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掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (新井一徳議員)

特別支援学校の在り方とは

Q 新井一徳議員(自民)

最近、障害のあるお子さんを持つ保護者の方から御相談をいただく機会が増えております。共通するのは、お子さんが将来自立して生きがいを持って働くことができるようにという切実な願いであります。先日も、軽度の知的障害のある男子中学生の母親から、「この子が生き生きと働く姿を見たいんです。しかし、今の制度では希望する特別支援学校もなかなか入学が難しいようで」と、悩みを打ち明けられました。
県内には、現在、軽度知的障害を対象に将来の就労を目指すカリキュラムに力を入れた特別支援学校の高等学園、高等学校内分校が2校3分校あります。先日、羽生ふじ高等学園を視察してきました。同校は、農業技術科と生活技術科の2学科を有し、全カリキュラムの半分を将来の就労を目指した専門教育に充てています。訪れた当日は、生徒たちがメロンや鉢植えの花卉などの栽培、パンづくりなど、実習の授業に熱心に取り組んでいました。即戦力として働けるようにとの狙いから実習授業は本格的なもので、生徒たちもたくさんのことを吸収しようと、目を輝かせていました。このような取組が実を結び、卒業生のほとんどが就労できており、教員が卒業後のフォローもしているため、定着率も高いそうであります。
実は、この学校は、希望する全ての子供たちが入学できないという厳しい現実問題があります。この春の入学選考倍率は1.93倍、毎年1.5倍を優に超える高倍率であります。この2校3分校の今年の春の倍率は1.70倍、公立高校全日制の平均倍率が1.18倍でありますから、どれだけ高いかがお分かりいただけるかと思います。羽生ふじのような特別支援学校は、あくまで卒業後に健常者と同じようにひとり立ちして、自立した生活を送れるように専門的な知識や技術を習得させるのが主眼で、一般の公立高校とは設立した趣旨が明らかに異なるはずです。にもかかわらず、2校3分校に入学を希望する生徒は高い競争倍率にさらされ、不合格になる生徒もたくさん生まれています。
ここで、1つ目の質問です。この高い競争倍率で推移する現状を正常とお考えでしょうか。全ての生徒が入学できるようにすべきと考えます。来春、入間市に同様の特別支援学校が誕生すると伺っていますが、今の状況が完全に解消できるのでしょうか。解消できないのであれば、新たな学校設立や既存の2校3分校で定員を増やすことも検討すべきと考えます。教育長にお伺いします。
今回の視察では、知的障害を持つお子さんが対象の本庄特別支援学校も視察してまいりました。この学校は、障害の程度が軽いお子さんから重いお子さんまで幅広く在籍しております。障害や発達の段階に応じたきめ細やかな教育をとのことで、高等部では、生活学習型、基礎学習型、職業移行型、職業自立型の4つに分けた類型化教育を始めて3年目になります。障害の特性を考慮して、生徒一人一人に合わせた教育を実現したいとの先生方の思いが、視察を通じて伝わってきました。しかし、本庄特別支援学校の取組は先進的な事例であり、県内に22校ある知的障害の特別支援学校のうち、本庄のような類型化教育を行っているのは、まだたったの3校に過ぎないということであります。
ここで、2つ目の質問です。先ほど御提案した学校の新設までの移行措置として、本庄のような類型化教育を他校でも速やかに導入すべきと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。

A 関根郁夫 教育長

まず、「入間市に特別支援学校を新設することにより今の状況が完全に解消できるのか。解消できないのであれば新たな学校設立や既存校の定員増を検討すべきではないか」についてでございます。
私も、生徒や保護者の就労に関する高いニーズがある中で、高倍率が続くことは望ましいことではないと考えております。
そのため、今定例会で新校の設置について御審議いただいております。
この新校における職業学科の定員は1学年60名を予定しており、これが実現すれば、職業学科全体の定員が1.5倍となり、入学選考の競争率は大きく緩和されるものと考えております。
今後も、県では生徒や保護者のニーズ、地域バランスなども踏まえ、総合的な観点から、軽度知的障害を対象とした特別支援学校高等部の在り方や定員などについて検討を進めてまいります。
次に、「本庄特別支援学校のような類型化教育を他校でも速やかに導入すべきではないか」についてでございます。
特別支援学校の高等部には、様々な障害がある生徒が在籍しております。
生徒一人一人の障害の状況や発達の段階に応じたきめ細やかな教育を行うことは、特別支援教育に課された大きな課題であると認識しております。
現在、県立の知的障害特別支援学校22校のうち本庄、春日部、草加かがやきの3校でカリキュラムの類型化を実施しております。
今後、これらの取組を参考に、生活学習型や職業自立型など、生徒の実態を踏まえた複数のカリキュラムを、平成28年度から全校へ導入することを目指し取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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