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ページ番号:58691
掲載日:2023年5月18日
Q 萩原一寿議員(公明)
東日本大震災以降、首都直下型地震発生の切迫性が増しており、本県内でも甚大な被害が予想されています。
ところで、大地震発生時のマンション内の救助活動は遅れているのではないでしょうか。平面的な活動が中心の町会、自治会の防災組織では対応が困難であり、また、初期段階において消防、自衛隊などの救助や支援を受けることもほとんど期待できないのではと考えます。震災時に自分たちのまちは自分たちで守るという共助の部分が重要です。更にいえば、マンションの防災活動は基本的に共助の取組でありますが、多くのマンションにおいては積極的な防災対策を行わなければ、マンション住民の安全は守れないと考えます。
本県は、平成25年にマンション震災時活動マニュアル作成の手引を発行しており、その中でマンション管理組合は平時から防災に関して継続的かつ専門的に検討し、活動できる体制をつくることが大切、マンション防災活動組織の設置が必要と記載されています。
ところで、防災活動が特に優良なマンションとして総理大臣表彰を受賞した兵庫県の加古川グリーンシティが防災活動を進めるきっかけは、補助制度であったと言われています。補助制度は、資金面の支援というよりも、合意形成に大きな役割を果たせると考えます。平成22年度に実施した埼玉県分譲マンション実態調査によると、防災避難等のマニュアルの作成は26.2パーセント、防災避難用具の確保は33.7パーセント、非常食・飲料水等の備蓄は9.5パーセントというように、マンションの自主的な防災活動は十分に進んでいません。マンションの防災活動が進まない大きな要因として、合意形成の難しさがあります。マンションの自主的な防災活動を進めるための合意形成を図るには、第三者である専門家による合意形成支援が必要と考えます。
既に、県が市町村と連携してマンションの防災対策に関わる支援を行っていますが、更にあらゆる角度からの支援が必要です。そこで以下、質問します。
1点目として、県内におけるマンション防災組織結成のために、今後本県としてどのように取り組んでいくお考えか伺います。
2点目として、防災備品を管理組合で備蓄しようとする場合、県内市町村における防災資機材の補助制度の現況について、また今後、県として管理組合に対する補助制度を充実させるための考えがあるのか、以上2点、危機管理防災部長に伺います。
3点目として、合意形成を進める支援策として、埼玉県分譲マンションアドバイザー制度によるマンション管理士を管理組合に派遣することが有効であると考えますが、都市整備部長にお考えを伺います。
A 小島敏幸 危機管理防災部長
まず、1点目のマンション防災活動組織結成のために今後、県はどのように取り組んでいくかについてです。
県では、市町村とともに県民の皆様が「自分の命は自分で守る」「自分たちのまちは自分たちで守る」という自助・共助に取り組んでいただけるよう施策を進めてまいりました。
平成22年国勢調査によれば、県内で約34万世帯がいわゆるマンションにお住まいです。
マンションは地域とのコミュニケ―ションが希薄になりがちとも言われる中、一つの建物に小さなお子さんからお年寄りまで様々な構成の多くの世帯が居住されております。
一方、災害時にはトイレやエレベーターも使えなくなる可能性があり、一般の住宅にも増して助け合いが必要になります。
各マンションの事情をよく御承知の住民の方々が、地区毎の自治会とは別にマンション単位で自主防災活動を行うことは意義のあることです。
その場合、リーダー養成研修制度や資機材整備の補助制度を活用いただくこともできます。
県としましては、市町村を集めた会議で制度を周知するほか、ホームページやマンション居住支援ネットワーク等を通じ、活発な活動事例を紹介するなど啓発にも努めてまいります。
次に、2点目の市町村における防災資機材の補助制度の現況、マンションに対する補助制度充実の考えがあるかについてです。
県内62市町村で金額に幅はありますが、自主防災組織に対する防災資機材整備の補助制度が設けられています。
県は、その補助額の1/2を上限に市町村に補助を実施しております。
平成26年度は、申請のあった38市町村に補助を行いました。
県といたしましては、今後、市町村がマンションを含む自主防災組織の立ち上げに関して支援をした場合に、県の防災資機材整備の補助金を重点的に配分することを検討し、引き続き自主防災活動の活性化に努めてまいります。
A 秋山幸男 都市整備部長
お話しのとおり分譲マンションには、多数の方がお住まいになっているため、合意形成が難しいという課題がございます。
そこで、県では「埼玉県分譲マンションアドバイザー登録制度」を平成26年度に創設し、アドバイザーにはマンションの修繕など維持管理に関する合意形成のプロとして、専門的な見地から管理組合などに助言を行っていただいております。
一方で、分譲マンションアドバイザーはマンション管理士の資格は持っておりますが、防災の専門家とは限りません。
そこで、防災面では地域の実情に精通した市町村が支援をし、合意形成に関する面ではアドバイザーが支援をする、というように役割を分担し、協力しながら、マンションの防災対策を進めることが有効と考えます。
今後、危機管理防災部とも協力して市町村へアドバイザーの活用を周知し、マンションの自主的な防災活動につなげてまいります。
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