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掲載日:2024年3月26日

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個人情報保護審査会答申/答申第22号(諮問第29号)

答申第22号(諮問第29号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が、埼玉県立図書館協議会委員募集要領により異議申立人(以下「申立人」という。)の提出した作文について、試験委員(4名)が作成した各「作文審査票」(以下「本件対象保有個人情報」という。)の、平成20年11月20日付けで行った部分開示決定のうち、「作文審査票の記録欄」(以下「記録欄」という。)は開示すべきである。

その余の決定については、妥当である。

2 異議申立て及び審査の経緯

  • (1)申立人は、平成20年11月10日付けで埼玉県個人情報保護条例(以下「条例」という。)第15条第1項の規定に基づき実施機関に対し、本件対象保有個人情報の開示請求を行った。
  • (2)実施機関は、平成20年11月20日付けで、条例第21条第1項の規定に基づき、本件対象保有個人情報の部分開示決定を行った。
  • (3)申立人は、平成21年1月19日付けの異議申立書により、実施機関に対し、不開示部分の開示を求める旨の異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。
  • (4)当審査会は、平成21年1月30日付けで実施機関から条例第41条の規定に基づく諮問を受けた。
  • (5)当審査会は、本件異議申立てについて、平成21年5月1日付けで実施機関から理由説明書の提出を受けた。
  • (6)当審査会は、平成21年5月17日付けで申立人から理由説明書に対する反論書の提出を受けた。
  • (7)当審査会は、平成21年6月25日、実施機関から意見聴取を行った。
  • (8)当審査会は、平成21年7月27日、申立人から口頭意見陳述を受けた。

3 申立人の主張の要旨

(1)内容

本件処分を取り消せ。

(2)理由

  • ア 不開示情報(記録欄・試験委員氏名)を開示しても、図書館協議会公募委員の選考事務の適正な遂行に支障をきたすとは考えられず、したがって本件不開示情報は条例17条7号本文及びイ、ロ、ハ、ニ、ホに該当するとは思われない。7号該当性の判断理由について、その客観的・実質的記載がなく、不開示情報が法的保護に値するという蓋然性がどのように要求されるのか不明である。「記録欄」については、文字数単位でマスキングされていないので、そもそも記載されているのかどうかについても疑義が生じる。記載がなければ当然に開示されるべきである。
  • イ 附属機関等への県民参加を拡充するためには、情報公開条例及び個人情報保護条例の規定に則り、現行の同委員選考の方法及び結果公表のあり方を基本的に見直し、委員選考の過程の透明性を高め、応募者本人への情報開示も保障されるべきである。
  • ウ 審査事務の遂行は、応募者に係る評価情報の本人開示を前提とすることにより、さらにその適正性が確保され、またそのようにあることによって、県民が県に寄せる信頼も高まる。

4 実施機関の主張の要旨

第1次選考の作文試験では、受験者の課題意識、説得力、意欲、表現力を具体的に評価することから、試験委員が行う評価については、受験者自らが抱いている自己評価の認識と食い違うことが当然予想される。また、「記録欄」に記載されるのは、試験委員が作文を評価する過程での評価内容のコメントであり、「試験委員氏名」と同様に直接書き込まれている部分であることから、この筆跡などから試験委員が少数なため試験委員を特定することが可能となる。

マスキングについては、記載部分以外を開示することとした場合、試験委員は「記録欄」への記載の仕方や記載する文量、全受験者間でのそれらのバランスにも注意を払うことが、精神的に求められるようになり、その結果、「記録欄」への記載自体も躊躇することが想定される。

これらの不開示情報の部分については、試験委員が本人に開示することを予定せずに、作文審査における試験委員の率直な評価内容のコメントなどや試験委員氏名を記載する欄であり、本件の不開示情報を開示した場合、受験者から評価の内容等についての説明を求められるような事態の発生を意識し、また、受験者との間に後日生じるかも知れない信頼関係上のトラブルに配慮して、受験者の否定的な評価についてありのままに記載することを差し控えたり、画一的な評価に終始し、その結果、作文の審査に必要な正確な情報の記載がされなくなることが想定されるなど、適正な審査業務の遂行に支障を及ぼすおそれがあることから条例第17条第7号に該当する。

5 審査会の判断

当審査会において、本件対象保有個人情報に係る部分開示決定について申立人及び実施機関の主張を検討した結果、次のように判断する。

(1)本決定の妥当性について

実施機関が不開示とした「記録欄」及び「試験委員氏名」は、作文審査における評価内容のコメント及び試験委員の氏名が書き込まれる部分である。

「試験委員氏名」については、開示された場合、試験委員が特定されることから、受験者本人の認識と大きく異なった評価内容についての説明や批判、いわれのない非難等が試験委員に対して直接行われる可能性はあり、受験者との間に後日生じるかも知れない信頼関係上のトラブルに配慮するなど、試験委員の公正な評価が保障されず、自由かつ率直な意見が反映されにくくなるといった可能性は否定できない。よって、開示された場合、作文の審査に必要な正確な情報の記載がされなくなることが想定されるなど、適正な審査業務の遂行に支障を及ぼすおそれがあることから条例第17条第7号に該当するとした実施機関の主張は、妥当である。

「記録欄」については、試験委員が作文を評価する過程において、備忘的に評価内容のコメント等が記載される部分であるにすぎず、また、必ずしも記載を要する部分とは限らないため、開示されたとしても、試験委員が、受験者から評価の内容等についての説明を求められるような事態の発生や、受験者との間に後日生じるかも知れない信頼関係上のトラブルに配慮し、受験者の否定的な評価についてありのままに記載することを差し控え、画一的な評価に終始し、作文の審査に必要な正確な情報の記載がされなくなるといったおそれは認められない。よって、適正な審査業務の遂行に支障を及ぼすおそれがあることから条例第17条第7号に該当するとした実施機関の主張は、妥当ではない。

(2)結論

以上のことから、「1審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)

奥真美、徳本広孝、横山豪

審査会の経過

年月日

内容

平成21年1月30日

諮問を受ける(諮問第29号)

平成21年5月8日

実施機関から理由説明書を受理

平成21年5月18日

異議申立人から反論書を受理

平成21年5月22日

審議

平成21年6月25日

実施機関からの意見聴取及び審議

平成21年7月27日

異議申立人の口頭意見陳述及び審議

平成21年8月20日

審議

平成21年9月15日

審議

平成21年10月13日

審議

平成21年11月10日

審議

平成21年12月22日

答申

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

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