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掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(浅井明議員)

無電柱化計画について

Q   浅井明議員(自民)

無電柱化推進に関する法律が平成28年12月に施行され、この法律第7条に基づく無電柱化推進計画が本年4月6日に国土交通省より策定されました。日本の無電柱化はアジアの主要都市と比較しても大きく立ち遅れ、全国に約3,600万本の電柱が林立し、毎年約7万本ずつ増えているそうです。
この無電柱化推進計画に取り組む姿勢として、1つ目に、増え続ける電柱を減少に転じさせる歴史の転換点とする。2つ目に、事業と制度を両輪として無電柱化を推進する。3つ目が、国、地方公共団体、電線管理及び国民の密接な連携により推進を図るとされています。その上で、関係者のそれぞれの責務に基づき適切な役割分担により、無電柱化推進をしていくこととされています。
さて、埼玉県の無電柱化の推進についてですが、平成28年9月定例会一般質問で、今は亡き藤林富美雄議員から無電柱化の推進について質問がありました。それに対する県土整備部長の答弁は、通行区間の安全性、快適性の確保や良好な景観形成、防災性の向上を目的とし、無電柱化の整備が可能な2.5メートル以上の歩道幅員を有する箇所について整備を進めるとのことでした。
この2.5メートル以上の幅員を私は疑問に感じています。幅員が2.5メートル以上あれば、電柱がある場所でも歩行者や車椅子等の譲り合いは必要ですが、車道と分離されており、比較的安全な歩道だと思います。本当に通行空間の安全のために無電柱化が必要なのは、歩車道の区別のない狭隘な道路ではないですか。
旧中山道や旧日光街道は、江戸時代に宿場町として形成され、牛馬やかごの通行に合わせた街路です。しかし、現在の旧街道は江戸時代の規格に合わせた街路に電柱が林立し、そこに車両が通行するわけですから、江戸時代よりも危険な街路です。一部は高度成長期にセットバックや街路整備がなされていますが、多くの街路は1メートル程度の歩道や段差もないペイント舗装歩道です。ここに数十メートル置きに直径30センチの電柱が占有しているわけです。道路幅自体が狭いので、歩行者や車椅子、自転車など、電柱をよけるたびに自動車から警笛を鳴らされたり、また、車は反対線によけたりし、ともに危険な状態であります。
このような街路に立地する商店街の多くが不振にあえいでいます。大型店の出店など、商業環境の変化もありますが、危険な道路状況が消費者を追い払い、不振の大きな要因となっています。確かに、今までの共同溝方式では一定の幅員の確保が求められ、費用も1キロメートル当たり5.3億円の負担、内訳としては、電線等管理者1.8億円、道路管理者3.5億円が発生すると言われています。
しかし、新しい工法となる浅層埋設、小型ボックス活用埋設、直接埋設など、低スペース、低コストの工法が開発されてきており、京都先斗町では小型ボックス方式で幅員2メートルの狭隘の道路で実証実験が行われ、整備されました。政府でも法制度を整備し、狭い歩道や歩道のない道路も無電柱化が進めやすくする方針としたようです。
埼玉県においても、広い道路を優先するのではなく、より必要性の高いと思われる歴史的な旧街道の狭隘道路の無電柱化を望みます。それにより安全・円滑な交通確保のほか、歴史的景観も再認識され、繰り返しになりますが、聖火リレーに選定いただくことも併せて、地域の新たな一面を気付かせる場所になると考えます。
そこで、県土整備部長にお尋ねします。県の今後の狭隘道路の無電柱化の計画や見通しをお聞かせください。

A   西成秀幸   県土整備部長

道路の無電柱化は防災性の向上をはじめ、安全で円滑な通行空間の確保や良好な景観形成など地域の活性化にも寄与するものと認識しております。
議員御指摘のとおり、狭隘な道路では歩行者や自転車が電柱を避けることで車と接触する危険性が高まるなど、電柱が交通安全上の障害となっている状況です。
電線類を地中化する場合には、地上機と呼ばれる箱型の設備を地上に設置する必要があります。
狭隘な道路では、この地上機を道路の区域外に設置する必要があり、その用地の確保が大きな課題となるため、市町村や地元の協力が必要不可欠となります。
また、無電柱化を進めるうえで電線類を地中化する費用や水道管などの既設の占用物件の移設にかかる費用の大きさも課題の一つです。
現在、国では低コスト化やコンパクト化に向けた技術開発を進めており、県といたしましても、これらの新しい技術を積極的に取り入れてまいります。
今後、県では「無電柱化の推進に関する法律」に基づく埼玉県無電柱化推進計画を策定してまいります。
この中で、幅員の広い道路のみならず、防災性の向上や地域の活性化などの観点から整備効果の高い路線を選定し、無電柱化に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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