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掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (浅井 明議員)

埼玉県知事の在任期間に関する条例について

Q 浅井 明議員(自民)

平成16年8月3日に公布された埼玉県知事の在任期間に関する条例、いわゆる多選自粛条例第52号について質問をいたします。
先日の荒川岩雄先生の質問と似るところがありますが、日ごと、この条例に対する県民の関心が高まってまいりましたので、埼玉県議会議員の責務として、あえて質問をさせていただきます。
当時、あちらこちらの会社や自治体で多選による不祥事が相次ぎ、多選批判が繰り返されました。この条例が公布された平成16年8月3日の当時の知事は、上田清司知事、あなたですね。上田さん、あなたが現在3期目を在任中です。すると、少しおかしい話を聞きました。
上田さんが、今年の8月の知事選に出馬するとプレス発表をされましたね。あなたは、出馬するということは4期目を目指されるということです。この条例は、上田知事、あなたが提案なさったものですね。あなたが提案し、議会で可決・承認されたこの52号条例は、どのような扱いになるのでしょうか。条例とは、憲法第94条で規定された地方公共団体が法律の範囲内で独自に制定できる1つの法律です。法律を破れば、当然罰せられます。法律を破ってよいのでしょうか、上田知事にお答え願います。
条例第52号には、確かに罰則規定がありません。しかし、罰則規定がないというのは、逆に大変重大なことです。例えば禁固刑や罰金、過料が科せられた場合、それに服すれば、しょく罪がなったとみなされます。罰則がないということは、しょく罪がなされず、その罪を一生背負うことになるのではないですか。このことをどのように考えますか、お聞きかせください。
知事が公布、施行された条例を知事が破り、平然としている。日本は法治国家です。また、古来より道徳を大切にしてきた国民です。スポーツの世界では、反則わざを繰り出して勝利しても、勝利は取り消され、厳しい糾弾を受けます。教育の現場でも、お互いがルールを守ることで相手を尊重し、秩序ある生活ができるということを学習します。政治の世界だけ、おきて破りが許されるのですか。ロシアのプーチン大統領は、多選批判を首相との入れ替わりの裏わざで翻しました。これも各国や国民からはブーイングでしたが、法律を破った候補者を推薦や選挙応援する一部の首長さんや議員さんは、御自身の市町村の有権者や後援者にどのように説明されるんでしょう。今後が気になるところでございます。このことを子供たちにどのように説明なさるのですか、お伺いします。
法律を破っても、罰則がないから、御自身で制定した法律だから自分で破るのは構わない。被選挙権の要件を失っていないから、法律を破っても立候補できると説明なさるのですか。埼玉県には努力規定を設けている条例が57あります。そのうち、知事に義務付けをした条例は8つありますが、これらの条例も第52号同様、守らず、破ってもよいとお考えなのですか。他の条例との整合性をお尋ねします。
県条例は、県民と行政、知事との法律であり約束です。第52号条例にあるとおり、知事は幅広い権限を有します。権限を与えられているということは、その知事職の厳格性に裏打ちされなければなりません。上田知事、あなたはこのままですと、県民との約束を破った知事として永遠に埼玉県政に名前が刻まれるのではないでしょうか。上田清司知事が、法と秩序と議会制民主主義の下、正しい判断の御答弁を期待して、次の質問に入ります。

A 上田清司 知事

まず、自粛条例を自ら破ることについての責任をどう考えるかでございます。
この条例は、私が最初の知事選挙に臨むに当たり、当時の埼玉県政への信頼の揺らぎなどもあり、また県政の信頼回復をすることも重要だと思って、27のマニフェストの中の一つとして制定をさせていただきました。
その当時、国会議員時代に超党派のメンバーでこの多選問題について勉強会などで一生懸命やっておりました。
そのときは、知事あるいは政令市の市長などについては、3選までというような「禁止」を法律に制定すべきではないかというぐらいの考え方を当時のメンバーでは持っておりました。
そういう気分を私は、そのまま知事選挙のマニフェストの中に入れてまいりました。
ただ、条例を審議していただく過程の中で、職業選択の自由、立候補の自由など、憲法上に課題があることとか、あるいは、首長の直接公選制という民主主義の根幹に関わる問題などに課題があるのではないかという御指摘もいただき、そこで禁止ではなく「自粛」という形で、「連続して3期を超えて存在しないよう努める」という努力義務規定としての「自粛条例」になった経過がございます。
今思えば、当時観念論に陥り、地方自治の実態について私自身が十分に踏まえていなかったこと、正に自らの不明を恥じるところでもございます。
条例破りではないかとの御指摘でございますが、この条例は今申し上げましたように、自粛であって立候補そのものを禁止しているものではありません。立候補が条例違反になるという話にはつながらないわけでございます。
しかし、私自身がぎりぎりまで努力をして、結果として自ら課した努力義務を守り切れなかったこと、そのことについては荒川議員の御質問にもお答えしたとおり、正に私自身の不徳の致すところだと、このように申し上げたところでもございます。
2つ目に子供たちにどのように説明するのか、という御質問ではないかというふうに理解しておりますが、政治家の出処進退を子供たちにどう説明するのかというのは、これはなかなか困難だというふうに思っているところでございます。
他の道徳と政治家の出処進退を比べて、一概に申し上げるというのはなかなか辛いことではないかと思います。
時代、環境、条件などが変化している中、ぎりぎりの努力をしてそれが困難な時、当初の選択と異なる場合がある、それを含めての評価がなされるのではないかというふうに考えるところでございます。
他の条例の努力義務との整合性についてでございますが、他の一般の条例における知事の努力義務とは異なり、多選自粛条例で政治家に課せられた努力義務は、個人の信条が問われるものであり、選挙で県民がその是非を判断する仕組みが担保されているものだと考えております。
最終的に県民の審判を仰ぐ機会がありますので、条例のある中で、今後の埼玉県政のために、自ら取り組まなければならないことについて、その決意や経緯について、これまでの実績や今後の政策などと併せて説明責任を果たしていきたいと考えております。 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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