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掲載日:2023年5月18日

平成27年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (萩原一寿議員)

海外進出企業の支援について

Q 萩原一寿議員(公明

近年、我が国においては海外に進出する企業が増えています。中小企業庁がまとめた調査によると、中小企業が展開する海外現地法人は2006年の1,686社から増え始め、2012年は5,183社と3倍に増加しています。しかし、海外進出は決して容易な話ではありません。
民間の調査によると、海外進出企業で撤退した経験がある、もしくは撤退を検討している企業は全体の33パーセントに及びます。進出した企業が日本では経験したことのない想定外のトラブルに見舞われることも少なくないのです。進出する国の法制度や慣習などの知識が不足している中小企業も多いとの話もあります。そして、円安傾向が続く中、以前と同様に海外で収益を上げていくには困難な面があります。必要な情報についての助言や指導が大切になります。
ところで、政府は5年間で新たに1万社の海外展開を実現するとの目標を掲げています。県においても、更なる支援が必要と考えます。海外に進出している企業の支援について、本県では埼玉県産業振興公社に相談窓口があります。私は、何人かの方に同公社を紹介したことがありますが、率直に言って余り知られていないのではないかとの印象を持っています。もっとアピールすべきと考えます。そして、海外においては上海ビジネスサポートセンターがあり、ベトナム、タイにはサポートデスクがあります。それらの機関が先に上げた様々な状況に対応していけるようにすべきです。
そこで、以下、上田知事に4点質問します。
1点目として、前述した政府目標を踏まえ、本県中小企業に対する海外進出の支援について、どのようにお考えか伺います。
2点目は、埼玉県産業振興公社における海外進出企業に関する支援について、今後の取組と県民への周知について伺います。
3点目として、上海ビジネスサポートセンターをはじめとする海外の支援拠点の今後の取組について、併せてお尋ねします。
4点目として、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の本県誘致について伺います。
ジェトロは、具体的な支援の内容として、貿易の促進、外国との投資交流の促進、外国人との人的交流や技術交流の支援を行っています。しかし、ジェトロは全国42か所に事務所があるにも関わらず、本県内に独自の事務所はなく、東京都、群馬県とともに東京にあるジェトロの事務所になっています。今年4月、栃木県にジェトロが開設されました。それにより、相談件数が3か月で120件を超え、都内の事務所であった昨年と比べ、何と2倍のペースになっており、身近な相談拠点の開設が効果を生んでいます。本県にもジェトロの事務所を設置すべきと考えますが、知事の御見解を伺います。

A 上田清司 知事

まず、政府目標を踏まえた本県中小企業に対する海外進出の支援についての考えでございます。
人口の減少や高齢化の進展、経済のグローバル化が進む中で持続的な経済成長を実現するためには、県内中小企業も海外市場、特に成長著しいアセアンなど新興国市場に積極的に事業展開をする必要があります。
本年7月に県内の調査機関が997社を対象に実施した調査でも、回答した県内企業271社のうち製造業では約25%が海外拠点を設置しており、約6%が今後設置又は検討したいと言っております。
こうした県内企業がリスクを極力抑え1社でも多く海外でチャレンジし、海外で得た利益を県内での事業拡大、雇用創出につなげていけるよう、しっかりと支援してまいります。
次に、埼玉県産業振興公社が行う海外進出企業の支援について今後の取組と県民への周知についてでございます。
本県では、県内中小企業を熟知し豊富な支援ノウハウを有する産業振興公社と連携した海外展開支援を平成23年度より実施しております。
公社内に海外ビジネス支援グループを設置し、貿易投資相談や各種セミナー、情報交換会などによる情報提供や海外での展示会や商談会への出展支援を行っております。
4年間の主な成果は、現地法人の設立が25件、海外展示会・商談会では293社の出展を支援し69件の成約につながっております。
引き続き県と産業振興公社が連携して、意欲を持つ中小企業が海外で事業展開が図れるように適切な支援を行ってまいります。
県民への周知については、公社では約2,500の企業・団体・個人にメールマガジンにより公社の取組を情報提供するとともに、ホームページでも積極的に情報発信しております。
今後は、海外進出した企業の成功事例や海外展開に関するセミナーの情報をマスコミやSNSを活用して積極的に発信することなどにより、県民への周知というものを更に図っていきたいと思います。
次に、上海ビジネスサポートセンターをはじめとする海外の支援拠点の今後の取組についてでございます。
本県ではこれまで、県内企業の海外進出を踏まえ現地政府との協力関係を構築し、海外支援拠点を設置してまいりました。
平成22年11月に設置した上海ビジネスサポートセンターを皮切りに平成24年8月にベトナム・ハノイ、そして26年8月にタイ・バンコクにサポートデスクを設置いたしました。
成長著しい新興国市場での進出企業のニーズに的確に対応していくためには、社会経済情勢の変化を見極めながら運営していくことが必要であります。
例えば中国では、企業のニーズは当初の製造拠点の設置から、巨大マーケットを狙った販路の拡大にシフトし、現地企業との合弁解消などの新たな動きも出ております。
県ではこうした変化に対応するため、上海ビジネスサポートセンターのスタッフの見直しも含めた新たな体制づくりに着手しております。
また、ベトナムやタイの拠点についても、設置後5年を目安に体制や機能の見直しを行っていく予定でございます。
次に、本県へのジェトロ事務所の設置についてでございます。
ジェトロは、御指摘がありましたように海外に76の事務所と海外展開についての豊富な情報・ノウハウを持ち、貿易・投資にかかる情報提供や海外展示会への出展支援など国内企業の海外展開を促進してきました。
幸い、私も県担当部局もジェトロの石毛理事長をはじめ、役員、スタッフの皆さんと、いつでも交渉できる関係にございました。
そこで、これまではジェトロの東京本部を活用して、海外展開に必要なノウハウや人脈、情報を入手し、県内企業を支援してきたところでございます。
今後、県内企業の海外展開がより多くの国々に拡大していくことが予想され、県内の支援体制についても更に充実させる必要があると思っております。
県内外の幅広いネットワークと豊富なノウハウを持つジェトロの事務所を県内に設置することの御提案、このことは大変立派な提案だと思いますので、そういう時期が来たというふうに私も思っておりますので検討させていただきます。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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