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掲載日:2024年3月26日

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個人情報保護審査会答申/答申第14号(諮問第22号)

答申第14号(諮問第22号)

答申

1 審査会の結論

異議申立人(以下「申立人」という。)が提出した個人情報の取扱いに関する苦情申出書(以下「申出書」という。)に対する「改善結果の詳細が分かるもの」という内容の保有個人情報は存在しない、として埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が平成20年5月22日付けで行った保有個人情報の開示をしない旨の決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

2 異議申立て等の経緯

(1)原処分の経緯

ア 申立人は、平成19年3月26日、実施機関に対して、「県情報公開条例及び県個人情報保護条例(以下「条例」という。)にもとづく請求及び開示が県政情報センターにて行われるさい、県民の無形個人情報(音声・容姿)が充分に保護されるよう、改善措置を速やかに講じてください。」という内容の上記申出書を提出した。

実施機関は、申出書を受けて、申立人に対し「個人情報の取扱いに関する苦情について」(平成19年3月30日付け県情第414号)で、「どのような改善措置が可能であるか検討を進めて参ります。」と回答した。

イ 申立人は、平成20年5月16日、条例第15条第1項の規定に基づき、実施機関が上記回答後に行った「改善結果の詳細が分かるもの」という内容の保有個人情報の開示請求を行った。

これについて、実施機関は、平成20年5月22日付けで、条例第21条第2項の規定に基づき、本件処分を行った。

(2)異議申立ての経緯

申立人は、行政不服審査法に基づき、平成20年5月25日付けで、実施機関に対し、本件処分の取消しを求める旨の異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(3)審査の経緯

  • ア 当審査会は、本件異議申立てについて、平成20年6月17日付けで、実施機関から条例第41条の規定に基づく諮問を受けた。
  • イ 当審査会は、本件異議申立てについて、平成20年6月20日付けで、実施機関から理由説明書の提出を受けた。
    なお、申立人から理由説明書に対する反論書の提出は受けていない。
  • ウ 当審査会は、平成20年6月23日、実施機関から意見聴取を行った。
  • エ 当審査会は、平成20年9月25日、申立人から意見陳述を受けた。

3 申立人の主張の要旨

(1)内容

  • ア 本件処分を取消し、請求に係る保有個人情報の開示を求める。
  • イ 個人情報保護審査会に建議権を付与することを求める。
  • ウ かつての個人情報保護監察委員制度を復活させることを求める。

(2)理由

  • ア 請求に係る保有個人情報は存在するはずである。
  • イ 申出書の内容は、埼玉県情報公開監察委員が平成11年3月26日付けで実施機関に提出した意見に係る重要なものであり、速やかかつ適切な対応が求められるものである。

4 実施機関の主張の要旨

申立人の行った請求に係る保有個人情報を検索したが、該当するものが存在しなかったため、本件処分を行った。

なお、3(1)イ及びウは、いずれも個人情報保護制度についての要望であり、本件処分に関わりのない申立てである。

5 審査会の判断

(1)3(1)アについて

当審査会が調査審議したところ、次の事実が認められた。

ア 申立人は、意見陳述において、条例及び埼玉県情報公開条例に基づく開示請求及び情報提供により実施機関から請求に係る公文書をすでに得ているため、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しないとして行った本件処分は不当であると主張した。

そこで、当審査会が調査したところ、申立人が埼玉県情報公開条例の規定に基づき平成20年5月13日付けで行った公文書開示請求に対し、実施機関は平成20年6月6日付けで部分開示決定を行っていたことが判明した。この決定で開示の対象となった公文書の中には、申立人の個人情報が記載された次の2点の公文書が含まれていた。

  • (ア)実施機関が平成19年5月9日に作成した「開示請求者(閲覧の実施時)の要望とその回答」と題する文書
  • (イ)実施機関が平成19年8月6日に作成した「開示の実施の際のやりとりについて」と題する文書

これらには、実施機関が検討中の改善措置について申立人に伝えた内容が記されていた。

イ 実施機関は、ア(ア)及び(イ)で申立人に伝えた内容は実施機関がその時点で検討していた改善案であって改善の結果ではないと判断し、ア(ア)及び(イ)に記載された申立人の個人情報を当該開示請求に係る保有個人情報として特定しなかった。

ウ 申立人は意見陳述において、開示請求書には開示請求に係る保有個人情報として「改善措置」と書くべきところを「改善結果」と記載したこと、「詳細」には経過を含むという意図があったものの請求の際には実施機関にその旨伝えなかったことを述べた。

以上の事実を基に検討すると、改善の経過と結果は区別されるべきであり、また、請求の対象が意見陳述によって変わってしまうことは適当でない。このため、改善の経過が書かれたにすぎないものは当該開示請求に係る保有個人情報に含まれないと考えるべきである。

したがって、ア(ア)及び(イ)に記載された申立人の個人情報は当該開示請求に係る保有個人情報には当たらない。

よって、本件処分に違法及び不当な点はなく、妥当である。

(2)3(1)イ及びウについて

申立人は、個人情報保護審査会に建議権を付与すること、及びかつての個人情報保護監察委員制度を復活させることを求めている。

しかし、審査会が判断すべきなのは原処分の違法性及び不当性であるから、これらは本件処分との関連において当審査会が判断すべき事柄ではない。

(3)口頭意見陳述における申立人の陳述について

申立人は、県政情報センターにおける埼玉県情報公開条例に基づく公文書の開示請求受付及び開示実施の際、請求者のプライバシー保護が不十分であるため改善を図るべきであると述べている。

プライバシー保護の重要性は、一般論として社会的に認められるところではあるが、当該陳述と本件処分との関連性は認められない。

以上のことから、「1審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)

奥真美、徳本広孝、横山豪

審査会の経過

年月日

内容

平成20年6月17日

諮問を受ける(諮問第22号)

平成20年6月20日

実施機関から理由説明書を受理

平成20年6月23日

実施機関からの意見聴取及び審議

平成20年7月28日

審議

平成20年8月25日

審議

平成20年9月25日

異議申立人による意見陳述及び審議

平成20年10月22日

審議

平成20年11月19日

審議

平成20年12月17日

審議

平成21年1月21日

審議

平成21年2月17日

答申

お問い合わせ

総務部 文書課 情報公開・個人情報保護担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

ファックス:048-830-4721

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