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掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (秋山文和議員)

国民健康保険の財政立て直しは、国の責任で

Q 秋山文和議員(共産党)

国保税が高過ぎます。所得200万円の4人家族に36万円を超える保険税は、もはや負担の限度を超えており、到底払えません。運転資金の入金口座を差し押さえられて事業が続けられなくなった過酷な取り立てが、地元春日部市でも行われています。やむなく全国の市町村は、3,500億円に上る法定外繰入れを行っていますが、これも限界です。
このような事態に対して、国は運営主体を2018年から市町村から都道府県に移すことによって打開しようと、県や市の負担も含めた約3,400億円の公費投入の方針を示し、今国会で関係法案を通したのです。国は、この3,400億円の公費投入で被保険者1人当たり約1万円の財政改善効果があると宣伝しています。しかし、都道府県化によって1人当たり1万円の保険料が下がるとは到底考えられません。あと3年後の2018年の時点で、国保の被保険者のうちの高齢者は今より更に増加し、財政状況は悪化するのではありませんか。公費3,400億円が投入されれば、この国保の財政の悪化が解決できるとお考えですか、保健医療部長、お答えください。
また、3,400億円のうち1,700億円は、財政調整機能の強化などを目的に交付されます。この中の多くが医療費抑制や保険料の徴収を条件に交付されるものです。これでは、むしろ都道府県が医療費抑制や保険料徴収強化の監督役を担わされるだけです。低所得者、高齢者が主体の国保財政の困難の原因は、国の財政負担の後退にあります。国民健康保険事業年報によれば、市町村国保財政の総収入に占める国庫支出金の割合は、1984年に50パーセントであったものが、2011年には25パーセントとなっています。
国保法は、第1条でその目的を、社会保障と国民保健の向上とうたっております。知事に伺いますが、社会保障としての国保の立て直しのために、80年代並みに国の財政負担を復活させるべきと考えますが、見解をお示しください。

A 上田清司 知事

国民健康保険制度は、昭和33年に、保険料が半分、国の負担が半分という仕組みで始まりました。
その後、三位一体改革による税源移譲や国保制度の見直しが進められる中で、国保財政における市町村や県の負担が相対的に増えてきました。
国民皆保険制度を堅持するため、国民健康保険の財政の立て直しは、国も当然責任を持ってしかるべきであります。
この度の国保制度改革において、国と地方との協議の結果、平成30年度以降、赤字解消のため毎年約3,400億円の公費の追加投入が決まりました。
しかし、現在の国保は医療費の多く掛かる高齢者や低所得者層で構成されており、この構造的な問題を解決しない限り、公費投入は拡大し続けることになるのではないかと思われます。
平成30年度から都道府県単位に国保運営の規模が拡大されますが、塩崎厚生労働大臣からは必要な財政上の措置については全国知事会の指摘を十分踏まえてしっかり取り組んでいきたいと回答はされました。
県としては、責任ある国保の財政運営を行っていくためにも、国に対して財政負担を求めてまいります。
秋山議員から80年代並みの国の財政負担を復活させるべきとのお話がございました。
しかし、私は、負担割合を単に昔の姿に戻すことではなくて、今回の制度改革を将来に向かって国民のための医療保険制度を再構築するための第一歩にしなければならいないのでないかと思います。
また、全ての医療保険制度における給付と負担の公平化を考えれば、将来は国民全てが加入し、国が一括して運営する医療保険制度の方が、より安定する、より優れたものになるのではないかと考えております。
その場合、都道府県ごとに医療費抑制へのインセンティブを持たせるようにすることも大切であります。
県としては、将来的には医療保険制度を一元化するよう強く働き掛けていきたいと思います。

A 石川 稔 保健医療部長

制度改革に当たり、国と地方との協議の結果、平成30年度以降公費負担を毎年約3,400億円追加投入することとなりました。
しかし、全国の市町村国民健康保険財政における法定外繰入金、いわゆる赤字補てん分は平成25年度で約3,500億円に上っております。
本県の場合で申し上げれば、約296億円が市町村の一般会計から特別会計に繰り出されております。
国の公費拡大分のうち、本県にどれくらいの額が配分されるかはまだ明らかにされておりませんが、ある程度の赤字補てんの効果はあるものと思われます。
しかし、様々な対策を講じても、今後とも医療費の増大が見込まれていることに加え、国保のかかえる構造的な問題もあり、3,400億円の投入だけで国保財政の悪化がすべて解決できるとは考えておりません。

再Q 秋山文和議員(共産党)

国保、今の部長の答弁では、3,400億円ではとても見通しがないというお答えでした。埼玉県の市町村の努力で296億円の繰入れが行われていますが、これをやっても見通しが立たないということですから、ここは一層市町村の負担も上げなければならないという事態になるでしょうし、また、県の負担も上げなければならない、国が以前のように戻さなければですよ。
国が急に一括管理を自分たちでやりますよというふうにはなかなかならないという前提の下に、市町村と県の役割がここで発揮をされなければならないだろうというふうに思いますので、この見通し。

再A 上田清司 知事

国保についてでありますが、御案内のとおり、現在、埼玉県下の市町村の総額で一般会計からの繰入れが296億という形になっております。したがいまして、今後県が主管する形になりましても、現実には窓口業務的なものは市町村になってきますし、住民の健康全体を担っていくのも市町村ということでございますので、この国保だけで計算をしていくと、なかなかうまくいきません。したがいまして、健康長寿をはじめ、いかにすれば医療費の抑制も可能になるのかとか、そういう総合的な判断もしなければいけませんし、また、国の財政においても困難なことは、秋山議員だって分かっているわけでありまして、全部国におっかぶせて何とでもせいという話はですね、ある意味ではなかなか責任を問うということも困難ではないかというふうに思っています。これは、やっぱり県と市町村、そして国、ともに協力して国保財政をしっかりさせていく。また、県民、市民の健康をしっかり守っていく。その上で、困難な課題についても国がしっかりとそうした補填をしていくということを今後も詰めていかなければならないと、このように考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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