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掲載日:2025年7月4日
Q 小川寿士 議員(民主フォーラム)
二つの課題に対して、そのように正に真摯にお取り組みいただいて、成果を出されたということでありますけれども、しかし今、部長が答弁されたように、利用したいから利用できるという環境にはほぼほぼありません。私たちはこの青年と2人でいろんな人にお話を聞きに行きましたけれども、本当に利用できなくて、親御さんは本当に涙を流しながら利用できない切実な声を訴える方もいらっしゃいました。だから、これだけのセルフプラン率になっているのが現状なんです。
そこで、私はこうした課題の打開策を探るために、この青年とともに様々な当事者、そして御家族、また障害者支援に関わる関係者とのヒアリングを重ねました。その過程で、厚生労働省の報酬改定検討会において意見を表明している特定非営利法人日本相談支援専門員協会に、現状のお考えをお聞かせいただけないかとお伺いしたところ、その結果、副代表であり、埼玉県宮代町の社会福祉法人じりつの理事長を務める岩上洋一さんからお話を伺うことができました。
岩上さんは、開口一番、「この報酬体系で経営はできます」というふうにおっしゃいました。これは、私たちにとって意外な発言でした。
社会福祉法人じりつをはじめ、埼葛北地区圏域では三つの法人が協働(共に協力して働く)を行っており、自立支援協議会との連携、基幹相談支援センターや地域生活支援拠点の役割によって、障害者相談支援体制を構築しているとのことで、さらに地区ごと、白岡地区では2事業所、宮代杉戸地区では5事業所による共同体があり、例えばこの青年のように1人で単独で事業を始めようとなった場合、この地域であればどうぞこの協働に入ってくださいと。入っていただくと、そうなれば共働の一員として、現行の報酬体系でも十分運営ができるんですよということでありました。
一方、この青年は有言実行。さいたま市内で先月、この事業所を立ち上げました。1か月間に10人と契約して、報酬の総額は18万円。経費を差し引きますと、本当に僅かな金額しかありません。この青年は言いました。「本当に感謝はされるけれども、精神的、時間的な消耗だけが残って、社会的なやりがい搾取の構造を痛感している」とのことでありました。
私は、こうした環境を改善しない限り、必要な事業所、そして相談支援事業所は極めて難しいです。是非ここは、埼玉県版障害者・障害児相談支援体制の構築に向けた施策を官民連携して進めるべきだというふうに考えます。最後、知事の見解を伺います。
A 大野元裕 知事
障害のある方が安心して地域生活を送れるようにするため、相談支援事業所によるきめ細かい支援が受けられる体制づくりは必要だと思います。
令和6年度に厚生労働省が実施した全国調査によりますと、1事業所当たりの相談支援専門員数は平均2.2人であり、比較的小規模な体制で計画相談が実施されていることが分かります。
議員お話しのとおり、小規模な相談支援事業所の協働による運営により、複数の目によるケース検討や24時間の相談対応が可能になるなど、機能が強化され、地域の相談支援体制の向上につながるものと考えます。
また、相談支援事業所の機能が強化されることにより、報酬単価が引き上がり、経営的にも改善の効果があがるものと思います。
こうした取組は、令和7年5月現在、県内14市町で実施をされております。
複数の事業所の協働による運営を促進するには、市町村が主体的に関わる必要があることから、県では、令和6年度に市町村職員などを対象とした研修で、国の担当者を講師に招いて周知を図り、制度の活用を促しました。
今後、埼葛北地区の圏域のような好事例について横展開するとともに、埼玉県相談支援専門員協会と連携をし専門のアドバイザーを派遣するなど、市町村への伴走型支援を積極的に行うことにより、地域の実情に応じた障害者・障害児相談支援体制の構築を進めてまいりたいと考えます。
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