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掲載日:2024年4月2日

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個人情報保護審査会答申/答申第27号(諮問第33号)

答申第27号(諮問第33号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が、「H21年4月24日付口頭意見陳述の全ての(1)録音のテープおこしと(2)視聴」(以下「本件対象保有個人情報」という。)について、これを保有していないとして行った平成21年4月28日付けの開示をしない旨の決定は、妥当である。

2 異議申立て及び審査の経緯

  • (1)異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成21年4月24日付けで埼玉県個人情報保護条例(以下「条例」という。)第15条第1項の規定に基づき実施機関に対し、本件対象保有個人情報の開示請求を行った。
  • (2)実施機関は、平成21年4月28日付けで条例第21条第2項の規定に基づき、本件対象個人情報の開示をしない旨の決定(以下「本件処分」という。)を行い、申立人に通知した。
  • (3)申立人は、平成21年6月1日付けの異議申立書により、実施機関に対し、本件処分に対する異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。
  • (4)当審査会は、平成21年6月17日に実施機関から条例第41条の規定に基づく諮問を受けた。
  • (5)当審査会は、本件異議申立てについて、平成21年8月14日に実施機関から理由説明書の提出を受けた。なお、申立人からは、理由説明書に対する反論書の提出は受けていない。

3 申立人の主張の要旨

  • (1)趣旨
    全開示
  • (2)理由
    面前で受理したものを誠意をもって開示せよ。厚生省の例を出してこういう回答をしない言質をとった上での開示請求だったはず。

4 実施機関の主張の要旨

(1)本件対象保有個人情報について

  • ア 申立人は、実施機関に対し、本件以前に2件の異議申立てを行っていた。実施機関から諮問を受けた埼玉県個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)の他部会では、当該異議申立てについて審査をしていた。
  • イ 審査会の他部会は、平成21年4月24日に申立人の口頭意見陳述を実施した。申立人は、口頭意見陳述終了後、口頭意見陳述の内容を文書化したもの(以下「口頭意見陳述内容の文書」という。)について、同日付けで実施機関に開示請求を行ったものである。
  • ウ 実施機関が申立人の口頭意見陳述内容の文書の下書き(初稿)を反訳委託業者から受理したのは、平成21年5月15日である。したがって、実施機関が当該内容の確認を行い、組織共用文書として、本件対象保有個人情報を保有することが可能となったのは平成21年5月15日以降である。

(2)本件処分を行った理由

  • ア 本件対象保有個人情報である口頭意見陳述内容の文書については、開示請求時(4月24日)現在、まだ存在していないので、開示請求のあった保有個人情報は保有していないとして、条例第21条第2項の規定に基づき、開示をしない旨の決定を行い、申立人に通知したものである。
  • イ なお、本件請求については開示請求時に、実施機関の職員が「請求書を出されても文書がないから不開示です。」と繰り返し説明したにも関わらず、申立人は厚生労働省は対応してくれたとの趣旨の発言をして、保有個人情報開示請求書の「開示請求に係る保有個人情報」欄に「口頭意見陳述の全ての(1)録音のテープおこしと(2)視聴」と記入するとともに、欄外に「(2)の場合は(1)の後」と追記して請求を行った。

職員が厚生労働省職員に電話で確認したところ、「生活保護の再審査請求では、口頭意見陳述の内容を本人に郵送し、確認訂正等をして返送してもらう取扱いはあるが、テープ自体を直接本人に聞かせた取扱いは、担当者の記憶の限りではない。」との回答であった。

このため、実施機関では、申立人の請求の趣旨は、テープ自体を聞くことではなく口頭意見陳述内容の文書を閲覧する旨の請求と認識して対応したものである。

5 審査会の判断

当審査会において、本件処分について、申立人及び実施機関の主張を検討した結果、次のように判断する。

(1)本件処分の妥当性について

申立人は、平成21年4月24日、審査会で口頭意見陳述を行った後、同日付けで本件対象保有個人情報の開示請求を行ったものであるが、実施機関が口頭意見陳述内容の文書の下書き(初稿)を反訳委託業者から受理し、組織共用文書として、本件対象保有個人情報を保有することが可能となったのは平成21年5月15日以降であると確認できる。したがって、本件対象保有個人情報については、開示請求の時点では口頭意見陳述内容の文書の作成前のため存在していないものであり、また、本件処分の時点にも存在していなかったことが認められる。

なお、実施機関が申立人の請求の趣旨を、テープ自体を聞くことではなく口頭意見陳述内容の文書を閲覧する旨の請求と認識して対応したことについても、その旨の実施機関の主張を記載した理由説明書に対して、申立人から反論書の提出がなされていないことから、実施機関の説明の内容に不自然、不合理な点は認められない。

したがって、実施機関が、開示請求に係る保有個人情報を保有していないため開示をしないとした決定は、妥当である。

(2)結論
以上のことから、「1審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)

海老原夕美、西村淑子、松村雅生

審査会の経過

年月日

内容

平成21年6月17日

諮問を受ける(諮問第33号)

平成21年8月14日

実施機関から理由説明書を受理

平成21年9月28日

審議

平成21年10月20日

審議

平成21年12月22日

審議

平成22年1月18日

審議

平成22年2月16日

審議

平成22年2月25日

答申

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総務部 文書課 情報公開・個人情報保護担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

ファックス:048-830-4721

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