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掲載日:2025年7月4日

令和7年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(萩原一寿議員)

賃上げに向けた取組について-保育士の処遇改善について-

Q 萩原一寿 議員(公明)

埼玉県の未来を支える子供たちの健やかな成長のためには、質の高い保育の提供が不可欠です。そして、その質を支えるのが、日々現場で仕事をされている保育士の皆さんです。
しかし、現状では保育士の処遇が十分とは言えません。離職率の高さや人材不足が深刻な課題となっています。特に、本県は都市部へのアクセスが良いことから都内への保育士流出も多く、私の地元川口市でも、隣接する東京都との処遇の格差を指摘されています。そのため、保育施設は人材確保に苦慮しています。
保育士が安心して働き続けられる環境づくりが、待機児童の解消や保育の質の維持向上に直結することを考えると、処遇改善は喫緊の課題です。
保育士の賃金について、賃金統計によれば、首都圏3都県で本県はワーストになっています。保育の現場から、「保育士の資格を持っているのに、月額の給料が手取りで20万円に満たない」との話も頂いています。
今年2月定例会の代表質問で、田村琢実団長が保育士の処遇改善について取り上げました。県の答弁は、国の保育の公定価格の地域区分が本県の実情に合わず、低く設定されていることや、国への要望を行っているとの答弁です。
また、県独自の制度導入についても、例えば保育士への家賃補助や奨学金返還支援制度を実施しているとの答弁でありましたが、これらの支援を受けられる人は限定されており、本当の意味で処遇改善にならないと考えます。このままでは、抜本的な保育士の処遇が改善されないまま時間が過ぎていくと言わざるを得ません。国の公定価格の変更を要望しつつも、まず、県独自の支援策導入に踏み切るべきではないでしょうか。
そこで、知事に質問します。
持続可能な保育体制を確立するために、県として今後どのような処遇改善策に取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
また、保育士の人材確保に向けた処遇改善について、県独自の上乗せ補助を実施することは急務です。御見解をお聞きします。

A 大野元裕 知事

持続可能な保育体制の確立のためには、保育の公定価格が地域の実情を反映したものとすべきであり、特に、令和6年人事院勧告が適用された場合、本県では43市町村で地域区分が引き下がります。
そこで、6月4日にも、私自ら、友納理緒内閣府大臣政務官に対し、改定時期、結論ありきではなく、地方公共団体と丁寧な議論を行い、意見を反映することなどを要望いたしました。
他方、本県の要望が実現するまでの間は、保育士確保に効果的な県独自の取組を継続して実施することも重要と考えております。
県では、宿舎借上補助への上乗せ、保育士への奨学金返済支援等に加え、令和7年度から、就職準備金貸付に30万円コースの創設と、県外からの転居を伴う就職者に10万円の加算を行います。
また、私がふれあい訪問で育児中の保育士から頂いた意見を参考に、令和7年度から、育児休業から復帰した保育士が負担する保育料の半額を貸し付ける期間を保育料無償化になる満3歳まで延長いたします。
議員お話しの抜本的な保育士の処遇改善は、公定価格の見直しであり、国に対しあらゆる手段を尽くして働き掛けることが最優先と考えております。
引き続き国に公定価格の見直しを強く要望するとともに、保育士に直接届く支援として就職準備金貸付など成果が見込まれる事業への選択と集中を徹底することで、持続可能な保育体制の確立を目指します。
次に、県独自の上乗せ補助を実施することについてであります。
国では、令和6年人事院勧告に準拠した改善として保育士等の公定価格上の人件費を10.7パーセント引き上げました。
しかしながら、他業種と比較してもなお保育士の給与水準は低いため、国の責任の下、公定価格を適切な水準に設定する必要があると考えます。
また、保育士の給与はそれぞれの保育所等で給与体系が異なっており、県独自に上乗せ補助を行ったとしても、必ずしも保育士の処遇改善に結び付かず、異なる給与体系の中に溶け込んでいってしまう可能性が高いと認識しております。
したがって、公定価格とは異なる形での賃金への上乗せでは、施設ごとに異なる給与体系に飲み込まれて分からなくなることもあり、県といたしましては、議員御指摘のとおり持続可能な実質的改善措置として、保育士に直接届く県独自の様々な施策を継続し、全力で取り組むことで、保育士の処遇を改善してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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