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掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(諸井真英議員)

新しい学習指導要領はAI時代に対応できるのか

Q   諸井真英議員(自民)

2022年度から実施予定の高等学校学習指導要領が今年3月に発表されました。そこには、「知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成」とか、「『生きる力』を子供たちに育む」とか、もっともらしい言葉が並んでいましたが、抽象的な言葉が多く、全体を通して、国としてこういう日本人が必要なんだという教育の柱、軸となる理念が全く感じられませんでした。理念、コンセプトがはっきり分からないのに、カリキュラムや教科を小手先でいじったところで、時代についていけず、何の意味もないと思います。
今回の学習指導要領は、4年後に使用を開始します。つまり現在の小学6年生から、その内容で学ぶことになります。彼らが35歳くらいで最も仕事で活躍するというふうに仮定をしますと、それは2040年代となります。であるならば、2040年代はどんな時代で、そこで活躍するのはどんな人間で、それに対応する能力をつけるにはどうするのか、それにはこれから何をなすべきなのかということが、今の日本の教育の最重要テーマではないかと考えております。
まず、文科省出身の教育長に伺いますが、教育長は、2040年代がどのような時代で、どんな能力を持った、どういう人が活躍できるとお考えでしょうか。また、この学習指導要領でそういう能力が身に付くような内容になっているとお考えか、御所見を伺います。
小松教育長は、昨年、教育長就任に当たり、県教委だよりの中で、こう述べています。「今の子どもたちが大人になる、例えば20年後、私たちの生活はどのように変化しているでしょうか。AIが人間に代わって様々なことをやっているかもしれません。子どもたちには、そのような変化に柔軟に対応できる力、欲を言えば先取りする創造性を身に付けてほしい」、その認識には同感であります。
では、どうするんでしょうか。そこまで分かっているのに、今と同じような教育をやることはできないはずであります。であるのに、教育長が着任されてから埼玉の教育が何か変わったとか、先を見据えてこういうことを始めたとか、そういう話は余り聞いたことがありません。
そこで、まず、そもそも教育長は埼玉県の現状を御存じなのかという疑問が出てきます。文部科学省というのは、現場がほとんどない役所であります。埼玉県出身でも在住でもない教育長は、虚心坦懐に埼玉県の実情を知るべきだと、そのように考えております。
そこで、お伺いをいたしますが、1点目、今まで教育長は県内の学校現場を何か所、何回訪れたんでしょうか。
2点目、各市町村の教育関係者との意見交換は何回しましたでしょうか。
3点目、今まで未訪問の市町村は幾つありますでしょうか。あるとすれば、早急に訪問をし、意見交換すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
最後に、埼玉県の実情をよく知った上で、あるべき未来像を見据え、新しい学習指導要領から更に一歩踏み出した教育を行う必要があると感じますが、どのようなリーダーシップを発揮してやっていくのか、小松教育長にお伺いをいたします。

A   小松弥生   教育長

まず、「2040年代がどのような時代で、どういう能力を持ったどういう人が活躍できると考えるか、また、この学習指導要領でそういう能力が身に付く内容になっていると考えるか」についてでございます。
2030年頃には、IoTやビッグデータ、AI等の技術革新の進展により、社会や生活を大きく変える超スマート社会の到来が予想されております。
2040年代にはこうした変化が更に進み、そのような中で教育の役割は更に大きくなっていくものと思われます。 
さらに、生産年齢人口の減少、埼玉県では、ピーク時の2000年の501万人から2040年には370万人と26%の減が想定されておりますが、これが社会の様々な面に影響を及ぼすとともに、国際社会での日本の位置付けの変化、環境問題など地球規模の問題の深刻化などが想定できます。
そのような中で求められるのは、まず、どのような時代にあっても身に付けておくべき基礎、基本の力、そして、どのような変化にも柔軟かつ創造的に対応できる力であり、正に、教育の、不易と流行が重要であると考えております。
学習指導要領においては、まず、基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させることとしております。
そして、こうして培った基礎を基に、どのような課題にも対応できるようにするため、思考力、判断力、表現力等を育み、他者とも協調を図りながら実際に行動を起こしていく力を育んでいくことが示されております。
これは議員から御指摘のありましたこれからの時代に必要な能力の育成と相通ずるものと理解をしております。
次に、「今まで教育長は県内の学校現場を何か所、何回訪れたのか。」でございますが、これまで県内公立学校34校を1回ずつ訪問しております。
次に、「各市町村の教育関係者との意見交換は何回したのか。」でございます。
市町村立小中学校については15校を訪問しました。その中で、それぞれの自治体の教育課題や各学校の特色ある取組について、教育長や校長、教職員と意見交換を行いました。
これに加え、教育長等との意見交換については、県庁内において、20回実施いたしました。
次に、「今まで未訪問の市町村はいくつあるのか。」についてですが、小中学校を訪問していない市町村は、52市町村でございます。
次に、「早急に訪問すべき」についてですが、教育行政を進める上で、学校や市町村の実情を把握することは大変重要なことですので、時間の許す限り、できるだけ多くの市町村を訪問してまいります。
次に、「埼玉県の実情をよく知った上で、新学習指導要領からさらに一歩踏み出した教育を行う必要があると感じるが、どのようなリーダーシップを発揮してやっていくのか」について、でございます。
どれほど学校や市町村を訪問したとしても、私個人で埼玉県の全ての現状を把握できるとは考えておりませんので、教育委員、職員や学校関係者の知見をもらいながら、県議会の御指導もいただきつつ、教育長の任に当たっております。
これまで埼玉県では、主体的・対話的で深い学びを推進する「協調学習」や、地域と連携した学校応援団、子ども大学など、本県独自の先進的な取組を進めてきております。
まずは、これらの取組をしっかり定着、発展させ、全国にも発信していくことが重要であると考え、そのように取り組んでおります。
特に、県の学力・学習状況調査に関しては、蓄積しているビッグデータを活用して、一人ひとりに合った学びについて研究していきたいと考えております。
また、私は日頃、「開かれた学校づくり」ということを強調しております。
これは、学習指導要領にある「社会に開かれた教育課程」よりも広いねらいを持っております。
一つには、子供たちが学校で学んだことを、地域の課題解決のために実践に結びつける能力を身に付けていくということ、もう一つは、学校がまちづくりの中で役割を果たす存在となり、学校と地域社会の新しい関係が構築されるということでございます。
「埼玉の教育が日本の教育をリードする」という気概をもって、本県教育の充実・発展に努めてまいります。

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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