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ページ番号:58431

掲載日:2023年5月18日

平成27年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (石渡 豊議員)

一級河川・江川の氾濫をなくそう

Q 石渡 豊議員(公明

2か月半前の7月16日、台風11号が本県を襲い、氾濫した江川が通学中の桶川西高校の生徒の尊い命を奪いました。御遺体が発見されたとの報を受け、私は事故現場と遺体発見現場を訪れ、手を合わせ、心より冥福を祈らせていただきました。
校長先生は話されます。この子は成績は非常に良く、まじめな子。部活動に熱心に取り組んでおり、学校も全然休まなかったと。本当に痛ましく、無念です。江川という川は鴻巣市、北本市、桶川市、上尾市と流れ、水は管路をくぐり荒川へと注ぎます。この江川、氾濫常習河川です。桶川市と上尾市への調査を基に、この10年間の被害を申し上げます。
道路冠水は118件、車両の水没は5件、工場内浸水もありました。今まで、人命が失われなかった、幸いとしか言いようがありません。流域の住民は、江川の氾濫をなくしてほしい、早く改修してほしいと長年要望なされています。江川を管理する本県にも、そのお声は届いています。
ここで、事故当時の模様を申し上げます。江川沿いの田んぼの横に桶川西中学校があります。当時、雨降る中、教師3人が現場付近に立ち、通学する中学生の安全を見守りました。時々刻々と雨の勢いは増し、午前8時、江川は橋桁の直下まで急激に増水、8時10分、教師が学校に戻ろうとしたその時です。江川の対岸の坂を自転車で下りてくる人を発見、高校生です。土砂降りの雨の中、声は届かずとも、先生は「危ない」と叫ばれました。高校生は、冠水した道の途中で停止、Uターンをしかけたところで川に流されました。激流が現場を襲ったのです。自転車を運転なさる方は御存じでしょうが、水深5センチでも激流の中では自転車はコントロールできません。高校生は激流にのみ込まれました。
それでは、江川改修の進捗状況を申し上げます。13年前、既に用地買収は97パーセント終えております。ところが、この13年間、工事は止まったまま、理由は治水よりも環境を優先し過ぎて検討してきたからであります。
環境とは何か。それは、湿地帯に生息するサクラソウ科の植物の保護です。その名は、「サワトラノオ」といいます。本県には、埼玉県希少野生動植物の種の保護に関する条例があります。本条例では、希少種の保護を2つに分類しています。1つは、捕獲の制限だけをかけるもの、もう1つは特定種とされて、厳しい規制をかけるものです。サクラソウ科のサラトラノオは、どう分類されているか、特定種ではありません。移植もできます。また、生育地は保護区でもありません。
知事にお伺いします。
1点目です。私たち政治家は、「人の命は地球より重い」と言います。私も今、この言葉をかみしめています。江川改修に当たっては、環境よりも人の命を守る治水を優先すべきと考えます。
2点目です。8月28日、流域四市の市長、議長で構成する江川改修促進協議会の皆様とともに、国土交通大臣に面会し、支援を要請してまいりました。協議会の皆様は、高校生の死を絶対に無駄にはしないとの決意です。また、江川は河川法に基づき、改修の法定計画も既に定められています。さらに、3日前の9月28日、桶川市議会は江川改修の促進を求める意見書を全会一致で可決なされました。「いよいよ時を迎えた」と考えます。本県は、期限を定めて早期に工事の実施計画を策定すべきと考えます。
以上、2点、知事の不退転の決意をお聞かせください。
次に、県土整備部長にお伺いします。
江川の治水は待ったなしです。治水に絶大な効果を発揮するのは調節池や排水機場の建設です。本県は、江川改修に当たっては調節池や排水機場の建設を位置付けるべき、その上で5か年の工程表を示すべきと考えます。県土整備部長の御所見をお伺いします。

A 上田清司 知事

まず、「一級河川・江川の氾濫をなくそう」のお尋ねのうち、江川改修の考え方についてでございます。
去る7月16日早朝、女子高校生が通学途中、江川に流されるという、そして亡くなるという大変痛ましい事故が発生いたしました。改めて御冥福をお祈り申し上げます。
人命尊重が何よりも重要であることは当然であります。
そのため、このような事故が二度と起こらないように、すぐにできる緊急的な対策を実施するよう指示をいたしました。
まず、事故が発生した橋を含めた3か所の橋周辺部について、河川と道路の境を明確にし、河川への転落を防止するための柵を設置いたしました。
また、江川の水位や雨量、県道の橋に設置した監視カメラの映像などの河川情報の活用について、改めて関係市に働きを掛けました。
9月の台風18号の増水時には、桶川市がこの情報を活用し、市内の学校に対する注意喚起などを行ってようです。
お尋ねの江川の改修につきましては、下流部の環境保全にも一定の配慮を行ってきたところでございます。
今回このような事故がありましたので、人命尊重を第一に考え流域の安全確保を図るため、改修をスピーディーに進めていくことが必要と考えます。
次に、期限を定めて早期に工事の実施計画を策定すべきではないかということでございます。
江川の改修については、環境保護団体との間で下流部の希少植物の保全について議論を継続してきた経緯もあり、時間が掛かっておりました。
しかし、希少植物の保全の議論は、下流部に限定されている以上、上流部での河川の改修は特に問題がない、このような判断できます。
このため、環境保護団体にも御理解いただき、事故があった上流域の安全を早急に確保するため、年度内に上流部の工事の事業実施計画を策定いたします。

A 浅井義明 県土整備部長

江川の整備に関しましては、法定計画である荒川水系荒川左岸ブロック河川整備計画を平成18年2月に策定いたしました。
この計画では、江川上流域において調節池による洪水調節を行うことを定めております。
本来、河川改修事業は下流から整備を進めるところでございますが、事故が発生した上流域の治水安全度を早期に高める方策について、調節池整備を先行することも視野におきながら技術的な検討を行っているところでございます。
上流域の工事の実施計画については、年度内に策定をしてまいります。
一方、排水機場に関しましては、国が管理する荒川の堤防を横断する宮下樋管の改築とも関連する事項ですので、その必要性も含め、今後、国と協議を進めてまいります。
調節池につきましては、国の交付金の対象となりますので、事業実施段階において、事業の工程表を明示してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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