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掲載日:2023年5月17日
Q 吉良英敏議員(県民)
先月の11月19日の埼玉新聞にも掲載されましたが、埼玉県と埼玉大学は人口減少や高齢化社会に向けた大々的な意識調査を行いました。川越、そして本庄、秩父、戸田、小川、鳩山、そして地元幸手市を対象に行われました。まず注目すべきは、高い回収率です。選挙人名簿から無作為抽出した各市町村500人ずつを郵送でアンケートを実施、全体で70.5パーセントの回収率、住民の高い関心がうかがえます。
結果を総合すると、定住要因には交通や医療が挙げられ、今後若者を定住させる政策やサービス、これが求められること、さらに人口減少で最も重要な対策は何か、この質問に対して7つの自治体のうち5つの自治体が産業を誘致して雇用を増やすと答えました。続いて、行政サービスの充実、そして自治体連携で協力して地域の魅力を高めると続きます。この調査結果を基に、2017年度から新5か年計画の参考にするかと思いますが、今申し上げたような雇用創出、行政サービスの充実、あるいは自治体連携、これらはもはや一つの自治体では解決することが難しくなっているのが現実であります。
そこで、これからは県が率先して、より広域的な生活圏でビジョンを描くこと、これが必要であると思います。今年9月に、「消滅可能性都市」の著者で、また元総務大臣、日本創成会議座長の増田寛也氏が来庁され、講演をされました。このままでは東京一極集中は更に進み、そしてそれを食い止めるためには安心して子供を産み育てられる環境づくり、そして雇用、さらには経済、これをはじめとした元気な中核都市をつくらなければいけない、そのようなお話がありました。
埼玉県では、実は今年の1月から、私たちの各地域で地域の未来を考える政策プロジェクト会議、(通称)未来会議というものを開催しています。これは10の地域振興センター、そしてまだ行政レベルの段階ではありますが、始められています。そして、私はこれを更に発展、拡大させるべきかと思いますけれども、その理由を幾つか申し上げます。
例えば、幸手市では市役所庁舎が大変老朽化しています。しかし、私たちの幸手市や杉戸町、それぞれ5万人規模のまち、そのまちでは財政難に加え、そして近隣自治体のこの連携、さらに将来の青写真が見えていないと。自信を持って新しい庁舎に建て替えるべきかどうか迷ってしまいます。さらに、私の地元には東武動物公園駅があります。この駅も、駅前開発が実は一向に進んでいません。駅があるのは宮代町、そして数十メートル先には杉戸町、その更に先の幸手市の人も多く使う駅です。現状では、駅前ロータリーは当然宮代町がやらなければなりませんが、その額は40億円規模とも言われています。地域や利用者の強い要望がありながら、主要駅にもかかわらず整備が進まない、その大きな理由は生活圏で構想を共有するテーブルがないということです。
今求められている地域社会とは何か。私は、医療、経済、環境、災害対策など、場合によっては市町村の枠組みを超えて、より柔軟に具体的に事業化できることだと思います。例えば、私の地元であれば、例えば東京オリンピックを見据えたときに、私たちの地元の鉄道会社と連携し、歴史的にも交わる日光街道400周年と、そして現代の象徴でもあるスカイツリー、これがコラボして国際観光拠点をつくるであるとか、そういった夢がどんどんと広がっていきます。
先日、首相が指示した補正予算案で、地方自治体を介して1,000万人に3万円ずつ給付するという案が出されました。でも、私は思います。給付型の受け身の政策ではなく、地域で未来ビジョンをつくり、自発的な参加に基礎を置いた経済政策、こういったものをつくる場がこれからはもっと必要となるのではないか。そして、その中心が正に今申し上げた未来会議であると思うのです。こうして初めて、東京一極集中であったり、あるいは消滅可能性都市、これを克服することができると思います。
そこで、今後、県が率先して広域生活圏のビジョン、そしてリーダーシップを持って取り組むために、未来会議への首長、議員、さらに住民の参加をはじめ、更に発展、拡大させるべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
A 上田清司 知事
県では超少子高齢化などの中長期的な課題に広域的に対応するため、県内を10地域に分け市町村とともに「地域の未来を考える政策プロジェクト会議」いわゆる未来会議を開催しております。
現在までに62回開催し、地域振興センターと市町村の第一線で活躍する企画担当者が地域に共通する課題について一緒に検討する場になっています。
本庁からもテーマに応じて担当の幹部職員を派遣するなど活発な議論を促してまいりました。
未来会議の議論は各市町村長にも必要に応じて報告され、少子化など地域の諸課題の取組を進める上で役立てていただいております。
県としては未来会議での提案が、各地域での市町村長が連携した取組に発展することを期待しています。
県内では既に、例えば所沢市、飯能市、狭山市、入間市で構成される西部地域まちづくり協議会、通称「ダイアプラン」など市町村レベルで集まって地域の共通課題を議論する場もございます。
また、秩父郡市や児玉郡市のように関係市町の首長や議員が参加した広域市町村圏組合により、共同で事務を進めるとともに、定住自立圏として連携して取組をしている例もございます。
こうした市町村の連携を中心に、議員御指摘のように首長、議員、住民の参加までそういう展開ができれば、それぞれの自治体の未来を考える機会が更に拡大するのではないか、このように私も思います。
最終的には当該自治体がそれぞれのやり方で未来を創られる形になるかと思います。県はそれぞれを支援させていただくという形になると思っております。
しっかりとこうした新しい動きを、県としては支援をしてまいります。
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