出しづらいでしょうが、案外、助けてくれる人はいます。あっという間に進行してしまうことがあるので、よりよい解決方法を見けるためにも、悩んでいる人にはとにかく早く動いてほしいです。また、(周りの人は)先回りせず、できることを奪わないでほしい。本人ができることはしたほうがいいし、そばにいる人も、できる人の姿を見るほうが嬉しいはずですから。
*2 認知症当事者として普及啓発などをする大使。県が任命

当事者Kさん
職場が保健医療の分野だったので幸いにも上司が気付いてくれて、対応している病院や、リンカフェのことを教えてもらいました。医療につながる前は、病気だと確定しないまま自分自身が変わっていく感覚があったので辛かったです。
今は、仲間がいればなんとかなると思っています。もしリンカフェがなくて、一人で家と病院を行き来するだけだったら不安を解消しづらかったと思うんですよね。リンカフェでは随所に助け合いがあり、さりげなく誰かが誰かをカバーしています。共に喜び合って、人とのつながりが自然とでき上がっています。
みんなでボウリングをしたとき、私は投げるのがすごく苦手なんですけど、同じレーンにいたリンカフェの仲間に「失敗してもいいからやってごらん」と言ってもらって「他人からは不器用に見えても、仲間や自分自身を大事にしたい」と思えました。仲間がいて、ここに来られて気持ちは満たされています。嫌なことも良いこともそれぞれが経験して、知恵の分かち合いができる集団は稀有な存在ですよね。
(世間的には)まだまだ「認知症になったら何もできない」というイメージが付いてしまっていると思うんですけど、それを若い人に植え付けないでほしい。新しい認知症観や、新しい知識を身につけてほしいなと思います。

家族久恒(ひさつね)さん
私が別の病気で入院していたとき、主治医から「実はね…」と夫が若年性認知症であることを知らされました。夫は私に直接伝えるつもりだったみたいですけど、面会に来てくれたときにもその話にならなくて。ショックを受けるんじゃないかと心配して、言い出しづらかったようでした。面会のときは特に変わった様子もなかったので、私はそんなにショックは受けなかったです。
今は二人ともリンカフェで楽しく過ごしています。有志で新年会や納涼会をする時も、みんな話が途切れなくて、私もそこに加わって楽しく話しています。なかなかこんな良い会はないし、みんなと出会えたことが素晴らしいと思っているので、本人も家族も、怖がらずに参加してみてほしいです。リンカフェに来て、もし失敗だったらもう来なければいいし、もし気に入ったらまた来ればいい。自由な会なので、試しに来てもらえたらいいなと思います。私たちは2時間かけて通っているので、他の地域にもこのような場所があればいいなとも思いますね。
この先の楽しみは海外旅行です。夫は20カ国ぐらい旅をしていて、私も10カ国ぐらいしています。ポルトガルで知り合ったので、また一緒に海外旅行を楽しみたいですね。
支援者若年性認知症支援コーディネーターの皆さん
リンカフェを立ち上げるときに考えたのは「居場所」でした。
勤務する会社や、主婦として切り盛りする家が居場所だった人たちが、若年性認知症によってそれらを失ってしまうことがある。リンカフェは、できないことも、忘れてしまうことも受け止める、取り繕わなくていい居場所です。
印象的だったのは、言葉も出ないほど緊張していた初参加の方が、みんなとゲームをしたときのことです。しばらくすると気持ちがほぐれて「来てよかった」と涙されたんです。喜んでいる本人の姿を家族も見ていて、翌週以降も一緒にリンカフェを楽しむようになりました。別の日にも、初めて来られた瞬間に涙が止まらなくなった方がいました。リンカフェの皆さんの柔軟な包容力を感じられたのだと思います。
本人が変われば家族も変わり、家族が変われば本人も変わります。本人だけがリンカフェに来て元気になっても、家族が後ろ向きだと引っ張られてしまう。両方を支援するので、「このシーンを見てほしい」と思えば家族を呼びますし、目の当たりにした家族の意識が変わる瞬間も見てきました。
時には、つらい思いを口にされることもあります。「生きるのがつらい」と言う方もいて、それは家族にも明かせないことかもしれないですよね。当事者同士だからこそ吐露できたり、頑張る人の姿に「自分もできるかも」と勇気をもらったりするのだと思います。
ここは、ずっと通う場所ではなく通過点です。就労につながり次に進むこともあれば、症状が進行して来られなくなってしまう例もあります。残念ながら病気を防ぐことはできませんが、より今を楽しんでもらいながら、社会参加や就労継続をマネジメントする方々につないでいきます。つなぐ役割をしながら、つないで終わりにせず、味方として支え続ける黒子でありたいですね。
リンカフェのような居場所は、地理の問題や、家族のフォローも大事なので、条件がそろっていないと来られません。来られない方が大多数いるという現実がある中で、どう寄り添っていくか。家の近くで楽しい場所が見つかるのが一番なので、このような場所が各地に増えたらいいと思います。
リンカフェにいる方や、表に出て病気について発信している方は、若年性認知症を受容して、前向きな思いになっていることが多いです。ただ、他の大多数の方はそうではありません。「前向きな言葉を見るとさらに苦しくなる」という話も実際に聴いています。「前を向けなくても、あなたはそれでいい。そのままでいいんだ」ということを、あわせて伝えたいです。
若年性認知症と診断されていなくてもいいので、少しでも心配になったら、まずは連絡をください。皆さんの気持ちをお聴きします。
支援者公益社団法人 認知症の人と家族の会
埼玉県支部 花俣(はなまた)ふみ代 代表
リンカフェに来る多くの方が「ここがあってよかった」とおっしゃっています。裏を返せば、どこにも居場所がなかったということです。来る日も来る日も行き場がないことを想像すると、行き詰まりますよね。
週に1度のリンカフェも、ないよりあるほうが、はるかにいい。沈んでしまいそうな気持ちを、いろんな人と関わりながら埋めていこうという大切な取り組みです。
当事者のリアルな声は訴えかける力があります。悩んだとき、目の前に同じ立場の人がいれば、一人で抱えていた本音を出せることがあります。当事者ではない人から問いかけられても、遠慮があったり、あるいはプライドがあったり、抑え込んでしまうかもしれません。サポートをしてくれる家族であっても、全てを話せるわけではないですよね。
当事者同士がつながることで、前を向くスタンスに変わっていく。サポートをした当事者もまた、人の役に立てたことを喜んでくれる。居場所とは特定の場所を指すのではなく、自分が自分らしくいられることだと思います。
病気や事故は誰の身にも起こる可能性があり、認知症になった人だけが「何もできなくなる」と萎縮するのは非常に残念なことです。一人ひとり、凛(りん)として生きている方々です。居場所があることで人生が輝くなら、輝くシーンは多いに越したことはありません。

おけい(@saitama_kenjinn(別ウィンドウで開きます))さんが制作してくれました!