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ページ番号:133017

掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)

障害児の放課後等デイサービスの充実を

Q   柳下礼子議員(共産党)

人はそれぞれに子供の頃の放課後の思い出があります。私は、ドッジボール、バスケ、砲丸投げ、ダンスなどです。誰と遊ぶ、何をして遊ぶといった放課後活動での経験が、大人になったときの自分らしい生活を実現する力につながります。また、放課後の活動の充実は、家族の就労保障、家族が自分らしい生活を続けることへの糧にもなります。障害児にとってはより切実で、重要な課題です。
私は、今月設立して6年目になる所沢市の放課後デイサービスを訪問し、通園している子供さんが伸び伸びとおやつを食べたり指導員と触れ合う様子に感動しました。この施設は学校までお迎えに来、自宅まで送っています。施設長自身が障害児の育児に悩んだ経験から、お母さんが少しでも楽になればと親の苦労に寄り添い、献身的に頑張っています。私はこのような放課後デイがさらに充実され、医療的ケアなど重度の子供たちへ広がることを希望します。知事、放課後デイの意義について見解を求めます。
2012年に放課後デイという形態ができて以来、事業所数は急速に増えています。ところが、この4月の厚労省による報酬の改定によって、放課後デイが重大な岐路に立たされています。障害のある子供たちの放課後保障全国連絡会の緊急調査によると、実に約2割の事業所が廃止の危機にあるというのです。6月12日には、障害児施設の職員と保護者が国会内に集まり、報酬削減見直しの要望書を厚労省に手渡しました。参加者から、職員の給与をカットしないと運営が成り立たないなどの切実な声が寄せられました。
今回の報酬改定は、入所施設やグループホームなど入所系障害者施設に比べて、就労支援やデイサービスなど、通所系施設が黒字であることから、通所系を改定したとのこと。そもそも国の障害者施策自体が不十分であり、通所系の報酬を入所系に回すようなやり方は絶対に認められません。
さきに述べた保護者たちの切実な要望に対して、厚労省は自治体を通じて実態把握に努めると回答しています。知事、早急に県内の放課後デイについて、報酬改定の影響を把握し、その結果をもとに放課後デイの報酬の改定見直しを強く国に働き掛けるべきです。2点、答弁を求めます。
今回の報酬改定の背景には、利潤を追求し、支援の質が低い事業所が増え、問題化したこともあります。放課後デイに関する毎日新聞のアンケートでも、利用が広がる一方、安全性に対する懸念が生じています。放課後デイの質の向上のために、県としてどのように取り組むのか、福祉部長、御答弁ください。

A   上田清司 知事

放課後等デイサービスの意義についてでございます。
放課後等デイサービスは障害のある子供たちを単に預かり、見守るだけではなく、集団生活の中で遊びや交流を通じて成長と発達を促していく役割がございます。
また、日頃から在宅で障害のあるお子さんを介護している御家族の負担を軽減するというレスパイトといった役割もございます。
放課後等デイサービスは共働きの夫婦が増加し家庭環境が変化する中、障害のある子供の健全な育成を図るとともに、その家族の日常生活を支えていくため必要なサービスだと認識しております。
極めて重要な役割を果たしているものだと思っております。
次に、県内の放課後等デイサービスの実態を把握し、放課後等デイサービスの報酬の見直しを強く国に働き掛けることについてでございます。
放課後等デイサービスについては、今回の報酬改定においてこれまで一律の単価設定になっていたものが日常生活の介助の程度などに応じて報酬が見直されたものでございます。
障害福祉サービスの経営実態調査を踏まえ、報酬単価を障害の重度化や医療的ケア児の支援などに重点的に配慮したものになっております。
また、看護職員を配置した場合の加算が創設されるなど、医療的ケア児への支援を行う事業所が評価される仕組みにもなっております。
このように、今回の改定では放課後等デイサービスの報酬体系の大きな見直しがあり事業者への影響が懸念されたため、事業所や団体に聞き取りを行っております。
その中には改定前の報酬に比べ収入が下回る事業所もあり、今後の運営が厳しくなったなどの御意見がございました。
改定は4月に行われましたが、実際に報酬が支払われるのは6月ということもあり、その実態については現時点ではまだ定かにはなっておりません。
県といたしましては引き続き、県内の事業者に運営状況の確認を行いつつ国の実態把握の結果と照らし合わせ、改善すべき点については見直しを行うよう強く国に働き掛けてまいります。

A   知久清志   福祉部長

県内の放課後等デイサービス事業所は、平成30年3月末時点で602か所となっており、5年間で約3倍に増加しています。
事業所が急激に増加しサービスの利用が拡大する一方で、サービスの質が低い事業所が増えているとの指摘もございます。
そのため、県では毎年、事業所職員を対象に障害特性に応じた支援のあり方や、事故への対応方法などの研修を実施しております。
また、国が定めた「放課後等デイサービスガイドライン」の周知を図るとともに、研修を通じその内容の理解を図っております。
平成29年度からは、ガイドラインに沿ってサービスが提供されているかどうか、事業者と利用者の保護者が評価し、その結果と改善内容を各事業者が公表することを義務付けられております。
さらに、適切な施設運営を確保するため、原則として、3年に1回、事業所を実地に訪問し監査を実施するとともに、毎年、全事業者を集めて運営に係る不適正事例などを説明し、事業者を指導しております。
また、利用者の安全を確保するために、事故・事件が発生した際には、速やかに報告するよう指導徹底しております。
その報告内容により、必要に応じ現地確認を行い、再発防止策の策定とその徹底を指導しております。
県といたしましては、障害のある子供の健全な育成を図るため研修や事業者指導など、あらゆる機会をとらえて、放課後等デイサービスの質の向上を図ってまいります。

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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